第4話

イ......ィ.........

いた.......い.........いたい........?....いたい......いたいいたい痛い痛い痛い!!!!!!!!!!!!!!


「痛ッ!!!!!!はぁ!?ちょっと!!!いたい!!いたい!!!!」


リノは左胸からの激しい痛みで強制的に起こされた。

痛みの元を見ると白い物体が制服の上から鋭い歯で噛み付いている。

制服には赤い染みが広がっており、その光景を見ると更に痛みが増した。


「ちょ!!!!!!離せってば!!!!」


「ママァ....ママァ.....」


「はぁ!?」


左胸に噛みついていた白い物体は、帰り道で拾ったリトルと思しきものだった。

おもちちゃんと名付けたリトルが、白い肌に血を滴らせながら微笑んでいる。


「ママァ....ママァ....」


「あ、あんた気ぃ狂ってんの!?やっぱりヤバいやつじゃん!!痛いから離せこのバカ!!!!!!!」


ガツンッ!!


命の危機を感じたリノは、渾身の力でおもちちゃんを殴るとおもちちゃんは、ピタリと止まった。


これはチャンス!!とリノはおもちちゃんの髪を引っ張り左胸から離す。


そのままおもちちゃんと距離を離し、今だに痛む左胸を押さえると妙な違和感に襲われた。


「.....?」


おかしい。痛いには痛いが、先程より痛みが治まっている。


ブラジャーの中に手を突っ込み乳房を確認すると、制服とブラジャーには血液のシミがべっとりと付いているのに対し、乳房には傷が無かった。


「ぁえ??なんで...?だって血が....」


皮膚が裂けなければ血は出ない。

あの時確かに自分は乳房に傷を負っていたはず....


ふと、動かなくなったおもちちゃんを見る。


「...ひっ!?」


ニッコォ、と笑っていた。

白い歯には血液が滴り、それがおもちちゃんの着ている服にもついている。


あれは間違いなく自分の血だ。


「...ぞ.....ネ.......」


「ぇ....?」


「きょうから、かぞく だネ」


おもちちゃんは、また不気味な笑顔を浮かべた。

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わーるど・ぶれいくっ! 暦 魅月 @koyomitsu

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