第893話 『謝肉祭』 シューマン
こうした作品は、やましんごときが、なんらかのコメントが出来る作品ではございません。
1835年、シューマン先生(1810~1856)初期の名作。
いくらか、ごったまぜの雰囲気もなくはないですけど(ショパンさんが入れられているのは、ちょっとご本人が活躍中の時代なんで、かなり微妙だったかも。もっとも、もっぱら賞賛の意味なら、他にもそうした例はあったような気がしますし。)
その音楽自体は、大変に美しいし、曲集の中でも、一番のじゅわじゅわなんですが。
全体的には、楽しい音楽だし、いくらか、社会風刺みたいなところもあって、シューマン先生独自の架空の組織、ダヴィド同盟の活躍を描いたみたいな、文学的な風味が効いてるようです。
ピアノは弾けないので、技術的なことはわかりませんが、大ピアニスト志望だったシューマンさまですから、さまざまな工夫が凝らされているはず。
ピアノ作品として、変化に富み、それぞれは短いピースですが、聞いてて飽きさせない。
副題は(主題かも)『四つの音による可愛い情景』作品9、なんですが、この四つの音といいますのは、『AS(es)CH』だそうで、その頃の恋の対象だった方のお名前なんだとか。
音名を使って主題を作ると言うのは、いろいろと、実例もあったところではありましょう。
この曲集には、『スフィンクス』といいます、それこそ、謎の部分が9曲目の前に置かれていますが、こいつは、実際には演奏されないのが普通だとか。まあ、一種のカギみたいなものかしら。ただ、手元の今、聞いてるCDは、マイラ・ヘスさまのちょっと古い録音ですが、ここでは、演奏されています。(BBC Music BBCL4201-2)
まあ、楽譜みたことないので、それ以上はコメントできませんね。
最後が、『ペリシテ人と闘うダヴィド同盟の行進』となっていて、華やかに締めくくくります。
シューマンさまの、ある種の、前向きな自信の吐露みたいな感じかな。
ペリシテ人さまたちは、旧約聖書などでは、敵役のようですが、最近には、遺跡から発見された人骨から、DNA鑑定も行われたんだとか。
一般的には、巨大兵士ゴリアテさん、とか、サムソンの敵役で恋人のデリラさんとかが、ペリシテ人なんだとか。
神話や伝説も、いまや、科学的な解明が始まっている、というわけですか。
日本も例外ではなく、縄文文化では、従来の考えとは異なり、かなり大きな建物も作られていたらしいとか。
世界的には、最近話題の、トルコのギョベクリ・テペ遺跡が注目。
1万年前よりも、さらに遡るのではないかという、謎の遺跡です。
ここらあたりは、シューマン先生も知らなかったことがら。
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