第2戦=こんなはずじゃ・・・
いつもと同じ帰り道、学校が終わり俺は下校しているところだった。いつもなら俺はこのまま家まで自転車で風と一緒に流れるかのようにどこにも寄らず、帰っていることだろう。
だがしかし、今の俺は絶対に寄らなければならないところがある。
大昔は、プラモデルなどが取り扱われていたらしいがそれは今の店長の何代も前のご先祖様が経営していたころの話らしい。俺が向かっているのはそんなようなところだ。
「そんなことはどうだっていいんだよ!」
「は? 店入ってきていきなり何言ってやがるんだ?」
「こっちの話だ。で、予約しておいたやつ、ちゃんとあるんだろうな?」
「すまねぇ。最後の一つはお前ようにとっておいたんだがとある金持ちに通常の3倍の値段で買い取られちまった。」
へ? おい何言ってんだこいつ、高校入学前から予約してずっと待ちわびてたのに、さっぱりした顔で・・
「本当にすまねぇ。 こんなこといっても許されないのは当たり前だよな。」
とりあえず俺は、次の入荷時の予約だけ取っておいて店をあとにした。
「こんなはずじゃなかった・・。」
俺は今日発売の人型アンドロイド、いわゆる人造人間。この言葉を聞いて気が引けるような時代は終わったのだ。今では、人のような会話術を完璧に使える訳ではないが日常会話レベルとその場面あったパターン反応くらいはできるようになっているのだ。
俺は一人っ子で親は天才と呼ばれ、海外で金をガツガツ稼いでいる。そんな俺にとって家にいることは退屈でしかなかった。それを解決するために買おうと思ったのが人型アンドロイド、最近では《フリーノイド》とも呼ばれることもある。
「フリーダム・ヒューマノイド」の略らしいが、とにかく俺はそのフリーノイドと家での日常をも快適にしようとしていたのだ。
そんな、絶望の中俺は自転車に乗らず自転車を引いて家までの長い道を歩いて帰った。
その後に俺にとって最高で最悪の出会いを果たすことも知らずに・・・
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