第711話 『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001~1006』 J. S. バッハ

 まとまったのは、自筆譜にある記録から、1720年ということらしいです。


 現存するのは、まったく、書き直しもない、浄書譜ということです。


 落書きみたいな、ベートーベン先生とは、大違いらしい。


 まあ、時代も違いますな。


 しかし、ベートーベン先生が現れるのは、わずか、50年後のこと。


 世の中の移り行きは、ものすごく、早くなっていた、と、いうわけです。



 この作品がバッハ先生の楽譜で『第1巻』となっているのは、『第2巻』は、チェロのための無伴奏組曲のことを指すからだとか。


 3曲の無伴奏ソナタと、3曲の無伴奏パルティータとから成ります。


 ソナタは、4楽章形式ですが、パルティータは、ダンス起源の曲が、組曲としてまとまっている、という感じかしら。


 『うつうつ』だとか、癒し、なんて、言ってられない、ヴァイオリニストの方には、聖書みたいな作品でありましょう。


 しかし、聞く側からしましたら、神棚にあげてしまって、またく聞かないよりは、『うつうつ』としてでも、とにかく、聞いた方が良いだろうと、思います。


 いちばん名高いのは、第2パルティータでありまして、四つの楽章のあとに、『シャコンヌ』(変奏曲というところ。)がおかれ、これが、あまりにも、スゴすぎる。


 神聖と言っても良いくらいに、神々しい作品。


 この、シャコンヌだけ、取りあげて演奏することも、よく、あるようです。


 なんだか、だんだん、あたまが、下がってきそうな音楽。(と、いいなが、寝そべって書いておりますが。)


 いろんな、大ヴァイオリニストさまが、精魂込めて録音もなさっております。


 これらを、ぜんぶ、演奏できるかたならば、どれも、素晴らしいものでありましょう。


 いま聴いているのは、ヘンリク・シェリングさまの録音であります。


 1967年に録られたものだそうですが、音は、たいへん、良いです。


 こうした、演奏を聞いていると、やましんも、多少は、ピリッとするのではないか、と、思いたいところですが、なかなか、そう、簡単なものでは、なさそうな。


 役立たずは、役立たずのまま。


 マーラー先生に、そういうのが、ありましたな。(『魚に説教するパドヴァの聖アントニウス。』)




・・・・・・・・うつ  🎻  うつ・・・・・・・・・・・


 


 

 


 

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