第735話 『ピアノ協奏曲第3番ニ短調』 ラフマニノフ

 

 この巨大な作品は、まえに『うつうつ』で、出たことがあるかもしれませんが、ミスして、ひとつ番号が飛んでしまったところで、たまたま、ホルヘ・ルイス・プラッツ先生(キューバ出身のピアニストさま。)と、エンリケ・バティツ先生(メキシコの大指揮者さま。)が、かなり以前(1983年)に録音した、大爆演のCDを聴きまして、なんだか、感慨に浸ったのであります。


 映画『シャイン』で、取り上げられて、ちょっと有名になりました。


 しかし、この、語弊がございますが、オカルト・ロマン的な大協奏曲は、不可思議な二面性を秘めた、やましんには、扱いにくい作品。


 冒頭から、なんとも、繊細可憐な旋律からはじまりますが、まさに、化け物的な展開をして、押し潰されてしまうような、超絶技巧の嵐の中に投げ込まれるのです。


 繊細にして、大胆。


 センチメンタルにして、豪胆。


 ミステリアスにして、豪華絢爛。


 浮世離れにして、英雄的。


 幽霊的にして、幽霊ハンター的。


 なんだ、それは。


 まあ、とにかく、世に数多あるピアノ協奏曲の中でも、最高に、謎の存在なのだ。


 まあ、聞き方にもよりますでしょうけれど。


 かなりの地域で大雪が止まず、まだ、いまは、積もったりはしていない、やましんの隠れ家ですが、おわあ、寒い。


 年よりは、寒がりです。


 そこに、ラフマニノフ先生。


 なんだか、異世界に連れてゆかれそうな。


 しかし、ラフマニノフ先生には、どこか、大都会的な不思議な味もある。


 かなりの稼ぎがありながら、お金儲けは好きではなかったらしい、ラフマニノフ先生は、アメリカに渡ったあとも、ずっと、満たされないものを、抱えていたらしい。


 それ自体が、パラドックスの中に居た感じかしらあ。


 たしかに、作曲家と演奏家に引き裂かれた、ラフマ先生かも。


 現在も、全体からしたら、ごく少数ですが、世界的有名演奏家さまは、旅から旅に生き、なかなか、ゆっくりは出来ないらしい。


 そのかわり、現代では、多額の収入はある。


 職業ならば、収入を得なければ意味がない。


 しかし、世間は厳しいです。


 プロは、常に、最高であることを要求される。


 演奏できなくなった演奏家さんは、別の道を探さなくては。


 多才な方も、たしかに、いらっしゃいますが、それは、また、生活に直結している側面もあるでしょう。


 やましんには、そういうのは、ないです。


 だから、サラリマン引退したいまは、道がない。


 暗やみを、はいはいしております。


 いやあ、サラリマンだって、プロなんですから、基本は同じ。


 実家に農地があるというかたは、引退後、農業の道がありますが、それは、ないし、体力もないから、無理。

 

 あ、また、悪夢に襲われるのです。


 でも、なんだかんだと、いいましても、考えてみてください。


 この、とてつもない曲を、間違いなく、きっちり全部演奏できる、と、いうだけでも、地球に、はたして、何人いらっしゃるか。


 それを、考えましたら、そりゃ、ぜひ、大切にしなければ。



 今回は、なかったことに、いたしましょう。


 ごう、つう、たいむ、とらべる。




・・・・・・・・・うつ  😱😱😱 うつ・・・・・・・・・


  


 



 

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