第842話 『弦楽四重奏曲第14番ト長調 K.387』 モーツアルト

 もー先生の弦楽四重奏曲は、23曲あるということですが、これは、ハイドン先生の書いた弦楽四重奏曲に刺激されて書いた、いわゆる『ハイドン・セット』の1曲目にあたります。


 つまり、ハイドン先生に捧げらることになった第14番から第19番までの弦楽四重奏曲の最初の作品です。


 負けず嫌いのもー先生ですから、偉大な先輩、大ハイドン先生に、負けてたまるかあ! という気持ちもあったのではないか?


 とも、言われたりするようです。


 かなり年上のハイドン先生のほうが、遥かに長生きしてしまったのは、結果ですから、仕方がないですが、もー先生には、もっと生きていてほしかったと、みんな思うでしょう。


 で、ハイドン先生に対し『長く辛い苦労の結実』と、モーツアルト先生は書き添えたようですが、ベートーヴェン先生に対して、モーツアルト先生とか、シューベルト先生は、あまり設計図を引かずに、さっさと、書きすすめたようなイメージがありますが、もー先生に関しては、意外に勤勉に、しっかり計画的に書いていたらしく、これらの弦楽四重奏曲には相当な力を入れて作曲した様です。


 自作品のリストも、詳細に作っていましたような。


 映画『アマデウス』のモーツアルト先生やサリエリ先生は、全部ウソではないけれど、あくまでも、フィクションですから。


 でも、そこは、もー先生で、ベー先生みたいに、竹刀を振り回し、汗が飛び散るような感じはありません。


 第3楽章が、なかなか深遠で、じゅわじゅわ。


 ちょっと、バルトーク先生みたいなモティーフが出てきたり、楽器どうしの語り合いが素晴らしかったりします。


 終楽章は、フーガが導入されていて、複雑に絡み合う部分と、ちとベートーヴェン先生を思わせたりもする、さわやかな旋律が歌われるところが共存して、たいへん、結構な音楽に仕上がっております。すごいです。


 1782年12月31日に完成、の日付がある作品。


 べー先生が尋ねてきたのは、もう少し後の、1787年4月のこと。


 『この子は、みんながびっくりするような音楽家になるぞ。』


 みたいな意味のことを、もー先生はおしゃったそうな。


 とにかく、さすが、もー先生。



 ************ うつ ☆彡 うつ ************

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る