第218話 『オーボエ協奏曲ニ短調』 アルビノーニ

 この、『第1楽章』のじゅんわりとした旋律、なんとなあく、どこかうさんくさいような気がするほど、よく出来ています。


 つまり、大バッハ先生よりも、ちょっと年上の作曲家さんで、しかもお金持ちのアマチュア作曲家さんだったといわれるアルビノ―ニ先生(1671~1751)にしては、あまりにロマンティックで、なんだか時代が違っているような感じもするのです。


 オーボエ協奏曲という分野では、モーツアルト先生の作品と並ぶと言ってもいいんじゃないか、と思う傑作。


 アルビノーニ先生は、ヴェネチアのお金持ち商人のご子息であったことから、音楽で収入を得る必要がなく、当初『アマチュア(ディレッタント)』と名乗っていたようですが、後半生には、その言い方を止めたようで、実際に音楽活動で収入を得ていたかもしれないけれど、特になんらかの公的な役職記録(ひとつだけは、役職名が記録されているらしいけれど)がなく、おかげであまり詳しい資料もなく、この曲を含む『協奏曲集作品9』がいつ書かれたかもはっきりしないようです。


 当時のベネチアは、経済・文化水準が非常に高く、また、孤児となった少女たちを養育・教育する施設が4つあった(ヴィヴァルディ先生がそこのひとつで奉職していた。)とのことであります。


 アルビノーニ先生は、歌劇を50は書いたと言う事ですが、どうやら今日にまでは残らなかったようです。


 どこかから、出て来ないかなあ!


 ときに、一般的には『アダージョ』といわれる曲が、アルビノーニ先生の作品として有名ですが、これは、ジャゾット様と言う方が、第2次大戦後にドレスデンの破壊された図書館から失われた『トリオ・ソナタ』の楽譜など資料を見つけ出し、そこからこの作品を編み出したとか、まあ、何らかの『断片』から編み出したとか言われてましたが、実際のところは、どうやら、ジャゾット様が作曲した作品のようでありまして、『アルビノーニのアダージョ』という名前の作品だと思った方がよさそうです。


 こっちのほうが、本当に、うさんくさかったわけです。


 ただし、よい旋律であったことから、いまだに巷ではそれなりの人気があります。


 

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