第9話 新しい挑戦

今日は、本間重太郎商店始まって以来の社員旅行の日だ。社員の数も多くなり、日頃の仕事ぶりへの感謝をこめての旅行だった。一泊二日で本土の有名温泉に行く。農協との取引でいろいろなつきあいが増えていた。旅行の部署からも訪問を受け、取引の縁もあるし

、社員の福利厚生も含めての決断だった。

 出発前の数日から社内はそわそわしていた

。宿泊先までの旅費やバス、宿は農協が手配していた。旅行料金には、夜の宴会、朝食代は入っていた。

社内では一週間くらい前から道中に何をやるか、昼食は何を食べるか、何を用意するかが考えられていた。本間勇作と近藤は仕入先へカンパをお願いした。すると、ファミリー商事の中野から使わなくなった商品見本のお菓子が荷物と一緒に届けられてきた。その他にも極東製菓からお菓子、越後スナックからおつまみと続々届けられてきた。柳沢製薬の宮川は、倉庫の在庫のポリナミンE一ケース赤伝を切ってほしい。これを旅行で使ってほしいとのことだった。ライオン缶詰は餞別として五千円が届けられていた。松太郎は近藤の指示で、この五千円の餞別で内村酒店から酒をありったけ買ってこいとの指示があった。内村酒店の店主は、日頃の松太郎の感謝もこめ、ビールを数本サービスしてくれた。

 出発するときには、カンパのお菓子、つまみがいっぱいになり大きい箱に詰められ仲山

がもつことになった。松太郎は、内村酒店から買った酒とビールをもった。宮田はポリナミンEを一ケース背負った。これが本当に重かった。これから出発というのにこんなに荷物をもつなんて・・・三人は苦笑いだった。しかし船の中でこの荷物は活発に全社員によって消費され、半分にまでなっていた。 

道中は日頃の疲れがでたのか、しばらくすると眠りにつくものが多くいた。須藤は大きく口を開け、よだれをたらしていた。近藤はシャッターチャンスとばかりシャッターを押し続けた。観光で下車したところで全員、記念撮影、出店でおみやげや食べ物を買うもの

、皆旅行を楽しんでいた。宴会は大いに盛り上がり、歌の合唱が始まっていた。未成年で飲めない須藤、宮田、松太郎、仲山は外出を考えていた。目指すはストリップ劇場。若さと好奇心を爆発させていた。皆、疲れて眠りにつくのは早かった。しばらくすると大きないびきが部屋中に鳴り響いた。宮田がいびきをかいていたのだ。須藤、松太郎、仲山は日頃のいたずら心がでて、ありったけの布団を宮田にかぶせた。山のようになった布団が宮田の上にかけられていた。それでも苦しい養子もなく、布団の中から、宮田のいびきが聞こえてきた。

 二日目、帰路についた本間重太郎商店一行

。全員前日に、はしゃぎ過ぎでぐったりしていた。カンパしてもたったお菓子、つまみ、酒などは既になくなていた。出発したときとは逆に身軽になっていた。途中の自由時間で地元の小売店に、松太郎は立ち寄った。いつもお菓子の商談に立ち会っているので、どんなお菓子が並んでいるか興味があった。ファミリー商事との商談で紹介されたお菓子や初めて見るお菓子があった。お菓子を手にとり、メーカー名や商品名をひかえていた。いつの間にか本間勇作や近藤もはいってきて、検討をしていた。松太郎は本間勇作に商品を手にとりいろいろ感想を聞いていた。仕入をしたい商品、お得意様から喜ばれ、売れ続ける商品と思った商品は、次回のファミリー商事との商談で問い合わせることにした。中でも大村製菓のお化け揚げせんは三人とも仕入れて売ってみたい商品だった。

 旅行の日程も無事終了し、鬼が島に帰ってきた。本間重太郎は

 「みなさんお疲れ様でした。本当に楽しい

 旅行でした。明日から仕事です。また来年

もみなさんと旅行できるよう頑張ってゆき

ましょう!それとカンパしてくれたファミ

リー商事さん、極東製菓さん、越後スナッ

クさん、柳沢製薬さん、ライオン缶詰さん

が来社されたり、電話がかかってきたとき

は、全員必ずお礼をお願いします。これだ

けのものを頂けて本当にありがたかったで

す。ではここで解散します。ありがとうご

ざいました。」

っと重太郎が締めくくったときに高野が、

「親方、こんな楽しい旅行を企画して下さ

り、本当にありがとうございました。親方

がご苦労してくれたからこそ、私たちが仕

事ができ、生活ができていると思います。

また明日からいっしょに頑張ってゆきます

ので皆を引っ張っていってください。」

そういうや全員が一斉に大きな声でお礼をいった。重太郎は心が震えていた・・・。


次の週、ファミリー商事の中野が商談で来社した。社員全員、中野に旅行のカンパの礼をいった。商談が始まると、早速、松太郎が

旅行で立ち寄った小売店で販売していた、お菓子をだした。

 「中野さん、この商品は御社に注文をする

ことができますか?」

中野は、松太郎がだしたお菓子を見た。

「これはうちで扱えますが在庫を置いてな

いので取り寄せになります。十ケースまと

めてもらえれば大丈夫です。これはうちに

在庫があるから大丈夫です。これは無理で

す。」

素早い返答だった。今までファミリー商事がだした見本をみて注文をだしていたが、今回、こちらが買ってきた商品をファミリー商事に打診したことでファミリー商事の在庫状態がぼんやりとわかってきた。ファミリー商事では全取引の中で、よく注文がある商品や小売店の棚に定番になっている商品は、在庫として必ず置いている。そこに取引口座があるメーカーで在庫を置かない商品がある。注文があったら取り寄せるようにしている。メーカーには最低注文数(最低ロット)が決められており、その数量で送ってくれる。そのメーカーの商品なら何種類でも合計の箱数が規定の数量になっていれば、送ってくれる。頻繁に注文するメーカーは、通常注文のついでに特別注文を追加すればいい。たまにしか注文しないメーカーは、最低注文数をそのまま注文の会社へ伝え、在庫リスクをなくしている。そして全く取引がないメーカーはそのまま断るようにしている。

旅行先で気に入った大村製菓のおばけ揚げせんは、ファミリー商事から断られた。三人はこの商品は売ってみたいのに残念な気持ちだった。あきらめきれない松太郎は、

「直接、もってこれませんかね?」

「ちょっと無理じゃない?ファミリー商事

が怒るんじゃない?それに大村製菓はうち

なんかとと取引してくれないんじゃない?

三人は考えあぐねていた。そのとき海老名からやってみろの指示があった。

「お前たち、この大村製菓のお化け揚げせ

んを売ってみたいんだろう?いい機会だ。

直接連絡してうちと取引できるか聞いてみ

ろ!やってみて駄目だったらしょうがない

じゃないか!」

奥のほうで親方がうなづいていた。

「勇作!お前が菓子仕入れの頭なんだから

お前が直接、大村製菓に連絡してやってく

れ!いいか、やり方は教える。まず大村製

菓が電話にでたら

『突然お電話して申し訳ございません。私、 

鬼が島の問屋の本間重太郎商店の本間勇作

と申します。実をいいますと御社のお化け

揚げせんを買ったうちのお得意様がこれを

店に置きたいという要望があり電話をしま

した。担当者様につないでいただけますか

?』そういうと必ず関係部署に回してくれ

る。不在だったら何時なら帰るかを聞いて

また電話をする。担当者がでてきたら、ど

うしたら取扱ができるかを聞く。ここから

が問題なんだが、取引できるかどうかの権

限を電話にでた人がもっているかなんだ。

権限があったら、直接取引をお願いする。

『取引のある菓子問屋はあるか?そこから

取り寄せることができるのではないか』と

聞いてくる。

『菓子問屋に打診したが、御社とは取引が

ないと断られたから困って電話したのだ』

といえば納得してくれる。次にいってくる

ことは、うちの会社案内を送れと言ってく

る。今、会社案内はうちにはない。いい機

会だ。近藤、松、会社案内を一回作ったら

いいと思わないか?今後こういう直接取引

の打診で提出しなければいけないことが多

くなってくる。仲山がいっている丸松建設

のような大きい会社と取引するときには必

要なものだ。会社案内を送ったら、それを

見て取引するかどうかの判断をする。会社

によっては、調査会社を使ったり、銀行な

んかで調べたりする。うちは老舗だから大

丈夫だと思うがな・・・。そして一番大事

なのが支払方法と支払い日だ。大村製菓は

『いつ支払ってくれるのか』を聞いてくる

。だいたいのメーカーは、『注文したらす

ぐに現金支払ってほしい。入金の確認がで

きたら発送する』といってくると思う。そ

こでお前たち、ここのところは今後わかっ

てほしいことなんだ。基本はお得意様から

速く入金してもらい、そのお金で仕入先に

支払うようすることだ。入金後支払いとい

うやつだ。そうしないと会社は困ることに

なる。先にお金がでていくことは、その分

の入金がないのだから他で手配しなければ

ならない。高野が苦労しているのもわかる

だろう。だから勇作は現金支払いといって

きたら、『うちは社内規定で月末締め翌月

末現金支払いで決まってます』で押し通す

こと。そこで困ったら保留にして俺に相談

してくれ。いい機会だ。やってみろ!大丈

夫だできる!」

本間勇作ははじめてのことなので、まず紙に書いて海老名が教えてくれたことを整理した。近藤と松太郎はどんな会社案内にするべきか考えはじめた。

近藤と松太郎は会社案内に何を書いたらいいのか、わからなかった。会社名、住所、電話番号までは思いつくが、あとはわからなかった。ファミリー商事の展示会のときに、多くのメーカーから紙をもらったことを思いだした。その紙は商品の説明やその会社がそんな会社が書いてあった・・・。そうだ、それを見れば、会社案内に何を書けばいいかわかるはずだ。松太郎は学校が終わり下宿先に帰って、押し入れにしまったメーカーからもらった紙を探した。何十枚にと紙がでてきて一枚一枚見ていった。会社名、住所、電話番号

、社長、役員、何をやっているかの業務内容

、取扱商品、仕入先、銀行、沿革か・・・。

ここを書いていけばいいんだな。松太郎は、会社案内を書いてみた。書けないところ、書けるが確認が必要なところがあった。書いて自信のないところは聞かなればならない。沿革などは親方に書いてもらったほうがいいところもあった。次の日、松太郎は自分で書いた会社案内を親方や海老名に確認してもらいながら修正、追加していった。特に沿革は会社の歴史なので、親方が考え書いてもらった

本間勇作は緊張して電話の前にいた。海老名から教えてもらった内容を暗記していた。

緊張と恥ずかしさから、人がいる事務所の電話は使わず、離れた別の場所にある電話を使った。受話器をとり大村製菓に電話をかける

。会話は思ったよりはずみ、担当者と話ができた。本間重太郎商店とはどんな会社で、何を取り扱っているか。どんなお得意様があって、何人の営業でまわっているかを話した。そして大村製菓のおばけ揚げせんの取扱をしたい。鬼が島ではこれは爆発的に売れるという自信はある。心をこめて訴えた。大村製菓も勇作の情熱がわかり、取引をしてくれることを承諾してくれた。支払いも海老名が言った「毎月末締め翌月末現金支払い」を納得してもらった。もし売れ行きが良ければ、大村製菓の商品を鬼が島の人たちに知ってもらいたいので同行販売もお願いしたいこともつけ加えた。勇作はあとで会社案内を送付することを約束して電話を切った。

 勇作ははじめての飛び込み営業が思いのほかうまくいったことで満足だった。そして大村製菓と取引でき、この商品を自分が主になって会社をあげて売ってゆく体制をしてゆこうと誓った。

 松太郎と近藤が作った会社案内は親方の了解をもらいできあがった。親方も勇作、近藤、松太郎の努力に心が動かされたのだろう、印刷所で印刷してくれた。きれいな字で印刷された会社案内が束になってできてきた。これを見た三人は、この会社案内を今回だけでなく。多くの取引先を開拓するために全部使い切るつもりでいた。まず最初に使うのは勇作が開拓した大村製菓に送ることだ。

 数日後、大村製菓から勇作宛てに手紙がきた。開けると担当の伊藤の名刺と見積書が同封されていた。大村製菓、伊藤の名刺を見て自分の名刺がないことに気づいた。今度、大村製菓で同行販売をするときまでに親方につくってもらおうと思った。見積を見ると直接取引の納価に今まで見たこともない安さに驚いた。しっかり利益をとり、利益の一部をお得意様へ還元する方法はないか考えた。親方が開発した越後スナックと抱き合わせで販売するのもいいな。いろいろ思いめぐらせていた。勇作は見積書から、おばけ揚げせんの最低注文数は十箱から大丈夫なのがわかった。電話で運賃のことが問題にあがり、直接、倉庫にいれてくれなくても、『港止め』の指定をしてくれれば、本間重太郎商店のほうでとりにいくことを知らせていた。勇作はおばけ揚げせんを十箱注文した。そのときに営業用の見本を五袋添付してほしいとお願いした。これは断られるだろうなと思ったら、承諾してくれたのには驚いた。ファミリー商事との取引では営業用の見本はもらえず、仕入れた商品の中から営業の人数分見本をだしていた。お得意様に見せるだけならいいが、試食をしたいという要望もあるので、仕入品から使わなければならなかった。また、見本箱の中に入れているので外装が痛んだりして販売品には使えなくなってしまうものもあった。メーカーと直接取引をして営業用見本がもらえることは助かった。商品は来週初めには届くという。勇作は早く着かないか楽しみだった。

 次の週、港から大村製菓から十箱商品が届いていた。別の箱に見本が入っていた。勇作は納品書を見て納価の確認をしてから事務所へ納品書をもっていった。最初の取引なので

事務から仕入元帳の作成と支払い条件を知らせなければならない。自分が開拓したメーカーへの愛着がますます大きくなっていった。

事務所で高野に大村製菓の支払い条件を教えて納品書を渡した。高野から

「勇作君、頑張ったね。おめでとう!お化

け揚げせん、今度食べさせてね!」

と言われ気合がますますはいってきた。営業見本を営業に配り、ひと通りの説明をした

。営業用見本を必ず使ってお得意様に試食をしてもらってほしいことを力説した。いままでできなかったことができる喜びがあった。試食をしてもらったら絶対にこの商品を仕入れてもらえることは自信があった。

 勇作は人が変わったように大村のおばけ揚げせんを案内した。商品説明にも今までにない心がこもっているのは自分でもわかった。

結局この日だけ勇作のお化け揚げせんの注文は五箱あった。海老名や近藤も売ってくると思うから、今日だけで全部売ってしまうのではないか?そう予測した。海老名や近藤が帰ってきてお化け揚げせんの売れ行きを聞いた

。やはり予想以上に好評で商品は足りなかった。急いで追加注文をだした。

 親方はこれを知り

 「勇作!すごいな!お化け揚げせん、すご

 い売れ行きだな。追加注文したのか?次に

 しなければいけないことを考えとけよ。今

までのようなファミリー商事からのお菓子

を売ってそれでよいというわけにはいかな

いぞ。このメーカーは直接取引してるんだ

から、育てなければならない。売ってさよ

ならの商品じゃないんだ。今までの仕入商

品とは全く違うやり方を考えてみろ!お客

さんを作れ!わからなければ俺か海老名に

相談してくれ!経験上、何か力になれると

思う。」

勇作は思った。親方の言う通りだ。普通の仕入商品の販売とは違うやり方を考えなければならない。この商品は俺たちがいいと思った商品だ。売れるようにしたい。試食をしてもらえれば、おいしいのはわかるから買ってもらえる。直接、お客様から試食をしてもらうようにしたらいいんだ。うちの全てのお得意様の中から、お客様に試食ができる場を提供してくれる店を探してみよう。承諾してくれるお得意様へは見本を数袋差し上げ試食として使ってもらう。気に入ったら買ってもらう仕組みをつくることだ。そして地道に小さい店や奥まった店にまでお化け揚げせんを置いてもらい。お客様から食べてもらいファンになってもらおう。

勇作は全てのお得意様を洗いだし、数件を試食対応店として相談、提案をするよう各営業に依頼した。さらに全取引先の一覧表を作成した。販売は十二袋入り一箱が基本だが、小さい店は半分の六袋での納品を許可した。一覧表に納品したお得意様に○をつけるようにして、未分布の店をなくし、全店に納品するよう営業に努力を促した。

 勇作は、試食を置く店は、店主が真面目で、自分が気に入ったらお客様へ積極的にすすめてくれる店を頭に描いた。地域で根強く商売をしている店にくるお客様に試食してもらい口コミの効果を狙っていた。最初の一か月は無理はせず、地道に案内試食をして、定番商品にすることを目指していた。

 試食販売について候補にあげたお得意様からは快く承諾を頂いた。第一回目の試食を行った。一軒のお得意様に試食として三袋を無償で提供し、店主自らすすめてくれるようお願いした。既にお化け揚げせんは一箱試食販売店に納品されており、お客様へ試食してもらって、気に入ったら、そばにあるお化け揚げせんを手にとって買っていただけるような配置をお願いした。それ以外の店には地道に商品の分布を継続することを営業にお願いした。二回目の入荷分はすぐに売れた。試食と分布の作戦も効果は表れてきた。勇作は営業にお化け揚げせんの売れ行きの感触を聞いた

。期待通りそのまま継続して、お化け揚げせんの販売を継続した。勇作はメーカーのフォローも忘れなかった。試食をおいて商品の育成をしていることを報告し、島内にお得意様全店に案内していることを数字をまじえて説明した。メーカーも初めての取引で毎週のように継続して注文がくるのに感謝し、試食で使った分は別途赤伝を切ってほしいと試食販売の企画に賛同してくれた。勇作は特売のあり方を考えるようになった。今までは安く売ることばかりしか考えていなかったが、特売は販売促進という意味がある通り、その商品が今後売れるようにするための手段であると考えるようになった。今やっている特売は商品の価値を下げる効果しかないのではないか?売る立場、買う立場によって特売のとらえ方は違うが、問屋は商品が売れるように努力し、多くのお客様に支持してもらえる仕組みづくりを常に考えてゆかなければならないと思った。

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