第350話 『ヴァイオリン協奏曲』 ベルク


 アルバン・ベルク先生の人気作品。


 ヴァイオリニストのルイス・クラスナーさまから発注され、忙しくて、ほっていたのですが、アルマさん(かつて、マーラー先生の奥さんだったかた)、が生んだ娘さんが、18歳で突然亡くなり、急きょ本腰を入れて書いた作品。


 『ある天使の思いでのために』と、言葉が添えられましたが、題名ではない。


 さらに、ベルク先生ご自身が、虫刺されから敗血症を起こして、この曲が完成された、絶筆となった作品。


 そうした、背景があるので、なにか、ロマンチックな要素を探したくなるのは人情というものです。


 しかし、この曲は、12音技法で書かれた、無調音楽であります。


 ところが、たしかに、なにか、調性に向かって固まろうとする気配はあります。


 モーツァルト先生の、アイネ・クライネ、の冒頭をもじったみたいな動きがあったり、バッハ先生のカンタータからも、いただいていたりもするらしい!


 でも、調性音楽には至らないです。


 この、微妙な綾が、人気を産むのかもしれません?


 最後、ふと、長調の断片が聞こえるような。


 やましんの気のせいかな。


 なお、クラスナーさまが、ヴェーベルン先生と組んだ演奏、録音がありまして、CD化されておりました。


 ベルク先生は、1935年に亡くなり、初演は1936年4月19日。


 盟友、ヴェーベルン先生は、感極まって指揮ができず、ヘルマン・シェルヒェン先生に任せてしまったそうです。


 あっちの世界にまでゆかなくても、現代音楽分野では、やはり、だんとつの人気がある作品かと。




・・・・・・うつ 👼 👼 👼 👼 👼

👼 うつ ・・・・・・・・・・・・・・・





 

 



 


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