第36話 魔障壁

「よそ見は駄目ですよ。そんなことだと試練をクリアするどころか……」


 リブラルは空太に語り掛けながら持っていた杖を再び振るう。すると前に放った物より小さいサイズの光の玉が複数現れる。


「すぐに死にますよ」


 リブラルが声を発すると現れた光の玉が空太達目がけて発射される。それを見たルナと森の射手と電気うさぎが攻撃し撃ち落とそうとする。


「だめ、数が多い」


 光の玉の数が多く、撃ち落としきれなかった光の玉の衝撃に対して空太以外の3人が目を瞑り顔を手で隠し

備える。


(これで防げるか……。発動しないよりかはましか)


 空太は手に持っているカードを見ると少し考えた後魔法を発動させる。

「詠唱:魔障壁」



魔障壁

残り使用回数:5/5

1ターンの間味方全体の魔法攻撃によるダメージを50減少する。



 空太が魔法を唱えると同時にカードから光が放たれ、4人と電気うさぎの元へと飛んでいった。カードから放たれた光が全員の元に届いて1秒と絶たないうちに、光の玉が降り注ぐ。


「音は聞こえるのに?」


 目を瞑ってからしばらくして、ルナは着弾している音はするのに自分の体に何の衝撃も来ないことに疑問に感じ恐る恐る前を見る。すると目の前に半透明な薄い膜が張られそれが光の玉を防いでいるのが見えた。半透明の膜は光の玉が降り注ぎ終わると光の粒子となり消滅した。


「今のは……魔障壁?」


 ルナは『マジックタクティクス』の中で見た魔障壁が張られていることが分かると、空太の方をちらりと見る。


「ダメージが魔障壁の範囲内でよかった。どれくらいの攻撃か分からなかっから気休めにかけたんだけど……」


 空太は発動した魔障壁で防げれたことに安心すると深く息を吐き気持ちを落ち着かせる。

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