第236話 『地上のすべての国々は』 レオニヌス /  ペロティヌス

 多声音楽の初期形態に『オルガヌム』と呼ばれる形態がありましたそうな。


 初期のオルガヌムは2声部で、第1声部は旋律を、第2声部は完全4度または完全5度上を即興でハモッて歌うようなやり方でした。(いまでも、やりますよね。ただし、日本人は苦手と言われます。)


 もちろん、音楽そのものは文明を持った人類に、多かれ少なかれ、ぴったりとくっついてきていたのでしょうし、ギリシャ時代には精緻な音楽理論が構築されておりました。(でも、その実態は誰にも分らない。だって、誰も、実物を聞いたことないから。)、西洋においても『誰が何を書いた』のかが、とにかくも分かっているということは、そうとてつもない、おお昔のことではありません。


 もちろん、当時、実際どうやって歌われていたかは、ベートーヴェン先生(1770~1827)の時代でさえ、今生きている人は誰も聞いたことがない(宇宙人さんとか、知られざる長命人種様とか、光速に近い速度で宇宙旅行していた方とかが、もし、いらっしゃったら、除外します。)わけですから。


 いまのところ、そのお名前と作品が分かっている最初期の作曲家さんは、まず12世紀に活躍したとされる『レオニヌス(レオナン)』さまです。


 『ノートルダム楽派』という区分が、現在はありますが、サン・ブノワ教会という、どうやら小さな教会の管理者だったかたに、レオニヌス師というかたがいらっしゃったことがわかり、一方で大聖堂の高位の方に、レオニヌスさまというお名前が出て来たというのです。


 ノートルダム大聖堂で学んだというイングランド出身の『第4の無名氏』というかたが記録した中に、『オルガヌム大全』の作者であると書かれていたそうな。


 最初は、実際にこうした2声のお歌を捧げていたものが、だんだん習熟してゆくと、それを残しておこうという事になり、記譜法の発案という事に繋がったとか。


 ただし、古い記譜法は、それだけでは、どんな音でどのように歌ったかはわからず、学者様などにより、さまざまな資料から、こうだったのではないかあ????

として、今日に復元されております。


 やましんの、いくつかあるレオニヌス様の録音の中のひとつの冒頭にあるのが、この曲。(『CDで聴くキリスト教音楽の歴史』 7 『ゴシック期の音楽』)


 さらに、このレオニヌス様の技法をさらに発展させたのが、12世紀末から13世紀初頭に活躍したというペロティヌス(ペロタン)さまです。


 同じ題名の曲が、このCDに入っていたので、冒頭タイトルではまとめさせていただきました。


 このおふたりが、いまのところ西洋音楽史上、最初に登場する、証拠がある【作曲家】ということになりそうであります。


 ときに、今から、もう、ちょっと前あたりになって『いやしみゅ~ジック』ということがらが流行り、なぜか『グレゴリオ聖歌』あたりが人気になった時期があります。


 カラヤン先生の『アダージョ・カラヤン』あたりも、癒し系コンピレーションものの代表例でしたが、コアな音楽ファンからは、斜め視線を浴びながらではありましたが、結構、売れたらしいです。


 そこで、似たような企画が、あっちこっちで出ておりました。


 その曲全部を聴くのではなく『さわりだけよ~~!』というものが大部分で、中にはフェードアウトしてしまうようなものもあります。(ショパン先生だけは、本来短い曲が多いので、コンピレーションでも、本来のアルバムと、内容自体はあまり変わらないという特徴があります。)


 歌謡曲やポピュラーソングではよく使う手ですが、クラシックでは『いくらなんでも、邪道じゃないかあ!』 と、言われそうなのですが、とにかく、クラシク音楽の正統的ファン(なんてものが、あるのかどうか、かなり怪しいですが・・・)が何と言おうが、よく売れるものは売れた訳で、会社としてはやめられないんじゃあないかしら、と、やましんは思ったりしていましたし、こうしたコンピレーションものも、それなりに面白いわけです。


 しかり、収録曲のつながりに、それなりの意図を感じる手の込んだものもあるようですが、まあ、いったいどういうコンセプトで作られてるのかしらあ?


 という、まあ、とにかく、なんでも放り込んで並べちゃえ~!みたいなものまで、色々あるので、その、おもちゃ的乱雑性がたまらなく楽しい訳です。(それって・・・褒めてるの?やましんは、実は雑多なおもちゃ的製品が大好き。)


 まあ、それはともかくも、この『グレゴリオ聖歌』は、教皇グレゴリウスさまが作ったとか、そういうわけではなく、その編纂に、それなりに大きな役割があったというあたりのようです。


 単旋律、無伴奏で歌われるものであります。


 ただ、このあたりの分野はあまりに複雑で、各地に大量の作品もあり、また、現在も続いているものでもあり、やましんの手におえるようなものではないので、どうぞ、各種資料を、ごさんしょう下さい。


 なお、その癒しブームのなかで、突如現れたのが、『ヒルデガルト・フォン・ビンゲン様』というかたです。(ユリウス暦1098~1179)


 作曲もなさった、思想家、哲学者、また修道院長さまというかた。


 40歳ころに『幻視体験』をし、『予言者』とも、みなされていたようです。


 医学や薬草学にも通じ、さかんに執筆活動をおこなった。


 ネットを見ると、わりに細かい事績が書かれていますので、研究自体も進んでいるようでありますので、これまた、そちらをどうぞ。


 で、当時、この方のCDも、結構作られておりましたので、今でも、探せばすぐ見つかるんじゃないかと思います。


 しかし、古い古いと言っても、1000年と少し前くらいです。


 大地震、火山の噴火など、自然現象はそのスパンが、けた外れになっている場合が多きことを考えますと、人間の文明の歴史などは、ほんとうに、さっき始まったばかりという感じもあります。これは、比較の問題。


 


    うつ  ****** 🌋 🌋 🌋 *****  うつ










 




 





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