第七章 森と弓と狼

 朝を迎えた。

 昨日はそれぞれに動いていた面々だったが、今朝はゆっくりと起き出しているようで朝食を用意するカトレアの周りでわいわいと話をしている。


 フィルもその輪に混ざるのだが、一人悩んでいた。

 ――昨晩起きたことを皆に話すべきだろうか、と。


「ちょっと提案があるんだが」


 流石に何も言わないことはできないだろうと、どう話を切り出すかを考えていたフィルを含め、卓を囲む面々に声がかかった。

 周囲の視線を集めたのはゴーシェだ。


「何だ?」

「いやな。この村の奴等が魔物と戦うって話なんだが、俺達も加わらないか」


 突然出てきたのは意外な言葉だった。

 金のために仕事をする傭兵業をフィルと共にしてきたゴーシェは、金にならないことは人一倍嫌う。その男が自ら面倒事に首を突っ込もうと言うのだ。


「何でそう思った?」

「昨日クゥ達と森に入った時に聞いたんだよ。近々魔物達と真っ向からぶつかる、って。あいつ等はこんな場所に村があるだけあって、そこそこに腕が立つが魔物相手だと難しいと思う。それに……」

「それに?」

「何と言うか、他人に思えないんだよな。ここの奴等」


 ゴーシェはためらいがちにそう言った。

 山人の国――ミズールバラズに向かう旅の途中である。

 全く予想はしていなかったが、その旅の途中で人間がいる村を運良く見付けられただけであり、準備は十分にする必要はあるがわざわざ自ら危険に飛び込む必要はない。目を伏せながら言うゴーシェの様子は、自身がそう思っているからだろう。


 フィルだけではなく、ディア達もゴーシェの言葉を静かに聞いていた。


「実はね……」


 続いて口を開いたのはディアだった。


「私もそれを考えていたの。昨日、村長――ファングさんと話をした時、村の人達にも話を聞いたのよ。それを聞く限り、ここ最近になって魔物の襲撃が多くなっているらしいわ」

「俺もそれ聞いたわ」


 ディアの言葉にゴーシェも同意する。

 クゥ達と出会った時も、東側から凄い数の魔物が押し寄せてきている所だった。


 昨晩フィルが出会った狼は全てを言っていないようだったが、一挙に魔物側を叩こうとしているのも、そんな背景があるからかも知れない。


「それにこの村の守り神――私達で言うところのワーグが、村の人間を襲っているなんて話もあったわ。流石に、村の人からすると信仰の対象だから、おおやけにはされていない噂みたいなものだったけど。それが気になるってのもあるし」

「それは、俺達に襲い掛かったのと同じ魔物か?」

「分からないけどね。でもアランソンの依頼もあるし、確認した方がいいと思うわ」


 続いたディアの話も、フィルには初耳だった。

 こちらは昨晩の狼の話と繋がるものがあり、魔物勢力側に堕ちた眷属と言っていたもののことだろう。


「……どうするの? フィル」


 特に意見はなさそうなトニは、決定を任せるという顔をしている。

 カトレアの方も口は出さないが、同様だ。


「……俺達も参加しよう。理由は色々とある」

「よっしゃ! 報酬はないけど、いっちょ魔物退治と行くか!」


 フィルは考えた末、参加の意を口にした。

 何でそんなにやる気があるのかは分からないが、ゴーシェも喜んでいるようだ。


「まあ聞け。厳しい旅だ、勢いで参加はできない。まず、山人の国――ミズールバラズへの道程で、この村を見つけられたのは運が良かったんだろう。俺達の目的はミズールバラズにたどり着くことだが、帰り道もある。この村の周辺が危ないというのであれば、この村の戦力と一緒に魔物を叩いた方がいいだろう」


 流石に理由なしに参加はできないと思い、フィルは皆が納得できるような理由を考えていた。そんなフィルの言葉を、ゴーシェとトニがうんうんと頷いて聞いている。


「理由はもう一つある。ディアも言っていたが、この村の守り神様とやらがやはり気になる。実は言っていなかったが、昨晩な――」


 頃合だと考え、フィルは昨晩出会った狼のことを面々に話した。

 フィル達の一行をずっと見張るような気配があったこと、昨晩群れの長のような狼と顔を合わせて話したこと、その狼に戦いに参加するように言われたこと、それらをゆっくりと説明した。


「――って、何だよそれ。最初から戦いに加わるのが決まってたようなもんじゃねえか」

「そうとも限らない。東の森の魔物は未知数だ。事と次第によってはあの狼と戦った方が、生き延びる可能性は高いかも知れない。どっちにするか今日話そうと思っていたんだが、都合が良かった」

「言葉を喋る魔物……ね。前に聞いた、ベルム城で戦った魔族・・のようなものかしら」

「そんな感じだ。しかし、何を言っているのかよく分からない所もあったが、どうやら俺達が魔物と認識している存在とは少し違うような口ぶりだった」


 フィルの話を聞いて、「気になるわね」と考え込んだディアだったが、話がややこしくなるため一旦放っておくことにする。

 とにかく、ゴーシェやディアの方から戦いに参加すると言うのだから、参戦を余儀なくされた状況からしたら渡りに船というものだろう。


「皆、それでいいんだったら俺達も参加することにするが、どうだ?」

「うん! フィルが言うんだったら俺は勿論一緒に行くよ!」

「私も、異論はないわ。こっちから言い出したことだしね」

「同じくだ」

「私……も及ばずながらですが、頑張ります」


 一人不安そうなカトレアを除けば、皆戦いへの参加には前向きのようだった。

 いつも物怖じするようなカトレアも、何があったかは知らないが、恐怖と戦意が半々というような表情をしている。


「決まりだな。となると、村長――ファングさんに話を通さないとな」


 全員の同意が得られたことで、正式に村人達が出る戦いに参加することを、この村の長であるファングに伝える必要があることを言う。

 ファング自身も、戦いがあることを口にしていたものの、旅の途中であるフィル達に加わるように言ってくることはなかった。旅の途中で寄らせてもらった恩もあるため、せめてものお返しができることは、皆共通に嬉しく思っていた。


「参戦してもらうのは一向に構わない――というより、願ってもないことだ」


 朝の話し合いの後、善は急げというように全員で村の中心の家まで向かい、村人達と魔物との戦いに参戦する旨を告げたフィルだったが、ファングからはあっさりと二つ返事での了承が出た。


「そもそもが、敵の戦力も分からない状態だ。守り神様のご意向があるとは言え、我等の中にも戦いを不安視するような声が出ていた。貴殿らの力の強さは肌で感じている。味方となって貰えるのは実に頼もしい」

「こっちも世話になったからな。旅があるからずっと居つくわけにはいかないが、村を襲う魔物を片付けるくらいは手伝えるだろう」

「とにかく有難い。参戦してもらうのだから、詳細を話した方がいいだろう。少し時間がかかるが、いいか?」

「問題ない」


 フィル達の参戦の提案に、目を細めて喜んだような表情を見せたファングだった。

 村人達の今回の魔物との戦いにも、段取りなどの考えがあるようで、それを改めて説明するとファングは言う。


「まず今回の戦いの目的は、東の森にある遺跡を取り戻すことにある」

「遺跡? 何でそんなものを?」

「ここらの村々で古くから祭事などを行っていた遺跡がある。守り神様の声は、それを取り戻せというように言っていた」


 ファングが話し出した、その話の冒頭というような所で引っかかった。


「守り神様の命、ということか」

「村々、というのはどういうことだ? ここの他にも村があるのか?」


 この村に来てから、クゥ達などからも聞いたことのない話に、思わずゴーシェも声を上げる。


「いや、ここ以外に村はもう・・ない……かつて、我々の村と交流のあった二つの村が、東の森にあったのだ。随分前に、化け物――魔物共に襲われて滅んでいる」


 ファングは、フィル達の呼び方に合わせたのか、敵を魔物と呼称する。

 ガルハッドの国との交流がなくなってからも随分経つというので、フィル達もここいらにそんな村々があったことは知らなかった。


「そうだったのか。しかし、何でまた遺跡なんかを取り戻すんだ?」

「守り神様からの命だが、詳しいことは分からない。しかし、その遺跡はのようになっているため、こちら側――西の森を守るための要にもなる。守り神様から言われたというのは勿論だが、村の者達で話し合い、遺跡を取り返して守りを固めようということになったのだ」


 砦、という言葉を聞いてフィルも少し納得したような気持ちになる。

 ガルハッド国内――と言っても、本国から外れた田舎の方だが、魔法が存在した時代から存在する遺跡がいくつかあることはフィルも知っていた。

 国内で宗教と言えるものはアルセイダ教くらいのものだが、田舎の方の土着の文化として、そういった旧時代の遺跡にある祭壇なんかを利用して祭事を行うことは、割とよくある話だ。


 更に、そういった旧時代の遺跡はその時代の名残か、小さい砦などに比べたら遥かに堅牢なものも多くある。魔物の勢力が拡大しているというこの地域で、そういった砦を前哨として村を守ろうとする考えはよく分かる。


「なるほど、しかしまた砦攻めか……戦力も分からないってことだし、厳しい戦いになりそうだな。村にはどの程度の戦力があるんだ?」

「戦える者は、三百という所だな」

「三百か……」


 少なすぎる、とは言えない。

 片田舎の遺跡程度の砦だ。戦力に数えるのを悩む程度の傭兵が少なからずいたとしても、五百程度の戦力であれば、自分なら乗るだろうとフィルは思った。


 唯一、不安があるとすれば――


「その、喧嘩を売るわけじゃないんだが……狼の姿の魔物のことは知っているか?」


 フィルが最も気になっていることを、思い切って聞いてみた。

 村に向かう途中、クゥ達から忠告を受けたこともあるが、この村の者にとって恐らく狼型の魔物――ワーグは、守り神と同一視されているものだろう。

 それを魔物――人を襲う敵と言うのである。どう反応が返ってくるかは分かったものではない。


「そのことか……戦いに加わってもらう者に隠し事をするわけにはいかないだろうな……」


 予想外に落ち着いたファングの態度に、フィルはまず一息をついた。

 暫しの沈黙の後に、再びファングが話し始める。


「恐らく、我等の守り神様のことを気にしているのだろう。フィル殿が言う通り、敵方――魔物の勢力に守り神様と同一のものがいることは知っている。その姿を見て命からがら逃げてきた者もいるし、森で魔物に襲われた者であろう死体からもそれは知れている」


 ファングが言うには、村の近くの森で襲われた村人の死体に残った噛み傷などからも、魔物の勢力内に村人達が信仰している守り神と同様の姿をした固体がいることは、周知のことだという。

 皆、何故今まで自分達を守ってくれた守り神が、敵についたのかが分からず、表立っては口にしないことが暗黙の了解となっているのだ。


「知っていたのか。であれば話は早いが、あれ・・はかなり危険だ」

「魔物だらけの道を都から来たフィル殿が言うのであれば、そうなのだろうな」


 そう言って、ファングはゴーシェが腰に帯刀している剣をちらりと見た。


「これか? フィルの言う通り、かなり強かったぞ。もう一度戦ったらどうなるかは分からんな」


 ファングの視線に気付き、ゴーシェもそう言う。

 その剣に光る魔晶石の光を見るファングの瞳の色は、少し寂しげにも見えた。


 ここ最近の砦や城攻めでの出来事から、今までに戦ったことのないような異形の魔物とも戦うことがあったし、魔剣を強化し魔力の取り扱いも覚えている。

 それでも、フィルが昨晩見た狼のようなものが敵方にいるとしたら、ゴーシェの言う通り戦況がどうなるかは分からないだろう。


「どうあれ、守り神様の命だ。我々が戦いに出ることには変わりはない。フィル殿の言う通り、危険も多いだろう。気が変わっても咎めない」

「今更そんなことは言うはずもないだろう。敵方にそれ・・がいることは既に俺達も知っている」

「そうか……」


 何とも言えない表情をしたままのファングだったが、東の森に攻め入る具体的な段取りは村の者が一堂に会する時に説明する、ということだった。


「その代わり、という訳ではないのだが、早速で悪いが村の者と森に入ってもらえないだろうか」

「森に? 狩りでもするのか?」

「それもあるが、我々の森の歩き方・・・を知ってもらう」


 ファングは、森の歩き方を教えるためにフィル達に森に入ってくれと言った。

 この村に来た時もそうだが、待ち伏せを食らったとは言え、森の中に潜む戦士たちの気配にフィル達は全く気付かなかったこともある。


「我等の戦い方は、基本的にごく小規模に分かれた部隊での、奇襲や待ち伏せを主なものとする。国同士の戦争のやり方とは全く違うのでな」

「そういうことか、俺は得意なやり方だから大歓迎だけど」


 ファングの指摘はフィル達の森での動き方がずさんである、ということだ。

 逆に、元々狩人をやっていたゴーシェは本人が言うように、本来そっちのやり方の方が得意であるため、腕が鳴るというような顔をしている。


「そっちのやり方に従おう。訓練をしてもらえるのか?」

「訓練というほどのものではないがな。二手に分かれ、村の者について歩いてくれ」

「分かった」


 明後日行われるという魔物との戦いの話は一先ず終わり、早速フィル達は森歩きを教わることになった。

 折角なので訓練を兼ねた狩りを行うこととなり、自前の弓を持つゴーシェとカトレア以外の面々は、村の戦士が使っているものと同様の弓を借りることとなった。


「なんだか、ちゃんと弓使うのも久々だな」

「ゴーシェさん、昨日も中々の腕前だったべ」


 弦を張り直しながら、ゴーシェとクゥが楽しげに話している。

 昨日狩りに出たばかりだが、ここ最近の戦いで弓を使うことがめっきり少なくなっていたゴーシェはやはり嬉しそうだ。


「おい、クゥ。喋り方を直せと言ってるだろう」

「親父……そんなすぐには直らねえべ……」

「口答えをするな」


 親子のそんなやり取りを見ながら、フィルも弓を扱う準備をした。

 幼少の頃に、武具の扱いを一通り習っているフィルは勿論弓も扱えるのだが、驚いたことにディアも弓の扱いには問題ないらしい。森人の出の者は、種族の名から計り知れるように、森の中に住まうものが多い。一子相伝というように弓の訓練を課せられているものは少なくないらしく、森人であるディアも同様ということだ。


 結果的に、フィル達の面々の中で弓を扱えない者はいないことが分かった。


「では、行くか」

「ああ頼むよ」


 ファングの言葉にゴーシェが呼応し、その後にディアが続いた。

 その横にフィル達と面識のあるスールカが付き、四人で森に入ることになった。


「こっちも行くべ、フィルさん」

「よ、よろしくお願いします……」


 フィルの方には、にかっと笑ったクゥが声をかける。

 その横には妹のジャニスがおどおどとした様子で立っていたが、さっさと森の中に入っていくクゥの姿を見て、小走りで付いて行く。


 声をかけられてフィルが続いて歩くと、こちらにはトニとカトレアが付いてきた。

 フィル以外の面々は皆齢若く、少し頼りなさそうに見えるが、ゴーシェが言うには「森だったらクゥは大丈夫だ」ということなので、問題ないものとした。


 ゴーシェやディアもそうだったが、皆一様に弓を手にして矢筒を背負っているため、狩人の集団というような見た目の面々が森の中に入っていく。



「フィル、そっち行ったよ!」

「……おい、大声を出すんでねえ」


 かなり森の奥の方に入り、フィル達は互いにある程度の距離を取り、獲物を見つけては静かに追って弓で射る、という狩りを行っていた。

 森の歩き方の訓練も兼ねるように、とファングに言われたことから、大声を出したトニに対してクゥの静かな叱責が飛ぶ。


 森に入ってすぐに分かったが、ゴーシェが言うようにクゥ達はかなり手練てだれの狩人であることが分かる。

 クゥ達は常に森の奥の動きに目を見張り、風の向きを気にする――というよりは最早無意識的に獲物に対して風下の位置になるように動いている。更に、森の中を歩いているのに、足音や枝葉を避ける音ですらほとんど立たない。

 いつもおどおどしているようなジャニスでさえ、同様の動きを見せ、狩りをする者はそれが当然というような様子だった。


 フィルも静かに弓を引き絞り、視界に入った獲物の兎が静止した瞬間を縫うようにして矢を放り、寸分の狂いもなくその首元を貫いた。


「フィルさんも中々やるべ」

「弓は基本だからな」

「フィルさん、すごいです……」


 クゥが称賛の声を上げ、カトレアもそれに続く。


 アルセイダにて国軍に従事していたフィルにとって、弓は朝飯前とは言わないが、取り扱いに困るものではなかった。傭兵などの素人が剣を取って戦えるものと違い、正規の軍の兵士などを経験している者としては、弓の扱いは技量の差はあれど出来て当たり前のものだ。


 大分弓の扱いにも慣れていたトニは置いておくとして、カトレアの方もぎこちないものの、日ごろの鍛錬の成果が見えていた。


「大分長い時間森に入ってたし、そろそろ戻るべか」


 フィルが、自身の放った矢が貫いた獲物の兎を取り上げた時、クゥが村に戻るかと聞いてきた。


「そうだな、随分とためになった」

「フィルさんは大丈夫だべ。トニとカトレアはもうちょっと何とかせにゃな」

「ご、ごめん……」

「すいません……」


 森の中での動き方は二人共、フィルが見てる分にはそう悪くなかったが、クゥは納得がいっていないようだ。

 トニは注意されても大声を出したり注意が散漫だったりと言われ、カトレアの方は弓の扱い――獲物を待ち伏せたり、狙いのつけ方に文句を言われていた。


「まあ、二人共さほど慣れていないんだ。少し多めに見てくれ」

「あ、ああ。こりゃすまなかったな」


 クゥの方も悪気はないのだが、狩人としての動き方に拘りがあるのか、時折口調が強くなったりしていた。トニやカトレアも叱られてもへこたれる様子はないし、「いい経験になる」と思い、フィルは静かにそんな姿を見ていた。


「それじゃあ戻るか――」


 フィルがそう声をかけた時、クゥがばっと後ろを振り向いた。


「フィルさん、この臭いは……」

「お、お兄ちゃん……」

「どうした?」


 クゥの様子が明らかに変わったのを見て、何者かの気配を感じたのかと思った。

 横にいるジャニスも震えている。


「守り神様の臭いがするべ……」

「西の森には守り神様がいるんじゃないのか? 何かおかしいのか?」

「守り神様が気配を感じさせるなんてことは、そうないんだ。どういうことだべ」


 クゥ達が明らかに動揺しているのを見て、フィルは昨晩の記憶が蘇る。


(まさか、昨日の奴か……?)


「どうしましょう、すぐに村に引き返しましょうか?」

「いや、それは無理だべ……追いつかれる。もうすぐ近くにいる――」


 クゥがそう言ったのと同時に、森の奥の茂みから、大きな獣が飛び出してきた。


 結構な距離があるのにも関わらず、こちらに聞こえるような唸り声を上げるそのはフィル達を見据えたまま、その四足で目の前に立った。

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