9#次々と倒されゆく風船角のキョン群団達

 遥か向こうにライフル銃を構えて待ち構えていた、人間のハンターの銃弾が雄キョンのカイムの側近であるハイヤに直撃して、揉んどりうってバウンドしてそのまま倒れこんだ。


 「ハイヤァァァァァァァァァ!!」


 雄キョンのカイムが何度も起こそうとして、身体を持ち上げようとした。


 しかし、ハイヤは大量の血を流して既にこと切れていた。


 「あああああああああああああああああああああ!!」


 カイムは激しく嗚咽した。


 カイムは、ハイヤの亡骸の角に結ばれた風船を全部ほどいて自らの角に結んだ。



 ダーーーーーーン!!


 ダーーーーーーン!!



 カイムは仰天した。


 「皆!!分散して!!」


 カイムは群れに号令を出した。



 ・・・はっ・・・!!



 カイムは、この号令を出したことを後悔した。



 ダーーーーーーン!!



 「きゃーーーーーーん!!」



 ダーーーーーーン!!


 ダーーーーーーン!!



 「きゃーーーーーーん!!」



 ダーーーーーーン!!



 ダーーーーーーン!!



 「きゃーーーーーーん!!」



 次々とキョンの群れの仲間達が、ハンターの凶弾に倒れた。


 雄キョンのカイムは発狂して、死んでいった仲間達の角から風船を解いては自らの角に結びつけた。


 その時、何を思ったのかカイムは思い付いた。


 「雄は角の風船を振りかざしして!!」



 ダーーーーーーン!!


 ダーーーーーーン!!



 パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!



 ライフルの銃弾は、角の風船に命中して風船がどんどんパンクした。



 「これで撹乱は出来ただろう・・・」



 ダーーーーーーン!!



「みぃーーーーーーーー!!」



 「!!!!!!」


 またしても、仲間が銃弾撃たれて短い一生を終えた。


 「もういやーー!!もういやーーー!!」


 他のキョンの仲間達の血を浴びた雄キョンのカイムは、『リーダー失格』という屈辱的な言葉に苛まれ、群れの夥しい亡骸の山を彷徨い、死んでいった仲間の角から風船を回収して回った。



 ダーーーーーーン!!



 ちゅーーーん!!



 「うぐっ!!」


 カイムの土手っ腹に銃弾が命中した。


 「ぐぐぐぐ・・・」


 カイムが朦朧とした目で目の前で見た光景に、血の気が引いた。


 「う・・・嘘だろ・・・?!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る