第636話 『ヴァイオリン・ソナタヘ長調 JS178』 シベリウス

 1889年の作品です。


 イ短調のソナタから5年ほど経過し、聴いた感じだけでも、ずいぶん進化しています。


 ヘルシンキでの勉強は、ここで終了し、いよいよ、ベルリンに留学するという直前のあたり。


  第1楽章は、いくらか、フランス風な香りも匂わせながら、うまくまとめてゆきます。しべ先生自身によれば、『新鮮で大胆でいくらか暗い……』


 たいへんに、印象的な終結を形作ったあとが、もしかしたら、いまひとつ、という、感じがあるのは、たぶん、やましんが、ばかだから。


 興味深いのは、第2楽章で、『フィンランド的でメランコリック』な音楽。


 ベルリンと、ウィーン留学後に、『クレルヴォ』(1892年)で大成功してデビューしたあと、先輩のカヤヌス先生の注文で書いた『エン・サガ 作品9』(『伝説』とかと、訳されています。) (1893年)の旋律に、似たフレーズが登場したりいたします。


 ただし、より、民謡的な形なのが、面白いです。


 ちょっと、日本の民謡に似てるのは、音階の類似性と、節回しの類似性だろうと思いますが、日本の方は、しびれる、かも。


 つまり、このあたりから、しべ先生らしい音楽が出てきだしているわけです。


 得意の技巧的なフレーズも、突飛にはならない感じで、うまく音楽に収まっています。


 第3楽章は、積極的に攻める音楽で、かなり、独創的であります。

 

 立派な作品だと思います。


 しべ先生らしく、ふと、沈み込む場所もあり、それも、魅力的。


 ピアノのほうも、ヴァイオリンとうまく絡み合います。


 最後は、華々しく、簡潔に終わります。


 この曲あたりは、リサイタルのプログラムに載ってもおかしくないと、おもうのであります。


 君も、がんばれ〰️〰️〰️〰️❗と、言われてる感じあり。


 留学は、まあ、むりですけどね。




・・・・・・・・うつ  🎊 🎉 🎊 うつ・・・・・・・・・・・・・



 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る