第1002話 『交響曲第4番』 フランツ・シュミット

 単一楽章のなかに、ピュアな中身をぎっしり詰めた、たいへんな『うつうつ』音楽でありまして、これは、癒し度もたかい。(個人差あります。とくにこの交響曲は、受け入れにくい場合もあるかも。)


 単一楽章ということから言えば、北欧のシベリウス先生の第7番(1924年)が名高いですが、こちらは、1932~33年に作曲されたということで、さて、シュミットさまが、どこまで、しべ先生の作品を聴いていたかはわかりません。


 もしかしたら、より長生きした、しべ先生の方が聴いていたかも。


 しかし、ハーモニーの感じは、やはり、マーラー先生に近い。


 でも、澄みきった、純な孤独な響きは、いくらかしべ先生寄り。


 でも、規模はかなりでっかくて、しべ先生の7番の倍くらいあります。


 集約化が凄く高く、最初から最後まで、緊張度が半端じゃないしべ先生とは、ちょっと、作りが違って、そこらあたりは、やっぱりマーラー先生の流れ。


 単一楽章の交響曲といえば、同じ北欧は、スウェーデンの、アラン・ペッテション先生(1911~1980)の得意わざ。(ペッテション・ベリエル先生と混同しやすい。)


 時代が少し下がる分、ペッテション先生が、よりモダンで、ちょっと取っつきにくいかもしれません。


 しかし、似ていると言えるところもありそう。


 この、シュミット先生の交響曲は、奇しくも作曲していた時期に亡くなった娘さんへの想いがこもっているらしいです。


 なるほど、葬送音楽というべき場面があります。


 ペッテション先生の交響曲には、大変に苦しい子供時代を送った反動があるように言われ、なかには、それをいくらか批判的に見る方もあるようですが(自己れんびんだとか。)、やましんは、それは、ちょっと気の毒な気もいたします。


 誰の作品について書いてるのか、わからなくなりましたが、シュミット先生の交響曲の中では、この交響曲が、一番魅力的かも。


 もっと、有名になって良い、傑作。


 なお、日本人による演奏のCDがありました。寺岡清高さま指揮、大阪交響楽団。(キング KICC 1004-5)




・・・・・・・・・・ うつ 👼 うつ ・・・・・・・・・・


 


 


 

 

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