第66話 『作品135』 べート-ヴェン

 べー先生、事実上最後の弦楽四重奏曲。(作品130の終曲は、書き換えのために、これより少し後になったようです。)


 1826年10月30日という日付が書かれているとのことであります。


 そもそも、べー先生の『後期弦楽四重奏曲』というものは、まったく人跡未踏の神秘的な奥地に在り、そこに到達するのは至難の業といわれる・・というか・・そう言う感じがする・・・というか・・・とにかく、難物だという雰囲気が非常に強いのです。


 大体、どれも規模がやたらに、でっかい。長い。難しい。


 作品132は5楽章形式。


 作品130は6楽章。もっとも、もとは最終楽章に、巨大なフーガが入っていたのですが、出版業者様が売れなくなると言って書き換えを要求し、より分かりやすい曲に差し替えられたもの。

 

 作品131は7楽章制。ただ、演奏時間は40分弱。それでも長いか。


 そうした巨人たちの中で、比較的こじんまりとまとまっているのが、この作品135であります。


 古典的な4楽章構成ですが、内容はとっても興味深く、また、謎が秘められているとも言われます。


 それは、終楽章の導入部に「Muss es sein ? そうじゃなきゃだめ?」と書いてあり、さらに主部に入った最初「Es muss sein ! そうじゃなきゃだめ!」と二度書いてあることで、こりゃあ一体なんだ? となりますのです。


 その写しを見ると、あまりに字が踊り狂っていて、やましんには読めませんけれどね。(べー先生は、悪筆で有名とか)


 家政婦さんに要求されたお給料の事だ、とか、借金の返済の事だ、とか・・・


 いやいやああ・・・べー先生のことだ、もっと高尚なカッコいい意味に違いない、とか。


 そこらあたりは、やましんには解明不可能ですが。


 でも、この音楽は、実のところは、大変とっつきやすく、楽しい音楽なのです。


 ちょっと、遊んでいる雰囲気も感じられます。


 べー先生の『後期弦楽四重奏曲』は、聞くのに時間がかかることと、なかなか手ごわいということから、やましんは、まあ、聞いてなかったわけでもないけど、退職後に大体は取っていたのです。


 で、まあ、ここに来て、一生懸命聞こうと努力しておりますが。


 いやあ・・・耳は遠くなるは、さらに、頭が付いて行かなくなった、かなああ・・・・・・















 




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る