第843話 『弦楽四重奏曲第15番ニ短調 K.421』 モーツアルト

 始まったら止まらない、もー先生であります。


 ハイドン・セットの2曲目にあたります。

 

 しかも、その中で唯一の短調を主調とする作品。


 1783年の6月あたりの作品らしいです。


 もー先生が、短調で書く時は、ただごとではない何かを漂わせるのであります。


 この作品は、ハイドン先生を目指して、いや、乗り越えようとして書かれた作品のひとつですから、『はいどんさん。これ、どうだ!』と、誰も考えたことのない手の駒を、盤面に軽く叩きつけたみたいな衝撃が、頭から来ます。(やれやれ・・・ひどい、言い方だ。)


 この、緊張感に満ちた主題、そうして、続く明るい主題の対比はすばらしい。


 結局短調中心になって、感動的に最後まで進みます。


 その後半は、すばらしいです。


 第2楽章は、明るめに始まったな、と思ううちに、なんだか、すっと陰りが出てきます。


 こういう音楽を書けたのは、モーツアルト先生とシューベルト先生だろうなあ、と、やましんは勝手に思います。


 また、それがあるので、『うつうつ』には、欠かせないお二人なのです。


 第3楽章は、メヌエットさんですが、これだと、やましんなどは、踊れなくて(もともと踊れないけど)座り込んでしまって、泣いてしまいそう。かなり厳しい、尋常ではない音楽。ところが、中間部は、ピチカートに縁どられた、かわいらしい主題が出て来ます。この落差がすごいです。


 終楽章は、お得意の変奏曲になっていますが、ここは、ほとんど、いま天国から出てきたような音楽。


 こ、これが、じゅわじゅわせずにいられましょうかあ!


 この変奏曲も、シューベルト先生が後に書いた、『弦楽四重奏曲ニ短調〈死と乙女〉』の変奏曲楽章とならぶ傑作。


 最後、長調の響きがほのかに聞こえるあたりは、未完成になった『レクイエム』をちょっと思わせたり。


 もー先生だけで、〈うつううつ〉 最後まで行きそう?



 

 ************ うつ  😢 うつ ***********


 

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