第41話 自由行動①

「依頼の報告をお願いします。」


「はい、冒険者証をお出しください」


 副都へと戻った空太達はいつもと同じようにギルドで依頼の報告を行う。入手した魔石と引き換えに報酬をもらうと空太はフォーチュン達を連れて宿屋へと帰る。


「改めて今日はお疲れ様。明日は迷宮には行かないから自由行動で……」


 ベットに腰かけたまま空太はそう言ったところでパタリとベットに倒れこむ。それを見たフォーチュンとルナは顔を見合わせてクスっと笑うとすぅすぅと寝息を立てる空太へと近づくと空太の両隣に腰を掛ける。そして「お疲れ様(です)」と呟くと空太の両頬にキスをする。2人は自分のベットに戻ろうとしたところで疲れが限界に来たのか立ち上がれずにそのまま倒れこみ意識が遠くなっていった。




「んー、よく眠れた」


 窓から差す朝日で目を覚ました空太は軽く体を伸ばして周りを見渡す。すると誰もいないベットが2つと窓の外を眺める血縁の守護鎧の姿、そして両隣ですぅすぅと寝息を立てるフォーチュンとルナの姿があった。


「あー、昨日ベットに座ってそのまま寝たん……だ?えっ?」


 周りを見渡した空太は両隣で寝息を立てる2つの影に言葉を失う。そのまま起こさないようにゆっくりとベットから離れようとしたところで片方の影が動き出す。


「おはよう、空太」


 ルナは空太に挨拶すると軽く体を伸ばす。ルナが起きて少し経った後もう片方の影がもぞもぞと動きぼーっとした目で空太をみつめる。


「ますたーだ。あったかい」


 そしてそのまま空太に手を回すとギューッと抱きしめる。


「私も……」


 それを見たルナも反対側から空太に手をまわして抱きしめた。



「えっと、昨日も言ったけど今日は迷宮には行かないから今日は自由行動で夜までにはここに戻ってきて。僕はちょっとやることがあるから。それと血縁の守護鎧はここに居て、また戻ってくるから」


 2人からの抱擁から解放された空太は2人に今日の予定を伝えると部屋を後にする。


「あっ、行っちゃった。今日どうしましょう」


 フォーチュンが困った顔で電気うさぎをなでていると隣にいたルナが目を輝かせてドアの方へと向かって行く。


「ルナさん、どこか行くんですか?」


「本屋へ。本が私を待ってる」


 フォーチュンの質問に答えるとルナはドアを開け歩いていった。


「歩きながら考えましょうか」


 残されたフォーチュンも立ち上がると電気うさぎを抱えて部屋を後にする。

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