第26話 合成
「魔法陣カードが複数集まるまで5層の攻略はやめておこう」
ドラゴンと戦った空太は借りている宿の部屋の中でひとり呟く。
「1本使ってみるか、MP回復ポーション。もらってから1度も使ってないからなぁ……。試してみるか」
空太はマジックバックからMP回復用のポーションを取り出し、のこっているMPを消費してカードをドローする。
「うーん、やっぱりそう簡単にはひけないよな。よし、1本だけ……。」
ドローしたカードを確認した空太はカードをしまうとポーションに手をかける。ふたを開け深呼吸すると一気に飲み干す。
「味はそんなに悪くないんだな。紫色のポーションも色は飲む気が失せるような色だったけど味は普通だったからなぁ」
空太は状態異常回復ポーションを飲んだ時のことを思い出しながらステータスを確認する。すると無くなっていたMPが全回復していた。
「おおー、全回復した。回復量結構あるんだな。俺のMPが少ないだけかもなんだけど」
MPが回復したことを確認した空太はすぐにカードをドローする。ドローし終わった空太は1枚ずつカードを確認していく。
「うーん、魔法陣カードは出ないか……。今回のドローで大分カードが集まったな」
確認し終わった空太は所持しているカードを取り出しながらつぶやく。全部出し終わると空太の前にはカードの山があった。
「どうしよう、毎日ドローしてたら枚数がすごいことに……」
空太はカードの数にあきれながらステータスを再確認する。
「おっ、さっきのドローで魔法のレベルが上がったのか。次は何が解放されるんだろう」
空太は解析をかけ詳細を確認する。
魔法:カード召喚Lv.4
・使用コスト…23/90
コスト内のカードを召喚することができる。
・ドロー:消費MP……10
MPを消費してカードを引くことができる。
・召喚:消費MP……20
MPを消費してドローしたカードを召喚する。
召喚したカードは固有の耐久値が0になるか一日経過することで消滅する。
・永久召喚:消費MP……30
コストを使用し続けることで耐久値が0になるまで召喚しておくことができる。
召喚したカードが消滅するとコストは回復する。
・カード詠唱:消費MP……0
カード固有の残り回数を消費することで所持している魔法陣カードを使用することができる。
使用できる回数はカードにより異なる。
・カード合成:消費MP……0
所持しているカードを別のカードと合成することができる。
合成に使用したカードは消滅し、合成元のカードは経験値を得ることができる。
「合成……。明日フォーチュンが起きたら試してみるか。これでカードの枚数は解決したかな」
新しく発現した項目を確認した空太はカードを片付けるとベットに横になり目を閉じた。
小鳥のさえずりとともに部屋の中に朝日が差し込む。
「ん、もう朝か。おはようフォーチュン」
空太が目を覚ますと、フォーチュンは少し眠そうにベットの上で背伸びをしていた。
「おはようございます、マスター。今日も迷宮攻略頑張りましょう」
「あー、その前にフォーチュン。ちょっと試したいことがあるんだけどいいかな?」
「はい、大丈夫ですよ?」
「昨日魔法のレベルが上がって合成ができるようになったから、フォーチュンに別のカードを経験値として合わせたいんだ」
「合成……ですか。はい、大丈夫ですよ」
「ありがとう。それじゃあいくよ。『カード合成』」
空太はしばらく使わないカードを数枚取り出しフォーチュンの前に掲げると、魔法を発動させる。魔法が発動すると手に持っていたカードは光になりフォーチュンへと向かっていった。
「成功したかな……。解析」
空太は合成の成否を確認するためにフォーチュンのステータスを確認する。
癒術士 フォーチュン
コスト:12
Lv.2
HP:192
攻撃力:68
スキル:①ヒールLv.2 ②オールヒールLv.1
「ステータスとスキル1のレベルが上がってる。ということは成功したのか。ありがとう、フォーチュン」
ステータスを確認した空太はフォーチュンにお礼を言うと、頭をくしゃくしゃとなでた。
「わっ。マスター、いえ、その何でもないです」
フォーチュンは頭をなでられると少しびっくりした様子で一瞬空太の方を見ると、少し照れながらうつむいた。
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