第45話 整理

「おかえり、フォーチュン。あとはルナだな。何となく予想はついてるけど」


「ただいまです、マスター。荷物の整理ですか?」


 フォーチュンが宿に戻ると、マジックバックから荷物を取り出しながら声をかける。


「うん。カードも多くなってきたし、一度整理しておこうかなと思って」


 空太はフォーチュンからの問いかけに取り出したカードを仕分けながら答える。


「見てもいいですか?」


 カードが気になったフォーチュンが空太に聞くと、空太から「いいよ」と返事が返ってくる。


「こうして見てみると人型のカードって少ないんですね」


 空太は取り出したカードを人型、魔物型、魔法陣の種類別に仕分けていく。どんどんと大きくなっていく魔物型のカードの山に対し、人型と魔法陣のカードの山はほとんど大きくならない。


「ちょっと魔物型が多いかなぐらいに思ってたけど、意外と差があったんだな」


「仕分けした後ってどうするんですか?」


「うーん、いつもと同じように合成かな?」


「そうですか……」


「召喚したカードも戻せたら色々使えるんだけどな。街の中に連れてきにくいからなあ。電気うさぎのような小動物のカードだと今のところ大丈夫だけど……、これだとなあ」


 空太は魔物型のカードが置かれている山からカード1枚手に取り小さく呟く。そこにはゴブリンの名前と、この世界に居るものとは少し違う姿のゴブリンが描かれていた。




 空太がマジックバックに入れていたカードを仕分けし終わると外はもうすでに陽が落ち夜になっていた。


「結構時間がかかったな。ルナは……、まだか。フォーチュン、ルナを迎えに行こう」


 そう言って空太が宿を出ると前から紙袋を下げたルナが歩いてくる。


「空太、ただいま。いろんな本が読めた」


 ルナは目を輝かせながら空太に話すと空太達は部屋へと戻っていった。





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