第841話 『ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447』 モーツァルト


 久しぶりの、もー先生です。


 モーツァルト先生のホルン協奏曲は、一応第1番から第4番までありますが、他に未完成のホ長調K.494a(anh98a)、管弦楽の部分が完成していない、ロンド変ホ長調K.371、さらに、協奏曲断章変ホ長調K.370b、があります。


 あほのやましんが聞くところ、やはり、第3番、第4番が、安定したしかも充実した内容がありまして、とくに、第3番の第2楽章の深々とした音楽は感動的です。クラリネット協奏曲までは届かないとしても。


 ときに、やはり気になるのは第1番です。


 この第1楽章は、一番人気もあり、分かりやすく、また、なかなか深淵なものを持っているのですが、なぜか、続きがありません。


 現在は、慣用的に、ジュスマイヤー先生が追加した第2楽章が使われますが、未完成の状態で残された自筆楽譜もあるようです。


 それに、この第2楽章、たいへん良くできた作品で、もし、ジュスマイヤー先生が単独で作ったものならば、さすが!


 ということなのですが、なにか資料があったのかも。


 ただ、ジュスマイヤー先生版は、なぜだか、管弦楽の編成がちょっと違う(ファゴットがない?)とか?


 わからないこともあるようです。


 そこで、ジュスマイヤー先生版ではない、独自のバージョンを使った録音もありまして、たいがいは、両方合わせて録音するようです。


 そもそも、モーツァルト先生の協奏曲で、ゆっくりした楽章が中間にないのは、腑に落ちないと言われます。


 あったものが無くなったのか、そもそも、書かれなかったのか?


 作曲された年も、第2番は1783年5月27日、第4番は、1786年6月26日となっていて、また、第3番は1787年ではないか、ということなのですが、第1番は、以前は1782年末とかんがえられていましたが、研究者の方々の追求により、おそらく、1791年だったのではないか。

 

 と、されるようになったようです。


 モーツァルト先生、最後の年です。


 だから、未完成のまま残されたのは、モーツァルト先生が亡くなったため、というわけです。


 そうすると、あの深淵なクラリネット協奏曲(1791年)より後で、モーツァルト先生、最後の協奏曲作品だったかもしれないと。


 なるほど、そうすると、この第1番の持つ、明るさと同居する、不思議なじゅわじゅわ感、第2楽章の完成が、ジュスマイヤー先生に託されたことなどが、なんだかしっくりくる気はいたします。


 ただし、やましんの情報は古いので、各自お調べくださいませ。


 参考・・・・モーツァルト辞典(東京書籍1991年)。モーツァルト名盤大全(音楽之友社、2006年)、そのほか、手持ちCDの解説。


 



・・・・・・・・うつ  😇  👼 うつ・・・・・・・・・・・

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