第844話 『チェロと管弦楽のためのロンド』 オーベール
オーベール先生(1782~1871)は、日本の西洋音楽の受容においては、特別な地位にあります。
それは、もちろん、浅草オペラにおける『歌劇 フラ・ディアボロ』の功績が大きいわけです。
もっとも、その時代は、遠くなりましたし、見てもいません。
ただ、田谷力三さんはじめ、録音で忍ぶことはできます。
田谷さんは、1988年まで、長く活躍しておられたので、わたくしなども、テレビを見ていたのは、以前書いたような。
で、オーベール先生は、オペラが一番名高いのでしょうけれど、なんでも、チェロ協奏曲が4曲、ヴァイオリン協奏曲が1曲あるんだとか。室内楽も書いている。
この曲は、単一楽章ですが、小規模なチェロ協奏曲のような見た目です。
最初のあたりが、いかにも、オペラ作家という感じで、よく、歌いまして、なんだか、じゅわじゅわ。
後半は、活発な音楽になりまして、景気よく終わります。
モーツァルト先生の時代までは、オペラとそれ以外の作品と、たくさんの分野の作品を書く時代だったようですが、近代になると、その道の専門家がたくさん現れるようになったみたいです。
作曲家=演奏家だったのも、しだいに分業化が進んだようです。
指揮者が、職業として独立したのは、19世紀も後半だとか。
職業指揮者の草分けは、ハンス・フォン・ビューロー先生(1830~1984)です。
ワーグナー先生の奥様、コジマさまは、リスト先生の娘さんですが、もともと、ビューローさまの妻でした。(深入りしません。)
まあ、もちろん、作曲家だって、演奏することはあるし、指揮者が作曲することもあるわけですし、作曲家が自作を指揮することは、あるわけですが、基本的には、次第に分業化してきたわけです。
世の中の、だんだん、ややこしくなり、ひとりでやるのは、たいへんになったし、つまり、貴族などの雇われではなくなり、独立して、収入を得る必要が大きくなり、また、まあ、それなりに、儲かるようにもなったわけでしょうか。
ポピュラー音楽の分野では、自分で作曲して、自分で楽器を弾いて自分で歌うのは、珍しくはないでしょうけれど。
やましんが聞いたのは、コッホ・シュワンのCDです。(311039。日本では、ANN581)
しかし、チェロという楽器は、魅力的です。
甘く、せつなく、しかし、なかなか、豪胆で、軽業みたいなこともできてしまう。
ただ、ちょっと、大きいのが、難点ですな。
ハープや、ピアノになったら、もとから、自分で運ぼうなんて思わないけど、チェロ、さらに、ベースになると、なんだか、大変そう。
フルートは、その点、とっても、楽チンです。はい。
・・・・・・・・うつ 🚚💦 うつ・・・・・・・・・
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