第38話 変化
どさりと音を立てリブラルが地面へと落下する。リブラルが地面に横たわると、背中の羽は光に形を変えリブラルを包み込む。
「倒した……のか?」
空太は念のためマジックバックからカードと、投擲したものと同じナイフを取り出す。
やがてリブラルを包んでいた光が弱まっていき、突き刺さっていたナイフとそれによってできた傷とともに消え去った。
「ん……、今のは……。魔法じゃなかった?だとすれば……」
リブラルはゆっくりと目を開け、自分のくらった攻撃について考える。そして魔法による攻撃ではないと推測し、物理攻撃を行っていた者を考える。指がピクリと動き問題なく動かせることが分かると、リブラルは無防備な森の射手の元へ駆けていく。
「まずはあなたです」
リブラルが走り始めると同時に持っていた杖の形が変わり、鍔の中心に水晶玉を据えたブロードソードへと変化する。間合いを詰めたリブラルはそのまま森の射手へと斬りかかると、森の射手は苦悶の表情を浮かべやがて光の粒子へと変わっていった。
「さあ、次の試練を始めましょう」
リブラルはブロードソードを構えなおし空太達に次の試練の幕開けを告げた。
(ダメージを受けていたとしても一撃で倒された!? あの攻撃力……、守りのカードの方がいいけどHPが持つかな……)
「持ってくれ。召喚:血縁の守護鎧」
空太はHPポーションを飲み干すと1枚のカードを召喚する。すると空太の目の前に目に光のない騎士が現れる。ギギギと重たい摩擦音を出しながら血縁の守護鎧はゆっくりと剣を抜き空太へと突き刺した。
「え?な、何をしているの?」
リブラルが目の前の異様な光景に慄いている間も、血縁の守護鎧は剣を突きさし続ける。やがて傷口から血があふれ出し剣を伝って血縁の守護鎧の元へと届く。空太の血に触れた瞬間目に光が灯り空太から剣を抜くと、片膝をつき空太に忠誠を示す。そこへすかさずフォーチュンは空太にヒールをかけた。
「持ってくれたな。準備が整った、もう1度行くぞ」
空太は全員に声をかけると目の前の光景に動けずにいたリブラルを見る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます