第638話 『ヴァイオリン協奏曲二長調』 ブゾーニ

 フェルッチォ・ブゾーニ先生(1866~1924)は、言い方は良くないですが、ファウスト的な方で、欧州からアメリカにかけて、あちこちに出現し、さざまな方に影響を与えた大物。


 ピアニストですが、作曲家でもある。


 電子音楽などの、20世紀の未来派的音楽の先駆者でもあり。


 ブゾーニ先生は、1885年の時期には、ヘルシンキの音楽学校に教師として赴任していて、そこに、シベリウス先生が入学してきました。

 

 このおふたりは、その後長く友人関係にありました。


 年齢から言えば、しべ先生の方がひとつ年上です。


 わりと、遅咲きの天才シベリウス先生に対し、ブゾーニ先生は、神童さんで、早くから活躍していたというわけ。


 この時期に、教えを受けたフィンランドの生徒さんも、それなりにいたはず。


 大量の作品があるようですが、多くは、死後わりかしあっさりと忘れられてしまったのは、この世の無常というものか。


 ただし、大バッハさまの作品の編曲は有名。


 最近は復活傾向もあるようで、巨大なピアノ協奏曲の録音が出て来たりしていたように思います。


 ピアノ曲のCDも出てきています。


 こちら、『ヴァイオリン協奏曲ニ長調』は、むかし、シゲティさまの録音があったりもしたので、忘れられてしまった、とも言えませんが、あまり、巷にどんどん出てくる作品でもないです。


 規模は、ごくあたりまえ、くらいの大きさで、三楽章形式ですし、見た目はとくに特別なわけではないか・・・・


 しかし、この曲、聴かせます。


 第1楽章もなかなか、個性的で楽しいですが、第2楽章は、非常に神秘的で、ちょっと、つかみどころはない妖精さんのような音楽ですが、これが、なかなか、癒し度高し。(個人差あります。)


 第1楽章前半で、ソロがちょっと休止しそうになるところは、ブラームス先生のヴァイオリン協奏曲二長調に大接近しますが、重なる直前で回避してゆきます。これは、確信犯かな。


 第3楽章が、まあ、これまたよくない言い方ですが、メフィストフェレスさんのように、暴れ回ります。楽しい楽しい。(悪魔的うきうき。)


 ここは、最高に、聴きがいあり。


 でも、これは、演奏するのは、大変でありましょう。


 なお、フィンランドの作曲家さまでは、ほかに、セリム・パルムグレン先生(1878~1951)が、ドイツでブゾーニ先生の教えを受けております。


 ドイツでは、ヴァイルさま、ヴァレーズさま、ヴォルペさまなど、現代音楽の先駆者様たちの先生でもあり。


 音楽の本やCDの解説書など見ていると(やましんは、本を読むと言うより、眺めていることが多いです。)、とにかく、あっちこっちに登場する、ブゾーニ先生。


 たまには、作品を聞いてみては? (プロとマニアさまがお詳しいのは、当然でありますが。やましんは、『プチ・まにあ』、でしょう。マニアさまとお話をすると、歯が立たないし、プロの先生は、畏れおおいし。)




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