第736話 『ピアノ協奏曲第4番変ロ長調』 プロコフィエフ


 1931年の作品。


 『左手のための』と、されております。


 これは、第一次世界大戦で、右腕を失った、ヴィトゲンシュタインさまのために、書いた作品なのだそうであります。


 そう言えば、ラヴェル先生も、この方のために、書いていたぞ。


 パウル・ヴィトゲンシュタイン先生(1887

~1961)は、オーストリア生まれで、のち、アメリカに渡ったピアニストさま。


 哲学者のヴィトゲンシュタイン先生は、弟さんとか。


 かなり、たくさんの大物作曲家さまに、作品を委嘱していますが、なかなか、自己主張もあったかたのようで、ラヴェル先生の作品(『左手のためのピアノ協奏曲』)は、独自に加工して演奏したため、ラヴェル先生とケンカしたようですな。


 さらに、プロコフィエフ先生の、この作品は、気にいらなかったのか、難しすぎたのか、肌が合わなかったのか、演奏を拒否しています。


 こうした場合は、違約金とか、払うのかしら?


 そこで、同様に、第二次世界大戦で怪我のために右腕を切断せざるを得なかった、ジークフリート・ラップ先生(1917~1977)がこの曲を見いだし、初演したのだそうであります。


 1956年のことであります。


 それほど、大昔のことでは、ありません。


 しかし、プロコフィエフ先生は、すでに、3年前に、世を去っておりました。


 プロコフィエフ先生は、まだ、61歳だったのですが、脳出血だったらしいです。


 偶然にも、スターリンさまが亡くなる3時間前だったそうです。


 4楽章形式で、交響曲を意識したような意欲作です。ただし、第4楽章は、付録的に、あっという間に終わってしまう。


 専門家さまからは、充実感に欠けるとみる意見も、出ておりました。


 最初は、ちょっと、バルトーク先生に近寄ったような開始で、プロコフィエフ先生にしては、なかなか、面白い。(なんだ、そりゃ。つまり、新鮮、という意味。)


 さらに、第2楽章が、たいへんに、じゅわじゅわでありまして、なかなか、癒し度あります。(個人差あります。)ファンタスティックで、良い音楽です。アンダンテと、されております。


 個人的には、好きです。


 第3楽章は、ここは、モデラートとなっていて、多少、コミカルな雰囲気もあり、たいへん、込み入って、難しそうであり、金管が侵入してきたり、どことなく、ショスタコーヴィチ先生風な感じもしますが、この、中間のふたつの楽章が、この曲の、核心でありましょう。


 第4楽章は、第1楽章への、回帰とされておりますような。


 それにしても、プロのピアニストさまにあってさえ、弾きこなすには、それなりに努力が必要な、なかなか、技術的には、難曲とか。


 戦争は、たくさん、たくさん、罪を犯してますな。


 やましんが、聴いているのは、アシュケナージさまの録音であります。



 


・・・・・・・・・うつ  ⚡😭💣 うつ ・・・・・・・・・

  

 


 

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