7#風船から産まれた後継ぎ
「ひーひーふー?」
雌キョンのドゥスは、首を傾げた。
「ハイヤ!!お前は賢いキョンだ!!俺にはこのアイデア気付かなかったぜ!!ハイヤは部下にしちゃおう!!」
雄キョンのカイムは、ギュッとハイヤを抱き締めた。
「ねーねー!カイムリーダーさん!余り抱き締めたら、僕の角の風船割れちゃうよ!!」
「あ、ごめん。じゃあ、直ぐ様実行だ。
ドゥスさんが、『ひーひーふー』という呼吸で風船をどんどん膨らませて、陣痛を促して、ある程度膨らませたら、俺が膨らませて角に風船を付けて・・・正に一石二鳥の作戦だ。」
「じゃあ!行くよ!!『ひーひー、』」
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
雄キョンのハイヤが風船の吹き口をほどいて雌キョンのドゥスに渡して、ドゥスが風船を膨らませて、次に変わって雄キョンのカイムが大きく膨らませて、吹き口を縛ってハイヤが雄キョンのカイムの角に風船を結んで・・・を何度も何度も何度も何度も繰り返した。
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~!!
「ひーひー!!」
ぷぅ~~~~~~!!
・・・・・・
やがて・・・
「みーみーみーみーみーみー」
「やったーーーー!!」
「産まれたーーーーー!!」
雌キョンの傍らに、元気な雄キョンの赤ン坊が今正に立ち上がろうとしていた。
「頑張れ!!頑張れ!!立ったーーー!!」
赤ン坊キョンが立ち上がった時、3匹のキョンは大粒の涙を流して大はしゃぎに喜んだ。
雄キョンのカイムの角には、雌キョンのドゥスが『ひーひーふー』呼吸で膨らませ、カイムの吐息も入ってパンパンに膨らんだ無数の風船が、雨上がりの雲から注ぐ一筋の光に照らされてキラキラと輝いた。
「ドゥスちゃん、この子、何という名前にする?」
「もう決めてあるの。」
「なあに?」
「『ピナ』っていうの。『ピナコラーダ』のピナ。可愛い名前でしょ?」
雌キョンのドゥスは、既に母親の優しい顔をして微笑んでいた。
「おめでとうリーダー!!」
「おめでとう!!リーダーの子!!」
「僕らの後継ぎーー!!」
「今度は私達も!!」
雄キョンは、角に結んだ風船を震わせて、
雌キョンは、膨らませた風船をポンポンと付いて、
新たな命の誕生を祝った。
「リーダーさん!カイムリーダーさん!」
「なあに?君達?」
「貴方について行きます!!これからどうしましょうか?」
「えっ?!」
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