第1108話 『ディヴェルティメントニ長調 K.334』 モーツァルト

 ザルツブルク時代も、終わりに近づくころ、1779年から、80年に書かれたようです。


 ロビニヒ様という、ザルツブルクの貴族のご子息の大学修了のお祝いではないかと言われる作品。


 6楽章からなり、45分くらいかかる規模がありますが、たいへんに広い感情の起伏をもち、しかも、有名なメヌエットを含んでいる人気作品でもあります。


 ヴァイオリンが華々しいソロを聴かせるのは、ちょっと協奏曲みたい。


 第1楽章は、快活で、しかし、滑らかで、優美な姿をもつ傑作。


 ザルツブルク時代の他の作品とは、いささか隔絶した世界を聴かせてくれます。


 第2楽章は、ニ短調の変奏曲で、モーツァルトさま独特の哀しさを秘めます。


 第3楽章は、『モーツァルトのメヌエット』と言えば、たいてい、これのこと、と言うくらい有名なメヌエット。


 第4楽章は、アダージョで、とっても、気品があってじゅわじゅわ。


 第5楽章は、二つ目のメヌエット。


 飛び上がるところと、沈み込むところの標高差が大きく、はしゃいだり、考え込んだりのモーツァルトさん。


 最終楽章は、後半期のピアノ協奏曲などをほうふつとさせるような雰囲気がありまして、ただ単に楽しいだけではない、底知れない、いわく言い難い深淵がある音楽。


 ヴァイオリンのソロも、素晴らしい。


 ちょっと、なぜだか、泣きそうな明るさで、魅せてくれる、モーツァルトさんにしか書けない種類の音楽でありましょう。



😭😝👻😭🐸🌋🎏 うつ 🎃 うつ ⌛💰💊😉😢😋😂😨

 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る