第231話 『3つのロマンス 作品94』 シューマン
やましん、現在この曲を練習中であります。
やましんの楽器はフルートですが、この曲はやましんに因縁がある曲。
職場でのストレスと、母の介護に負けてしまったため、うつ状態で仕事に行けなくなったころ、ちょうど、この曲を練習していたのです。
ところが、精神的な問題なのか、お薬のせいなのか、そこはよくわからないのですが、音そのものを、ほとんど、出せなくなってしまたのです。
職場の上司様とかは、これがやましんにとって、どれほど衝撃的な事態であるかは、どうもまったく理解不能だったようですが、やましんから音楽を抜いたら、なんにも残らない。
しかし、職場の方は、むしろそのほうが良いと考えていた可能性もあります。
何度か、音楽を止めるように、上司から言われていたので、それもありうるかと思います。はい。
しかし、本人の感じた打撃は、それはもう、大変なモノでした。
楽器、止めようか、ついでに、人生もやめようか・・・と、相当、悩んだのです。
そこを救ってくださたのが、フルートの先生でありまして、音が出なくてもいい、とにかく、レッスンにだけは来ましょう! と言ってくださいました。
それから半年以上、音が出ないので、すかすかすかすか、と、演奏する真似事みたいなことをやっていました。
もちろん、自宅では、それなりに、楽器を押しあてる力のかげんとか、角度とか、いろいろ、泣き泣き試したものです。
当然、発表会に出るなんて、むりだと思われたのですが、「バロックの曲ならできるんじゃない?」
と、アドヴァイスしていただき、ヘンデル先生の『ソナタ』をやりました。
ちょうど、なんとかかんとか、やと、音が出だした範囲の音しか使われず、比較的規則的な音の配列なので、また、かつて演奏した経験もありで、それでも、かなり苦労はしましたが、聴衆の方も『いい調子だよ~~~~~!やんややんや!』と、盛大な拍手で、職場では絶対にない応援をしてくださいまして、音楽仲間と言うものは、ピンチのときに、ほんとうに、ありがたいものでございました。(あ、でも、やましん、仕事で、出来ないことは、多々あれど、手抜きしたことは、ないつもりですが…………)
なので、この曲を、5年越しではありますが、また練習できるようになったということは、実に目出度い事なのです。
シューマン先生ご自身が、おそらく強度のうつ状態になって、作曲がうまくできなくなる前に書いたものだろと思いますが(1849年 自殺未遂は1854年。)、はたしてこの曲はなんの楽器のために書いたのか?
現状では、非常に多くの楽器で演奏されるようになっていまして、そこんところがよくわからない。
どうやら、オーボエ、またはクラリネットまたは、ヴァイオリンとピアノのための・・・・・・・らしいです。
いずれ、フルートは入っていなかったようです。
ジャン=ピエール・ランパル先生版の楽譜を見ると、よくわかるのですが、低音の『H』が出てきますし、『C』も何度か出てきます。
中央の『ド』の下、つまり低い『H』の音は、それ用の足部菅がないと普通のフルートでは吹けないのですが、やましんの楽器には装備しておりません。
なので、こいつは、1オクターブ上げるか、知らん顔して一音飛ばすかする必要があります。
『C』の音は、やましん、現在も、調子が悪い日は出ません。
いまでも、お話ししたり、楽器を吹くと、唇や口内が、すぐに極端に乾燥して、お話しも演奏も出来なくなるので、水分を補給しながら吹く必要がありますが、まあ、最近改善傾向で、あまり無理なく吹けるようになったので、これでよしとするべきでしょう。
吹きながら、水分補給できる秘策がないか、色々考えたのですが、まあ、むつかしい事考えずに、お休みのところで給水するしかないようです。
ところが、この曲、吹き始めたら、休む場所がない。
大バッハ先生の曲もそうですが、こいつは、本番では、運に任せるしかないです。
今のところ、ステージに乗せるかどうかは、不明であります。
ときに、この曲、大変に良い音楽なのですが、なんとなく、『不安』とか、『うっとおしさ』が、端々にそっと、のぞく感じもあります。
シューマン先生の内部に、秘かな『不安』が、漂っていた明かしであろうかと、思ったりもいたします。
なので、そうしたいきさつもあった関係で、やましんには、いささか、トラウマ音楽でもあるのですが、こいつをなんとか、ものにしないと、死んでも死にきれない感じなのであります。
絶対、なんとか、吹き抜かなくっちゃ、お仕事辞めた甲斐がないです。
艱難辛苦をぶち抜いても、3曲制覇してやるぞ。絶対負けてたまりますか!
意外と負けず嫌いな、やましんです。
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