第898話 『アルカナ』 ヴァレーズ 

 『アルカナ』、という言葉を聞いたこと、あるかな?



   ~~~『うわ~~~~。やましん、かえれ~~~!!』



 え。わたくしの場合、すぐに思い浮かぶのは、レコ―ドやCDのレーベル『ARCANA』で、あります。


 ここからは、レッツボールさま演奏の『ロザリオのソナタ』(ビーバー)が出ておりまして、一時期、なかなか手に入らないし、みつけても、すっごく高くて手が出なかったりしたものです。


 もともと、『秘密』とか、そういう意味合いらしいです。


 ヴァレーズ先生(1883~1965)は、フランス出身で、後、アメリカで活動した作曲家さま。


 20世紀の、新しい音楽の開拓者。


 戦後は、電子音楽を活用する方向に、進みましたそうな。


 手元にあるのは、リッカルド・シャイーさまが指揮した『全集』録音。(ロンドン・デッカ POCL1847/8)


 ダンディさまや、ルーセルさま、ヴィドールさまなどに、学んだというのですが、初期の作品は『暗く深い眠り』しか残っていないということで、そこらあたりは、よくわかりません。


 『暗く深い眠り』は、ピアノ伴奏の歌曲作品。


 さきのCDには、オリジナル・バ―ジョンと、管弦楽編曲版が入っています。


 歌詞は、ヴェルレーヌさまのものとか。


 歌詞の内容もそうですが、たしかに、いささか不気味な雰囲気ですし、特に管弦楽編曲版(アントニー・ボーモンさま編)だと、薄暗い部屋の中に佇む、マーラー先生みたいな感じ。


 ピアノ伴奏だと、ちょっと、印象派的な雰囲気が出るようです。


 わたくしは、ピアノ版のほうが、しっくり。


 さて、こちら『アルカナ』ですが、初演は、なんと、ストコフスキーさまの指揮で、1927年に行われたんだそうです。


 ストコフスキーさまは、現代ものにも、積極的に関わっていたのですねぇ。


 ただし、評判は、さっぱりだったようです。


 ヴァレーズさまが、世界的に名を挙げたのは、かなり後のことになったようです。


 やましんの貧弱な頭では、なかなか歯がたたないのですが、これが、面白いと言えば、面白い。


 管弦楽の爆発が、たいへん、心地良いという感じです。


 作曲当時は、そうとう、ありえない音だったかもしれないですが。


 聴きながら、ふと、思ったのは、どこか、ストラヴィンスキーさまの、『春の祭典』(1913年)を思わせる部分があること。


 ぼくたちは、さらに、強烈な音を、あちこちで聴いているものですから、むしろ、あまり気にならないのではないかしらあ。。・・・


 そんな気もします。


 『うつうつ』かどうかと言われると、いくらか、ギモンですが、意外に、抵抗感がないのは、やはり、時代のせいが、あるかな。



********** うつ  😱   うつ **********




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る