第396話 『ピアノ・ソナタ第29番《ハンマークラヴイーア》』 その3  ベートーヴェン

 さて、第2楽章は、スケルツォ。


 だいたい、ソナタや交響曲に、メヌエットの代わり、と、いうのもなんですが、スケルツォ楽章を持ち込んだのは、ベートーヴェン先生らしい。


 ハイドン先生が、ちょっとやりはじめてはいたらしいですが?


 『おふざけ』と、言う感じのイタリア語から出てるようですが、いささか、謎めいた気はいたしますな。


 メヌエットは、舞曲という性格を色濃く残していましたから、そこんとこさ、なんとかしたかったのかもしれません。


 破壊の天才、べー先生ですからね。


 つまり、メヌエットには、どこか、宮廷やら、王宮のイメージがありますから、共和制を主張していた、べー先生としては、破壊すべき、伝統であった、かもしれないわけです。



 それにしても、ここで、『スケルツォ』が投入されているのは、なぜなのか?


 すでに、自分のスタイルを確立していたべー先生にとって、これは、破壊の象徴じゃなく、なんといいますか、自己確認、自分の仕事の総まとめ、だったかも。


 27番は、2楽章形式ですが(やましんオススメの癒し系名作)、28番は、短いけど4楽章。


 でも、スケルツォの文字は見られません。


 30番は、3楽章、31番は3楽章、最後の32番は、謎の、2楽章。


 で、この楽章は、短いですが、変化は大きいです。


 中間には、なにやら、エロイカ交響曲を、ちょっと回想したような感じがあったり、協奏曲の、カデンツァみたいに走ってみたり。


 いかにも、スケルツォ的なんですが、どうも、暗い❗


 モーツァルト先生の晩年みたいに、明るく突き抜けてはいません。


 べー先生、非常に、シリアスなんです。


 実生活では、なかなか、厳しい状況があり、『このソナタは、窮迫した状態で書かれたのです。』と、ロンドンにいた、弟子のリースさまに宛てた便りの中で書いているとのこと。


 それでも、全体のなかで、一番、親しみやすいのは、短いこともあり、ここかもしれません。



 さて、つぎは、いよいよ、いよいよ、第3楽章であります。


 20分近くかかる、大変な、音楽であります。



  ・・・・・・うつ 😞🌀😞🌀😞🌀😞🌀😞🌀 うつ・・・・・・・・・・・・


 


 


 

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