第777話 『モテット エクスルターテ・ユビラーテ K.165』 モーツァルト

 いくらなんでも、この名高い作品を、うつうつに持ち込むかいなあ?


 と、おっしゃるあなたは、正しいのです。


 しかし、エクスルターテ・ユビラーテは、『よろこべ、歓呼せよ。』という意味合いですが、日本語では、この曲は『踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ』と、されます。


 1773年1月16日の日付。


 イタリア、ミラノで書かれた作品です。


 カストラート歌手の、ラウッツィーニさまのために書いたとされます。


 3つの楽章に別れていて、一種の、協奏曲のような形になっています。


 中間部の、ゆったりしたところが、全体の要になっております。


 さいごの、アレルヤの部分は、あまりにも名高いところで、なんの曲か知らなくても、音楽自体を聞いたことないという方は、日本では、むしろ少ないかも。


 テレビ、ラジオ、ネット、あちこち、で、よく聞かれます。


 やましんくらいから、上の世代は、映画『オーケストラの少女』がなつかしい。


 もちろん、映画が作られたのは、ぐっと古く、1937年ですが(もっとも、やましんが生まれた年と、そんなにかけ離れてはいないなあ。)やましんが若い時代は、こうした古典的な映画が、よく、テレビ放送されていたのです。


 なんといっても、ディアナ・ダービンさまが、ストコフスキーさまの指揮で、このアレルヤを歌うときは、びっくりどっきりでした。非常に難しい箇所があります。さいご、トラヴィアータを歌うときの、きらきら輝く瞳。魅せられたかたは多かったはず。

  

 また、その、レオポルド・ストコフスキーさま(1882~1977)の、指揮姿が、かなり長く見ていられるというのは、当時のクラシック音楽ファンには、たいへんに貴重だったそうであります。


 やましん個人は、この、この、映画は、哀しい想い出に直結しているので、うきうきなんて、あり得ないのが、ほんとのところです。はい。


 泣けてしまいます?



 お話自体は、大不況時代のアメリカ社会を描きながら、どたばた、おとぎ話になってるところが、いかにも、お国柄か。


 でも、見たことないや、というかたは、一度、いかが?


 まだ若いストコフスキー先生、かっこ良い。


 ストコフスキー先生は、やましんが、学生時代には、まだまだ、現役で、100 歳以上までの、録音契約があったとか。


 まさか、おなくなりなるなんて、考えてもいませんでした。


 おそらく、ご本人も。


 ストコフスキー先生に関しては、あまり高い評価をしない専門家もいらっしゃいました。


 しかし、やましんは、すきです。


 ときどき、やりすぎるにしても、良い音楽を良い音で、楽しく、大衆に聞かせた功績は大きいです。


 それに、いわれるほど、エキセントリックでもない。


 音楽に敬意を持って接している。たぶん。


 映画では、例の『ファンタジア』にもシルエットでじかに、出演していました。


 『カーネギーホール』ってのも、ありました。


 みんな、消え去った、懐かしい日々です。



 やましんも、消え去らねば。





・・・・・・・・うつ   🌫️🌫️🌫️🌫️ うつ・・・・・・・・・・


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