第6話 会えない、っていうのがこんなに切ないものだって思わなかったよ、できれば定期的にきちんと会いたいもんだよ
セエトが図書館に来なくなってからもう1週間になろうとしている。
そうこうしている内に、ヒロちゃんとプレ夏期講習で会う日になった。
「ミスミ、今日の授業終わったらさ、コーヒーでも飲んでかない?」
「・・・コーヒー?」
「いいカフェ、見つけたんだよ」
「ふうん」
「なんか、反応薄いね。何かあった?」
「ヒロちゃん、あのさ」
「うんうん」
「男の子とカフェに行くのって、浮気かな」
「・・・なに、それ」
「それとも浮気じゃないかな」
「何? もしかして、彼氏とかいるんだ?」
「彼氏、ってわけじゃないけど」
「そいつのこと、好きなの?」
「まだ、よくわかんない。しばらく連絡も取れないし」
「ケンカでもしたとか?」
「多分、図書館で落書きして司書さんに叱られたのがショックだったんだと思うんだよね」
「なんだ、そりゃ。子供じゃん。つまり、そいつに義理立てしないといけないから、カフェに行くのを躊躇してると」
「うん」
「あーあ。ずーっと一緒にいたって自負があったからミスミのこと、女の子として意識してたのに。わかったよ。幼なじみとして相談に乗ってあげる、っていうんなら浮気じゃないでしょ」
「わ、ヒロちゃんはやっぱりわたしの大切な幼なじみだ。ありがとう」
「複雑な心境だよ」
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