第217話 『交響曲第24番』 ミヤスコフスキー
20世紀になると、『交響曲』はヨーロッパの中心では、人気がなくなってゆきます。
しかし、北欧や、ロシアといった周辺地域で活発に創作が行われました。
日本も、まあ、そのなかに入れてよいと思われます。
ミヤスコフスキー先生(1881~1950)は、旧ロシア生まれで、ソヴィエトの作曲家さんです。
27曲も、交響曲を書いたお方。
後半になると、例のスターリンさんによる芸術統制のおかげもあってか、作風が安全主義に傾き、復古主義的な方向に向かったのは、いたしかたなかったという訳です。
しかし、皮肉な事かどうかはわかりませんが、20世紀前半から後半の前半を席巻したモダニズムは、結局、多くの一般からはあまり理解されないまま、今に至っている感じがします。(もちろん、そうではない、しろとも、いないことは当然ないし、北欧あたりでは、現代の作曲家を聴くのは当たり前のこと、というごく当たり前の考えもきちんとあるようです。テレビのインタヴューで、そうおっしゃっていた方がありましたから、きっとそうなんです。)
当時のソヴィエトの当事者さまたちは、実際に命がかかってましたから、大変なことだったのですね。
しかし、ミヤスコフスキーさまのこの作品を聞くと、じっつに上品な範囲でうまく出来上がっております。
あざとさがなく、音楽的にまとまりが良く、聞き易いのです。
特に前半は、かなりな『じゆわじゅわ』感がありまして、やましんを程よく慰めてくださるのです。
まあ、そうなると、眠たくなるのも、それは気持ちの良い音楽だからです。
一方、ぎゅわぎゅわと、挑発してくださる音楽は、(ショスタコーヴィチ先生あたりはそうですな。)聴くのを止めるか、徹底抗戦するか、選択を迫られますが、そういう種類の音楽ではないです。
1943年の作品。
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なお、こうした時代の方の場合は、ショスタコ先生は例外として、沢山ある交響曲を、現代において、全曲まとめて聞くことが出来るというのは、なかなか難しい気もしますが、ミヤスコフスキー様の場合は、な、なんと『交響曲全集』のCDがあるのです。すごいことであります。
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