第709話 『イタリアのセレナードト長調』 ヴォルフ

 遠いようで、やっぱり、遠い、ヴォルフ先生。(1860~1903)


 でも、言葉の問題はあれども、聞いてみれば、なかなか、面白い。


 歌曲では、もちろん、お歌も、すごいのでありましょうけれど、ピアノ伴奏が、また、やはり、伴奏なんてものではないです。


 そらもう、驚愕です。


 天才さんといいますものは、しろとには、理解不能な領域にあります。


 太陽のように、表面以外は、見えないのであります。(まあ、地球も、そうですね。)


 なので、シューベルト、シューマン、両先生に並ぶ、歌曲の大作曲家として、非常に名高い作曲家さまなのですが、器楽作品は、どうやら、珍しい。


 もともとは、弦楽四重奏曲から出てきた弦楽合奏曲であります。(1887年)


 なんだか、近代イタリア歌劇をパロディったような感じがあります。


 ヴォルフ先生、続きを書くつもりがあったようですが、それは、成りませんでした。


 どこか、素直ではない、ひねくれたような、ところがあり、そういうあたりは、やましんみたい。(そりゃ、比べちゃだめよ。)


 ただし、レベルがものすごく高いし、独創的。


 だから、『うつうつ』にいれるのは、正しくないとは、思いますが、最近、なにかと、動くのがうっとうしい、やましんです。


 ヴォルフ先生は、厳しい、批評家でもありましたそうな。


 たいへん、お口の悪い。


 ブラームス先生と、なぜか、関係がこじれてしまって、さかんに、批判したようです。


 マーラー先生、ハンス・ロット先生、ヴォルフ先生。


 それぞれ、ブラームス大先生と、逸話を残しております。


 ブラームス先生も、必ずしも、いつも、人当たりが良い人ではなかったようで、わざと、いじわるをやったりもしたらしい。


 イギリスのある大学から、招待状がきたときは、くちゃくちゃになった『不参』の葉書が返ってきたとかで、イギリスはお嫌いだったらしいですな。


 ヴォルフ先生が、その、仕返しをしていたわけではないでしょうけど、なんでも、若い時期、作品の批評をお願いしたさい、ブラームス先生は、それなりに、きちんと、助言したらしいのですが、ヴォルフ先生は、拒絶されたように受け止めてしまって、それ以来、生涯、祟ったらしいと……… (このあたり、あまり、わからない。ものごと、言い方とかもありますし……)


 ハンス・ロット先生(1858~1884)は、マーラー先生のご学友であり、ウィーンの音楽院では、ブルックナー先生だけからは、高く買われていたようですが、自作の交響曲の演奏について(この作品は、最近になって、ようやく、評価されてきております 録音もあり。)ブラームス先生に、助力を請うたところ、厳しく当たられて、そのあと、やけになったのか、汽車内でピストル発砲事件を起こし(1880年)、病院に収容され、その後は、軽快した時期もあったようですが、結局、再起はできなかったようです。


 マーラー先生は、なんと批判されようと、対抗しながら、負けずに自らの道を開き出世し、ヴォルフ先生は、批評家として、ブラームス先生に、大逆襲したと言うわけです。


 背景には、ブラームス先生派と、ブルックナー先生、ワーグナー先生派の根深い対立があったのでありましょう。


 もっとも、ブラームス先生と、ブルックナー先生は、一緒に会食したことがあり、なにを、食べたいか、については、意見が一致したとか。


 世の中の対立というものは、親分以上に、その周辺がよけいに、荒立てている場合も、多いのかもしれないです。


 しかし、ブラームス先生、ロットさまに、『才能ない。音楽やめた方が良い。』、とか、言ったらしい。


 ほんとなら、ちょっと、そりゃあ、可哀想。


 いまや、でっかい才能があったのは、認められるようになってきておりますゆえ。


 まあ、そういう話は、なんだか、ときに、芸能界あたりでは、聞くようなきもいたしますが、いやあ、サラリマン世界でも、ないわけでもなく、なんだか、もやもやなところですなあ。


 ヴォルフ先生は、マーラー先生同様、勝ち抜けかけていたのにもかかわらず、病を得て、後半は病院暮らしとなり、はやく、亡くなってしまいました。


 惜しいことであります。


 そう言えば、マーラー先生だって、早死にといえば、そうです。


 1911年には、亡くなってしまったのでありますから。


 なんだか、凄まじい、世の中だったわけですが、今だって、違わないかしら。


 世の中、かなり、恐ろしい。


 ただし、病気は、かなり、直るようになっております。


 そこは、違うな。


 




・・・・・・・・うつ  ⚔️ うつ・・・・・・・・・・・


 


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る