第671話 『イタリアのハロルド』 ベルリオーズ

 標題交響曲とか呼ばれたりする作品群のひとつ。


 おなじ、ベルリオーズさまの『幻想交響曲』に対して、あまり、知名度はないかな。


 しかし、この、作品は、なんたって、なぜか、ヴィオラの独奏を持っているところが、みそ。


 パガニーニ先生から依頼された、という、お話しがある作品ですが、作曲途中で、パガニーニ先生から、独奏が少なく、目立たないと、クレームが付き、パガニーニ先生に捧げるのはやめにした、ところが……………


 まあ、伝説のようなお話しがつづきますが、お金がからむ、得意話しみたいなお話しになるので、省略。


 初演は、1834年12月23日。パリ音楽院ホール。


 指揮者さまのせいで、失敗したとか。


 何をしたのかな?


 それに凝りて、自作は、極力自分で指揮することにしたんだとか。


 いかにも、ベルリ先生らしいお話だな。


 当時は、新しい方式のベーム式フルートが出始めの時代。(1832年に最初のモデル発表。)


 ベルリ先生は、この新しい機構の、でっかい音がするフルートがお嫌いだったらしいです。


 『大砲』と呼んだ事もおありとか、聞いたような。

  


 全体は4楽章構成です。


 たしかに、幻想交響曲に対して、じみと言えば、じみ。


 しかし、音楽は、いたるところ、ベルリオーズ先生らしい音楽で、そうですね、絵画的、色彩的な、独特の香りがある。


 慣れると、なかなか、面白いです。


 第1楽章の、ヴィオラが出てくるところは、かなり、美しい。


 プッチーニ先生の、サクラの中から、蝶々さんが、登場するところみたい。


 第3楽章の、セレナーデあたりは、なかなか、ローカル色があったりもして、よい感じで、じゅわじゅわです。


 猟奇的で、刺激的な幻想交響曲より、安心して聴くことができるのが、魅力的。


 とはいえ、終楽章は、それなりに、はで。


 ヴィオラのソロさんが、どこかに、見えなくなっているのが、なんだか、気まぐれな、世間話的で面白いです。


 はでな、血なまぐさい事件がないと、面白くないというかたは、幻想交響曲をどうぞ。


 


   ・・・・・・・・うつ  ⛰️ ⛰️ ⛰️ うつ・・・・・・・・・

 


  


 


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