第2話 政府秘密部隊 ウルク
ぴちゃりと何かの落ちる音を聞いた。
それと同時に誰かが言い争っている声が聞こえた。
「うっ・・・・・いっってー・・・・」
固い物で殴られたようで頭が痛いのと視界がくるくる回っている気がする、起き上がるのに苦労したが壁を背にして何とか座ることができた。
「おお、目が覚めたみたいだな、それ、気分はどうだ?まぁよくないか」
かなり歳の行った声がそう問いかける、答えられるはずもなく、ぼんやりとした目でにらみつけてやる
「ほほう、威勢は死んでいないようだな、ああ、よしよし、君にひとつ質問がしたい、なぜ、あの部屋にいた?どうして、あの部屋のカギを持っていたんだ?答えてくれないかい」
顔が見えない相手に答えてやる義理はない、視界はまだ、この場所の暗闇に慣れていないどうやらさっきのところとは別の場所のようだった。
気絶させて連れ去るような輩の質問に答えるわけがない
「どうやら、状況が理解できてないみたいだな」
「おいおい、もう少し、大人しくしないか、いきなり、こんなところに連れてきてしまったんだ、我々の事を警戒しても仕方ないだろう、なぁ、少年?ほら、明かりをつけてやれ」
「・・・ちっ」
若い声と言い合った後、若い方はどこかへと行く、するとバチッという音と共に、眩い明かりが灯り、視界を一瞬白くする。
眩しくて、目を伏せ、慣れるまで自分の影で目を伏せた。
「やれやれ、古いのはいきなり着くからいけないや、やぁ、初めまして、少年」
目が慣れた後、顔を上げると真っ白な部屋に自分がいたことが分かった、病院のようにも思ったが、ベットはない、何より、俺の目の前にいる男とは鉄の棒によって仕切られている。
目の前の男は白髪でしわは多いがその身体は鍛えられているように思う、黒いタートルネックに防弾チョッキのようなものを着ているせいで正確には分からない
「・・・・・?」
その顔に見覚えはない、俺の知らない人、足音がしてもう一人がこちらに来る、黒髪で男と一緒で武装しているが女だった事に少し驚いた。
「どうだ?話す気になったか?」
「・・・・すまないね、どうも人見知りが激しいんだよ、では、もう一回聞くが、この鍵はどこで手に入れて、どうしてあそこに来たんだい?」
「・・・・」
「あのねぇ、少年、若いんだから素直になりなさい、意地張っても何もならないよ」
「・・・・・」
「だめか・・・まいったねぇー・・・」
男は答えない俺に困り果てていた、知らない相手より先に自分の素性を話すのは得策ではない、先に明かしてしまうと掌握されてしまうからだ、この状況で有利に立つためには相手の素性を知ってからだ。
体操座りをして、顔を隠して相手の行動に注意を払う、この行動だけでいい、後は、その時だった、ズドンと発砲音と俺の横を何か小さい物が通った
「・・・・・っ」
「いい加減にしろよ、ガキ、あたしたちはな、おまえみたいな小物を相手にするような組織じゃあないんだよ!!なんであんたが時雨博士の部屋にいたんだよ!!答えろ!!」
「あ~・・・・馬鹿・・・」
博士、確かに母は何かの研究者だった、だけど、何を研究しているのかは教えてくれなかった、組織とも言った、つまりこの二人以外にも人がいる、ここは彼らの基地か、何かだという事が分かった。
本物拳銃を持っているという事は真っ当な組織でも内容だ。
「繁さん《しげる》!こいつもうぶん殴った方が早いですよ!!」
「
初老の男は繁、女の方は華純と言うらしい、短期な馬鹿がいて楽だった。
「へー、そう言う名前なんだ・・・あんたら」
「は?急にしゃべって何様のつもりだ!死にたいのか!」
「こらっ!お前は落ち着け!ああ、そうだよ、おじさんは
「で、何かの組織の一員と言うわけか・・・出雲 時雨を知っているのか?」
「・・・・ああ、よぉく、知ってるよ」
「おまえ!気安く、博士を呼ぶんじゃない!!」
「少年は?」
「答えるとでも?」
「こいつ・・・・!!」
華純の方は怒りが有頂天のようで、冷静さを失っている、繁と言う男の方はまだ、冷静さを保っている、がどうしようと考えるそぶりを見せている
「はぁーまいったね・・・」
繁がそう呟いた、そのすぐ後だった。
突然この部屋含め、すべての場所から警報がけたたましくなりだした。
「おい、どうした!?何!出現予定日はまだのはずじゃあ・・・くっ・・・・分かった、すぐ行く・・・」
「繁さん!!」
「ああ、華純は先に行くなさい!」
急に二人とも慌てだして、繁はどこかへと連絡を取ると華純をどこかへと行かせた。
「・・・・・・何があった・・・?あんたら、何者なんだ・・・」
思わず出た呟きは繁に届いていたようで、話しだした。
「君は、この世界のほかに世界があることを信じるかね?」
「は?」
「この世界は、別の世界から狙われている、我々はそれを阻止するために政府が作った、秘密部隊だ、秘密部隊、ウルク!!、それが我らの名前だ」
母は、母は一体何に関わっていたのだろう。
なぜ、俺をここへ導いたのだろう、そんな疑問がただ浮かぶだけだった。
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