水嶋麗那の想い**ねぇ、お兄ちゃん……?
ねぇ、お兄ちゃん?
あのときは、何も知らなかったわたしのために、声を上げてくれたんだね。
今さらだけど、とっても嬉しかったよ。
ありがとう、お兄ちゃん。
何で今さらかって?
だって、もうお兄ちゃんは、この世界には存在しない、魂という概念になってしまったから。
お兄ちゃんという、かけがえのない存在を失って、やっと気づけたバカなわたし。
生徒会長とかやっていて、学校の成績は優秀なのかも知れないけど、わたしは人として愚かだよね。
本当にごめんなさい。
ねぇ、お兄ちゃん?
今、お兄ちゃんはどこにいるのかな?
やっぱり天国かな? 優しいお兄ちゃんのことなら、地獄に逝くことは考えられないからさ。どうか幸せに笑っていてくれるといいなぁ。
それか……もしかしたら、まだわたしたちの世界でさまよっているのかな?
だとしたら、
わたしはお兄ちゃんに会いたい。
身勝手だってことは百も承知だし、ワガママだって言われても仕方ないよね。変に我が強いところがわたしの幼稚な一面。お兄ちゃんなら、知ってるよね。
――でも、それでも会って、お兄ちゃんに伝えたいことがあるんだ。
わたしは霊感とか持っていないから、幽霊なお兄ちゃんの姿は全く視ることができない。だけど、わたしの気持ちだけでも伝えられるなら、今すぐにでも会いたいの。
――だってお兄ちゃんは、わたしの夢を叶えてくれた、命の恩人なのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます