第710話 『交響的舞曲 作品64』 グリーグ


 ぐり先生、最後の管弦楽作品です。


 1898年の作品。


 四つの部分から成り立ちますが、特段の題名はつけられていません。


 最後の部分は、かなり、長いです。


 まあ、『うつうつ』ではないと、おっしゃいますかたが、多いかもしれませんが、しかし、やはり、なんだか、懐かしい雰囲気のあるところがたいへん、良く、全体的には、癒し効果がなかりあるので(個人差あり)、『うつうつ』に当選。


 ピアノ演奏用の編曲もあります。


 グリーグ先生、管弦楽作品は、あまりたくさんあるわけではありません。


 まして、管弦楽がオリジナルとなると、『交響曲ハ短調』、劇音楽の『ペールギュント』と『シーグル・ヨルサルファル』、あまりにも名高い『ピアノ協奏曲イ短調』と、あと、この作品と、いうあたり。


 それだけに、これは、貴重な作品です。


 あと、有名な『ホルベアの時代から』がありますが、これは、もともとは、ピアノの作品。やはり、大量に書かれたピアノ作品の、『叙情小品集』から編曲された管弦楽作品『叙情組曲作品54』も、あります。


 全体的に、やや、暗めの重たい雰囲気があるのは、北欧の作品では普通。


 そこが、良いのです。


 グリーグ先生(1843~1907)は、やはり、本領は、ピアノ作品と、歌曲ということになりましょう。


 グリーグ先生の作品から香る、さわやかで、ちょっと、肌触りがひんやりした、あまり、しつこくはない、なにか、氷のしずくが、滴り落ちる、その美しさは、独特の持ち味です。


 ただし、この作品では、それよりも、管弦楽作品としての品格が高いです。


 『交響曲』と、名乗っても、悪くはないくらいかもしれませんが、それは、あまりにも、ぐり先生の本意ではないのでしょう。


 


・・・・・・・・うつ  🌺 🌹 うつ・・・・・・・・・・・



 

 


 

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