第900話 『ヴァイオリン・ソナタ第2番』 シェーグレン


 エミール・シェーグレン先生(1853~1918 スウェーデン)の『ヴァイオリン・ソナタ』に関しては、すでに名作『第1番』のときに、一応、登場済みです。


 『ヴァイオリン・ソナタ』は第5番まであるようです。少しずつ、登場していただきましょう。


 そこで、ここに、めでたく? 『第900話』記念と言うことで(実際は、901話なんですが)『第2番』が登場! (どういう意味? まあ、積極的なお祝いの曲は、1000話の時に取っておこうかなあ、とか?・・生きてるかしら?)


 シェーグレンさまは、家庭が貧しく、苦学した方です。


 40歳も過ぎて、ようやく、生活が安定してきたようですし、作曲家としての評価も、最近まであまり重視されてこなかったようで、そこらあたり、フィンランドの、カスキ先生(1885~1957。シベリウスさまと同じ日に亡くなったことが知られております。)と、いくらか似たような感じもあるかしら?


 しかし、こうして、『ヴァイオリン・ソナタ』など聞いておりますと、そうした厳しい背景は、感じません。


 比較的、『第1番』と対になっているような、雰囲気的には、近い音楽です。


 ただし、こちらは、4楽章形式に拡大されていて、より意欲的な作品。


 第1楽章は、厳しい表情もいくらかみせながらも、叙情的な雰囲気は終始維持していますし、途中で音楽が緩んだりもしない。


 ピアノの伴奏が、なかなか雄弁で、重要なモティーフを聴かせます。


 じゅわじゅわなのは、まずは、第2楽章の中間部です。


 全体的には、スケルツオのような役割ですが、この中間部分は、しっとりした、良い音楽です。ここでも、ピアノの方に、印象的なモティーフが聞かれます。


 そうして、アンアダンテ・ソステヌート、とされている第3楽章が、たいへんじゅわじゅわです。


 いくぶん、フランス風な、いくぶん、チャイコフスキーさま風な、おしゃれな旋律が印象的で、全体が、お歌のようなことになっております。


 第4楽章は、積極的な、やや追いかけられるような、切迫感もある音楽ですが、終結間際に、ふっと陰るところもあります。


 シェーグレン様の場合、ヴァイオリンとピアノの配分がよく出来ていて、また、とっても、よく歌うところも、気持ち良いです。


 今、聴いておりますのは、スウェーデン、カプリース・レーベルから出ている『ヴァイオリン作品全集』の二枚目です。(CAP 21667)


 なお、むかし、LPで出ていたバージョンがありまして、CDにもなっていましたが、実は、そちらの演奏が好きだったんですが、例によって、ここのところ、行方をくらましています。


 なお、このCDには、歌曲を、友人だった、トール・アウリンさま(1866~1914)がヴァイオリン用に編曲した作品が入っていまして、こちらが、ものすごく、素敵! ちょと、泣かせてくれます。


 という、訳ですが、第900番台も、よろしくお願い申し上げます。





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