第40話 神具
「次こそ……」
空太はカードを取り出すと、リブラルが消えた場所を警戒しながらつぶやく。
光りの粒子が完全に消えてしばらくすると、再び同じ場所に光が集まっていき、やがて人の形をかたどっていく。光が治まるとそこには戦う前と同じ、水晶玉のはめ込まれた杖を携えたリブラルの姿があった。リブラルは周りを囲む空太達を一瞥するとゆっくりと口を開き空太達に話しかける。
「おめでとうございます。試練は合格です」
リブラルは空太達に微笑みかけながら試練が合格したことを伝えると、空太達は呆気にとられた様子でそれを見る。
「あれ?合格ですよ?」
呆気に取られている空太達に対しリブラルがもう一度話しかけると空太は気を取り返しリブラルと話をする。
「すみません、まだ試練が続くと思ったので」
「あらあら、大丈夫ですよ。その反応を見るのも久しぶりですね」
「改めて合格おめでとうございます。まずはこれを受け取りください」
リブラルの持つ杖から光が放出されると空太の元へ飛んでいく。空太が手を出すと光は空太の手に収まり1本の羽をかたどっていく。
「これはあの時の……」
「はい、最初の試練の時の羽のうちの1本です。そしてこれがこの迷宮『リブラル』の神具でもあります」
リブラルは空太に対して補足の説明を続ける。
「一応その羽は壊れないようになっていますが、大事に扱ってください。次の迷宮の鍵になりますので……。それではこれからも頑張ってください」
一通りの説明が終わったリブラルは空太達に別れの挨拶をすると杖をふるう。すると空太達の周りに光の膜が張られ、一際光が強くなるとリブラルの前から姿を消した。
「久しぶりの試練楽しかったです。次の来訪者までまた眠りにつくとしましょう」
空太達を見送ったリブラルは再び水晶玉へと取り込まれていき部屋の中は闇に包まれた。
「ん、ここは……。迷宮の外?」
光が治まり空太が周りを見渡すとそこは迷宮の入り口前だった。
「みんな居るな。とりあえず今日はお疲れ様」
空太は全員いることを確認すると、羽を大事にマジックバックに入れ3人を連れて副都へと歩いていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます