第685話 『歌劇〈黄色の女王〉序曲 (ピアノ版)』 サン=サーンス

 歌劇自体については『レア音詩篇集』で、登場済みであります。


 日本画に描かれた日本の女性に恋をしてしまった、やく中毒の男と、彼を正気にさせようとがんばる恋人のお話し。


 この序曲、あまり表に出てきませんが、たいへんに、良い音楽です。

 

 日本人から言えば、中国と混同してない?


 というのは、よくあるお話しで、日本人だって、かなり、イギリスとフランスの区別付かないだろ?


 という位のことかもしれません。


 前半は、物憂げな調子がなんとも、じゅわじゅわ。


 後半は、いくらか、コミック風な軽さと、判りやすいメロディ-が心地良いのです。


 聞きようによっては、スウェーデンの、ペッテション・ベリエルさまの音楽に似たような雰囲気もあり。(やましんは、むかし、初めて聴いた時、そう思ったのであります。)


 管弦楽の方が、なるほど、多彩な音色が楽しめるのは事実ですが、たんなる代替手段というよりも、ピアノ音楽として聴かせてしまうのが、小川典子さまのCD。(スウェーデンBIS CD-1045)


 なんだかんだといいながら、1999年の©とⓅのマーク入り。(著作権と音源の権利)


 『JAPONISME』というお題のCDであります。


 ジャポニズム自体は、19世紀後半に欧州で流行った日本趣味のこと。


 万博などの国際的な催ものに、日本からの出品があったことが大きく影響したようで、絵画や焼き物類などが、非常に注目を集めたようですが、音楽も例外ではなかったようです。


 そうした音楽類の中で、よくとりざたされるのが、ドビュッシーさまの『交響詩海』ですが、音楽にいかほどの影響があったのかは、証拠がまったくないようで、スコアの表紙に使われたり、どびゅ先生とストラヴィンスキー先生のツーショット写真の背後に、北斎の〈神奈川沖浪裏〉が壁に飾られているのがわかるとか、ということだけで、音楽を聴くかぎりは、特に、日本関係ないかも、と言う感じです。(ちょっと、独特な音階的雰囲気はありますが、近代フランス物には、わりとよくある雰囲気。)



 しかし、このCDは違います。


 とにかく、JAPONとか、JAPAN、からみの音楽がずらり。


 どうも、識者の中からは、批判的な意見も出たらしいとも聞きます。(こんなもの。はずかしいじゃないか・・・とか。)


 しかし、これは、大変に、面白いです。


 面白いだけじゃなく、なかなか、音楽として聴かせます。


 まだお聞きでない、興味のある方は、一度、どうぞ。


 なかなか、癒し度あり。(個人差がかなりありそう。かな?)




 ********** うつ  🌊 🌊 🌊 うつ **********




 

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