黒板、購買、遅刻(修辞技法山盛り(チャレンジ失敗))
約束の30分前。いつものように俺は彼女を待っていた。
いつだって俺は彼女を待っていた。彼女を待たせたくない、そんな思いから。そして、例え、彼女が遅刻してこようとも、俺はただ、ひたすらに待ち続けていた。
こうして待っていると、思い出してしまう、まだ彼女と付き合っていた、幸せな日々を。
大学時代、サークルが休みで講義の後、よくデートをした。待ち合わせは購買。俺はよく、暇潰しに面白そうな小説を立ち読みしていた。
それがきっかけで俺は小説をよく読むようになった。
彼女が来ても気付かず、読み続けていたりしたから、本の虫、だなんて言われたりもした。
ただ、不思議なことに、大学の外で待ち合わせをするときは何もせず、ぼーっとしていることが多かった。いや、違う。その日一日の彼女とのデートに胸を踊らせていた。今日はどこへ行こう、だなんて考えながら。
そんな思いに浸りながら、周囲を見ると、お洒落なカフェが目についた。
入り口横には小さな黒板。そこにはおすすめのメニューと店主からの一言らしきものが書いてあった。それを読もうと、目を凝らすと、
「和くん、久しぶり」
懐かしい声が聞こえた。振り返ると、あの頃のまま、何も変わらない彼女がいた。
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