第20話 夜ご飯
武器の製作依頼を終えた空太達はギルドを出て露店へと歩いていく。
「夜ご飯何にしよう。朝、昼とパンだったからなあ。フォーチュンは何がいい?」
何にするか迷った空太は後ろを歩くフォーチュンに質問する。
「うーん。マスターの決め者なら何でもいいですよ?」
フォーチュンは首をかしげながら答える。
「それじゃ歩きながら考えるか」
空太達は露店の売り物を眺めながら歩いていく。するとどこからか嗅いだことのあるにおいが漂ってくる。
「あれ?このにおいどこかで嗅いだ覚えがあるな」
空太はにおいの元へ歩いていく。少し歩くと1軒の露店にたどり着く。そこは店の周りに複数のテーブルの置かれたレストランのような露店だった。
「ここか。あのにおいは……カルボナーラか。ジャムパンとかがあるからこれもあるのか。フォーチュン、ここにしようと思うんだけど」
空太がここにしようかと尋ねると、フォーチュンは初めて見る料理に釘付けになっていた。
「聞こえてないみたい……。ここにするか。すみません、注文したいんですけど」
「いらっしゃいませ。こちらのメニューからお選びください」
空太が店員に注文しようとすると、料理名と値段の書かれたメニューを渡される。
「種類は同じか……。よし、俺はこれにしよう。フォーチュンはどうする?」
空太はフォーチュンにメニューを見せる。しばらく他の人が食べているのを見ていたフォーチュンは、「あの料理がいいです」と指さす。
「同じやつか。すみません、カルボナーラを二つください」
空太は店員に注文をすませメニューを返し、料金を支払う。すると、「料理ができましたらお持ちしますので空いている席でお待ちください」と言われたため、空太はフォーチュンを連れて空いている席へ移動する。数分後料理の乗ったトレーを持った店員がやってくる。
「お待たせしました。ご注文のカルボナーラです」
「ありがとうございます。それじゃフォーチュン食べよう」
空太はついてきたフォークを使って食べ始める。フォーチュンは空太の食べ方を見よう見まねでマネして食べ始める。
「おおー。この味なんだかものすごい久しぶりだな」
空太は懐かしみながら食べ、フォーチュンは初めての味に驚きながら食べ進め、数分後には二つの皿は空っぽになっていた。
「おいしかったー。あとは、電気うさぎのご飯を買いに行くか」
夜ご飯を食べ終えた空太達は別の露店へ電気うさぎのご飯を買いに行く。
「昼はパンを食べたけどやっぱり野菜とかの方がいいのかな」
そんなことをつぶやきながら野菜の置いてある露店へとたどり着く。
「人参っぽいのにするか。うさぎと言えば人参ってイメージがあるからな」
そう思い空太は人参を購入し宿屋へと戻る。宿屋へ戻ると空太はフォーチュンに買ったばかりの人参を渡す。
「うさぎさん、ご飯ですよ」
人参を受け取ったフォーチュンはニコニコしながら電気うさぎの前に人参を出す。すると電気うさぎは目の前に出された人参をかじっていく。
「か、かわいい。マスター、やっぱり食べているところもかわいいです」
フォーチュンは空太に興奮した様子で話す。そんな様子を空太は笑顔で眺めていた。
電気うさぎにご飯を上げた後いつもと同じように残っているMPを使ってカードをドローする。
「昨日引いたカードも余っているし、そのうち持てなくなりそうだな」
空太の手には新しく3枚のカードが握られていた。
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