第917話 『ピアノ・ソナタハ短調 D958』 シューベルト
もしかしたら、再登場かも。
高橋アキさまの録音を聞いておりまして(カメラータ・トウキョウ CMCDー28193。D959が一緒に収録されています。)、ちょっと書く気になったものですから。
わたくしは、ピアノはまったく弾けませんが(お歌の音とりするくらい。)、この曲の楽譜は手元にあります。
楽譜があると、ぐっと見通しが良くなります。
こまかいアナリーゼはできませんが、何をやってるのかも、判り易いです。
このソナタ、頭から、ベ-トーヴェンさまの『悲愴ソナタ』の冒頭によく似た音形が現れます。
その後も、いっしょうけんめい、ベートーヴェンしようとしている感じはあります。
でも、27小節目に、中央のCから、いっぺんに、オクターヴを超えてEsに飛ぶと、いかにもシューベルト先生風な雰囲気が出てきます。
それでは、ならじと、またまた、ベー先生風に舵を取ろうとしますが、いつの間にか、シューベ先生風な動きになります。
全体的に、そうした流れが多いような感じはしますが、最終第4楽章になると、独自性の方が強くなってくる気がいたします。
実際、この作品から、D960までのみっつのソナタは、シューベさまが、1827年3月26日に、ベー先生亡きあと、ご自分が亡くなる寸前までの短期間で書いたようです。
いちばん『うつうつ』感が強いのは、やましんが思うには、最後の第4楽章です。
後ろから、追い立てられている雰囲気が強いのですが、まあ結果論ですが、自分の死期というものは、実際に感じるものかもしれないです。
個人ごとですが、父が亡くなる少し前に、『もう、おとうちゃん。だめみたいだ。』と、病院のベットで小さく言いましたが、実は、それは分かっていたのですが、本人には告知しなかったのです。その後は、最後まで、一言も、話しませんでした。
それでも、まあ、雰囲気は、わかりますよね。多分。
もっとも、シューベさまは、年齢もまだ若く、老衰する時期でもなく、直前までこうして活動していただけに、長大なソナタをみっつ、たて続けて書いたこと自体が、なにか深く感じるところがあったんではないか。と、思ったり。
このみっつの『ソナタ』や、死後『白鳥の歌』としてまとめれる歌曲を書いたあと、11月12日の友人あてお手紙で、かなり体調が悪いと訴えていたとのこと。14日からは、高熱が出たと。
その、1週間後、1828年11月19日に、亡くなります。
死因に関しては、腸チフスとか、梅毒の治療による水銀中毒とか、いまひとつはっきりはしないようです。
現代なら、もしかしたら、回復したのかも。
でも、ここのところ、高熱で、救急車呼んでも、病院になかなか、入れない状況のようです。
すると、あまり、変わらないかもしれないです。
ここのところが、書きたかったので。
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