第29話 機械王。

 「我らが主、機械王様だ」

 その言葉を残して、四機が光の中へと消えたところで、記録映像は終了した。

 「南雲博士が言った通り本当に上位種が来たのだな」

 ウィリアムの一言によって、防衛会議の出席者達は眉間に皺を寄せた苦い表情を浮かべ、会議の雰囲気を重苦しいものにしていった。

 上位種の出現を知った将校の中で笑顔を浮かべる者が一人も居ない状況は、前回の楽天的な雰囲気は微塵も無かった。

 「今まで来ていた者達を下等と言っていたことから本当に上位種ということになるのだろうな」

 「そんなことは奴等の言葉を聞けば分かるだろう。自分の体を再生ではなく創造できると言っていたのだぞ。これはいったいどういうことなのかね? 南雲博士」

 将校の一人が、前回と同じく会議に出席している京介に対して、突っ掛かるような言い方で意見を求めた。

 「記録映像しか見ていないのでおおよその見当しか付きませんが、自身のパーツを造り出す機関を有していると考えられます。これまで現れた種類が再生に限界があったことを考えれば上位の能力を有しているとみて間違いないでしょう」

 京介は、現時点で答えられる範囲の説明をした。

 「それともう一つ気になるのが、出現と後退の仕方だ。光の中から出たり入ったりしていたが、あれはいったいなんだね?」

 「おそらくはワープ航行でしょう。これも上位種だからこそ持ち得る能力であるといえます」

 「創造にワープ、今の我々の技術レベルとは比べ物にさえならないな。まったく奴等はどこまで計り知れない能力を持っているんだ」

 「だが、一番憂慮すべきは上位種が最後に言っていた機械王という存在でしょう」

 「上位種が命令を聞いて、引き下がったということは彼らよりも上の存在、引いては鋼鉄兵団の頂点となる存在の可能性があります」

 京介が、聞かれる前に自身の考えを述べていく。

 「それはつまり鋼鉄兵団の親玉ということになるのか?」

 「そう考えていいでしょう」

 「親玉もしくは頂点が来るということは、人類は鋼鉄兵団との全面戦争に突入することになるわけだな」

 ウィリアムが、再度重い一言を口にした。

 その言葉を聞いた将校全員が、返す言葉も無く黙ったことで、会議室全体が静まり返る。

 「地球はこの事態にどう対処するつもりなのかな? ゾマホ首相が代表を辞任して後任選びで大変な時だとは思うが」

 地球防衛隊所属のヴィッセルに連合の内情を踏まえた上で、地球側のこれからの方針に付いて尋ねた。

 「先程確認しましたところ連合政府としては、この事態を重く受け止め、地球の防衛力の強化を図る方針とのことです」

 素直な返事が返ってくる。

 「それは当然の対応だろうが、増援の方はどうなっているのかね? そちらで開発中の新兵器も含めてできるだけの戦力を回して欲しいのだが」

 「新兵器に関しましてはお答えできませんが、できる限りの支援をするように要請は出しています。新代表が決まり次第、衛星大臣から通達があるでしょう」

 ヴィッセルは、支援要請を約束しつつも新兵器の有無に付いては、一切答えなかった。

 ウィリアムは、こんな時まで秘密主義を貫くヴィッセルの姿勢に対して、防衛隊員としては正しいと思いながらも一個人の人間としては半ば呆れていた。

 「南雲博士、ハカイオーをもっと強化することはできないのかね?」

 「あれ以上の強化は不可能です。仮に強化できたとして、また暴走したらどうしますか? 月を崩壊させてしまうかもしれないんですよ」

 京介の返事に会議は、三度目の沈黙に包まれた。

 「今はハカイオーだけに頼らず、月と地球の戦力を合わせ、一致団結して鋼鉄兵団に立ち向かうことが最良の策だとわたしは思う。異議のある者は居るか?」

 その言葉に手を上げる者は一人も居なかった。

 「では、これで防衛会議を終了とする。各自、持ち場に戻ってくれ」

 ウィリアムの閉会の言葉を聞いた出席者達は、席を立って会議室から出て行った。

 京介は、自分ができることをやろうと決意を新たにして、工場へ戻っていった。

 

 「それじゃあね。明海」

 「じゃあね。マリア」

 宇宙空港に来ている明海は、ボランティア活動をしている中で、友人になった同年代の女性の見送りに来ていた。

 「あたしとしてはもう少し続けたかったんだけど、親がすぐに戻って来いってうるさいから」

 「戦いが激しくなるかもしれないんだから当然だね」

 鋼鉄兵団の上位種が来るという今まで以上に戦況が激化する事態を知った両親が、すぐに地球へ戻るように言ってきたのである。

 「明海は戻らなくてもいいの? ここ居たらもう安全は保障できないってテレサさんも言っていたじゃない」

 マリアが、心配そうに尋ねてくる。心から明海の身を案じているのだ。

 なお、テレサとは、ボランティアの代表で、現場での指揮を取っている女性のことである。

 「わたしのことなら心配しなくても大丈夫。いざとなれば、お父様になんとかしてもらうから」

 「そうか。偉い博士の娘ならなんとかなるかもね。そろそろ出発の時間だから行くわ」

 「うん」

 明海から離れたマリアは、シャトルの入り口に着いてから振り返り、軽く手を振って中へ入っていった。

 明海は、マリアの姿が見えなくなるのを確認してから保安区画を後にした。

 空港から出て行こうと通路を歩いている最中、区画ごとに銃を携帯して立っている防衛隊員を目にしていった。

 明海が、巻き込まれたシャトル乗っ取り未遂事件のような事態の再発防止策として、月面政府は民間の警備員に変わって、防衛隊員を配置することで警備を強化しているのである。

 空港から出たところで、数名の隊員に連行されていく一組の家族を見ることになった。

 「すいません。その人達、何かしたんですか? わたしは防衛隊の機動兵器開発顧問している南雲京介の娘で南雲明海と言います」

 明海は、疑われる前に自分のパーソナルデータを提示しながら京介の娘であることを隊員に伝えた。

 父の名前を使えば、ある程度の融通が利くことを覚えたのだ。

 「シャトルの貨物区に密航して地球へ行こうとしていたから逮捕したんだ」

 隊員の一人が足を止めて、渋々といった感じで答えてくれた。都合よく父のことを知っていたからだろう。

 「密航する人なんているんですね」

 「別に珍しいことじゃない。ここ最近は毎日のように逮捕者が出ているし、隊員でさえやろうとする奴が居るくらいさ。早く逃げたいけど地球人みたいに優先的にシャトルを回してもらえるわけじゃないから気持ちは分かるけどな」

 隊員は、嫌味を含めながら事情を説明してくれた。今の状況に心底うんざりしているのだろうと思った。

 「じゃあ、自分はこれで失礼するよ」

 「わざわざ呼び止めてすいませんでした」

 「いいさ」

 隊員は、明海の謝辞を受け流すように去っていった。

 密航という手段は、自分もやってしまったことがあるので、逮捕されてしまった家族に対して、物凄く後ろめたい気持ちになった。

 空港から少し離れると、地球へ避難できないでいる月市民が地球人と月市民を別けることなくシャトルに乗せるよう抗議を行っていて、すぐ側にはパワードスーツを装着してガトリング砲を持った十数人の防衛隊員が、抗議以上のことができないように見張っていた。

 そんな光景を見ながら道の脇に止まっている無人タクシーに乗って、ボランティアの活動場所へ向かった。

 移動する車窓から常に防護ドームを閉じている天井を見ている中で、健は今どうしているのかと思った。


 「ミッツ、少しは落ち着きなよ」

 珠樹は、その辺をずっとうろうろしているミッツに落ち着くように声を掛けた。

 「わ、分かっているよ」

 ミッツが、そわそわした落ち着きのない返事をする。

 月面防護隊本部にあるヴィーゼルの格納庫付近に設けられた待機所では、珠樹を含むパイロット全員が出撃に備えて待機していた。

 上位種の襲来に備えて、すぐに出撃できるようにという上層部の意向だった。

 「十六夜はあいつらが怖くないのかよ?」

 ミッツが、改まった様子で聞いてくる。

 「それじゃあ、あんたは怖いの?」

 「当たり前じゃないか。これまで以上にとんでもない奴等が攻めて来るんだぜ。怖いと思わない方がどうかしているってもんだ」

 その言葉を聞いて、周囲を見ると、待機室に居る全員が不安な表情を浮かべていて、今にも逃げ出しそうな顔をしている者もさえ居た。

 「お前は一機倒しているから少しは自信を持っているのかもしれないけど、俺達全員恐くて堪らないなんだよ」

 「そんなことを言ったら上風はいつだってたった一人で数え切れない敵と戦ってきているんだよ。それを考えれば少しは何かしなくちゃって思わないのかい?」

 弱音を吐き続けるミッツに対して、無性に腹が立ったので、声を荒げながら言い返す。

 「中尉はハカイオーっていう特別な機体に乗っているから平気でいられるんだよ。それにお前にとっては特別な存在だからそんな風に気遣うんだろ」

 「そんなんじゃない!」

 珠樹の予想以上の大声に待機室が静まり返る。

 「僕が戦っているのは上風の為もあるけど、エリカの為でもあるんだから!」

 珠樹は、本音を大声でぶちまけた。

 「・・・・悪かった。友達のこと思い出させちまって」

 ミッツは、エリカの名前を聞くなり、素直に謝罪した。仲が良かったことを知っていたからだ。

 「分かればいいし、友達を無くしたのはお互い様だよ」

 珠樹は、赦しの言葉を口にした。ミッツもまたその時の戦闘によって友人を失っていたからだ。

 「なんの騒ぎだ?」

 トロワが、待機室に入ってきた。

 「なんでもありません」

 珠樹が、何事も無かったように返事をする。

 「大方、敵を前にしてぶるっているってとこかな」

 全員の気持ちを代弁かつ見透かすような一言だった。

 「怖いと思っている奴が居たら遠慮なく出ていっていいぞ。ぶるっている奴が戦場に居ても足手まといになるだけだからな」

 その言葉を前に、全員が言葉を失ってしまう。

 「悪いな。待機中だからこんな事しか言えないんだ」

 少しだけ表情を緩めながら言った。

 「大佐は怖くないんですか?!」

 ミッツが、隊員全員の気持ちを代弁するような質問をする。

 「俺だって本当は怖いさ。死ぬのは嫌だからな。だが、市民を守る為に戦うのが宇宙連合防衛隊だろ」

 トロワが、自身の本音を語ったところで、鋼鉄兵団の出現を知らせる警報が鳴り響いた。

 「出撃だ!」

 トロワが、待機室から出て行った後に珠樹を先頭にパイロット達が続いていったが、待機室に残る者は一人も居なかった。

 

 その少し前、月面には漆黒のハカイオーが立っていた。

 健が、すぐに上位種が戻って来ると感じて、自分から見張り役を買って出たからである。

 静かな宇宙をずっと見ていると、これから自分がやろうとしていることが、酷く野蛮で無意味な行為に思えてきた。

 「来たな」

 健の予言めいた一言の後、頭上で強烈な発光現象が起こり、そこからすでに巨大ロボットになっている四機が姿を現した。

 「我らが主、機械王様が間もなくおでましになる。それまで相手をしてもらおうか」

 通信を送ってきたのは、壺からだった。

 四機の中で唯一女の声を出すので、聞き取りやすいのだ。

 「そいつが来る前に一機残らず破壊してやるぜ!」

 健は、ハカイオーに翼を出させて、月面から一気に飛び立たせた。

 「お前なんか、僕一人で十分だもんね~」

 初めに飛び出してきたのは死神で、マントで自身を覆い、先の鋭く尖ったドリルのような形に変形して、突っ込んできた。

 「そんなものがなんだってんだ!」

 健は、ハカイオーを翼で覆い、死神と同じくドリルのような形にして、突っ込んでいった。

 二体が、ぶつかると凄まじい火花が生じる押し合いになったが、すぐにハカイオーが押し勝ち始めた。

 その間に三機が動き出し、巨漢、騎士、壺の順番で死神の上に重なり、三機分の加重を一気に掛けてきた。

 不意に加わった三体分の力にパワーが追い付かず、ハカイオーは押し負けてしまい、月面に叩き付けられて、大きな煙を上げたのだった。

 「上風、今援護するぞ」

 基地から発進したトロワ率いるヴィーゼル部隊が、四機に向かって、ジェノランチャーを撃ちながら攻撃してきた。

 「来るな! お前達が叶う相手じゃない! 基地に引き返せ!」

 健は、月面にめり込んだまま後退を呼び掛けた。

 「弱き者は死ね」

 一番上になっている壺の輪っかが光ると偵察員や戦艦が創造され、ヴィーゼル部隊に向かっていった。

 「ドローン部隊を前面に展開させろ!」

 トロワが、向かってくる敵群を前にして、後方に付いてきている数十機からなるヴィーゼルのドローン部隊を前面に出させると、一斉にレーザーを撃ってきた。

 その攻撃に対し、ドローン部隊は一機を中心に一枚の壁を作るように四角い形を形成しながらバリアを張り巡らせて、光りの壁を作った。

 光の壁にレーザーが当たった直後、大きな発光現象の後に同じ数だけレーザーを跳ね返し、敵群の一部を撃破していった。

 「どうだ。ヴィーゼルのフラッシュリターンの威力は?」

 フラッシュリターンとは、健が、パイロットを勤めたヴィーゼルのバリア稼働テストで起こった発光現象を実戦に応用した対鋼鉄兵団用の攻撃方法なのである。

 「よし、ドローンの壁を中心に陣形を組んで迎撃に当たれ!」

 トロワの指揮の元、ヴィーゼル部隊は、鋼鉄兵団との戦闘に突入した。

 「弱き者達が、あのような技術を持つとは驚きだ」

 「あれだけで我らに抗えるわけでもあるまい」

 「すぐにでもぶっ殺してやるさ~!」

 「お前等、俺を無視してごちゃごちゃ言ってんじゃねえぞ~!」

 健が気合いを込めて、操縦桿をおもいっきり前に倒したことでパワーを獲たハカイオーは、両手を上げて四機を押し返し、そのまま前方に突き飛ばすことで、自身が叩き付けられた時以上の煙を上げさせたのだった。

 それから四機が体勢を建て直す前に、ハカイオーをヴィーゼル部隊に向かわせた。


 戦闘はまだ続いていたが、光の壁は破壊され、完全に不利な状況に陥っていた。

 「トロワ大佐、今から撃破に向かうから全員を撤退させろ!」

 「分かった」

 ヴィーゼル部隊が、撤退していくのを確認しながら敵群に突っ込み、あらゆる武器を駆使して、壺が想像した鋼鉄兵団を全滅させたのだった。

 「後は、俺に任せてあんた達は、アルテミスシティの防衛に回ってくれ!」

 「すまないが頼む」

 殿を勤めているトロワからの返信だった。

 「来やがったな。ぶった斬ってやる!」

 ハカイオーに右手から出した剣を持たせて、復帰した四機に向かっていった。

 剣を持っているからか、真っ先に向かってきたのは騎士だった。

 二つの巨大な刃がぶつかり合った直後、騎士の刃が突如巨大しながら鋭い棘を出して、ハカイオーを突き飛ばしていった。

 「このくらいで!」 

 健は、ハカイオーの左右の前腕の装甲を展開して放射させた黒い光で、棘もろとも刃を一瞬にして灰にした。

 その反撃に怯むことなく、すぐに新しい刃を創造した騎士を先頭に向かってくる四機に対し、剣を弓に変形させ、弦を引きながら出現させた巨大な漆黒の弓矢を放つ。

 矢は、すぐに無数の小さな矢に分裂して、四機に向かって飛んでいった。

 その攻撃に対して四機は盾を前に出す、腕を胸の前で組む、マントで全身を覆う、バリアを張るといったそれぞれの防御体勢を取っていきながら向かってくるのだった。

 「それなら、これはどうだ?」

 弓を剣に戻し、刃に両足を通して黒い雷を充填させ、さらに騎士がやったように刃を巨大化させながら、横一直線にフルスイングすることによって、四機をまとめて弾き飛ばしていく。

 「まずはお前からだ!」

 健は、一番武装が少なそうな壺から倒すことした。なお、女がロボット化したものだが、鋼鉄兵団なので罪悪感は一切沸かなかった。

 壺は、自分より数倍巨大な戦艦を何隻も創造して突撃させてきたが、剣の一振りで真っ二つにしていった。

 「もらった~!」

 ハカイオーが、剣を大きく振りかぶる中、壺は頭の輪っかをこれまで以上に強く光らせた。

 「なんだ?」

 健は、驚きの声を上げた。

 いつの間にか、後ろから出てきていた巨大な右腕に捕まれていたからだ。

 普通ならハカイオーに触れているだけで溶けるのだが、創造力で補っているのか、焼失する様子もなかった。

 そしてようく見ると、右手は四機があらわれた時と同じ発光現象の中から姿を現していて、壺がワープ航路を開いて出していることが分かった。

 「ちっきしょ~! こんなの反則だぞ~!」

 ハカイオーを手から離すべく、パワーを上げる為に操縦棹を動かしている最中、近付いてきた他の三機が一斉に右腕を押し付けてきた。

 「なんのつもりだか知らないが、前の時みたいに弾き飛ばしてやるぜ!」

 武器を一度に使って、四機を弾き飛ばそうとしたが、ハカイオーは全く動かなくなってしまった。

 「どうしたんだ? ハカイオー? 動け! 動け~!」

 どんなに操縦棹を動かしても反応しなかった。

 「いったい何が起こっているんだ?」

 焦りながらもハカイオーのコンディションデータを表示させると、機体全体に異物が侵入していることが判明した。

 「奴等が何か入れていやがるんだな」

 「我らの創造の力を送り込んでいるのだ。ハカイオーが持つ破壊の力と相反する力を入れられてはどうにもなるまい」

 騎士からの返事が返ってきたが、抑揚を欠いているので、勝ち誇っているのか、余裕を持っているのか分からない。

 「ふざけるな~! こんなもん、一欠片も残さず追い出してやる!」

 健が、操縦棹に付いているスイッチを強く押して、破壊粒子の放出を強めると、コンディションデータに表示されている創造粒子が、微かに消えていくのが見えた。

 「もっとだ! もっと破壊粒子を吐き出すんだ! ハカイオー~!」

 健の気合いに答えるようにハカイオーはさらに破壊粒子を大放出して、創造粒子を機体内から完全に駆逐していった。

 「いっけ~!」

 正常な機能を取り戻したハカイオーを操作して、全身から青い炎を放射することで、四機を吹き飛ばした。

 「今度こそ塵一つ残さず破壊してやるぜ!」

 

 その時だった。

 レーダーにこれまでにない強い反応が現れたのだ。

 「何が起こったんだ?」

 攻撃を止めて警戒の為に周囲を見回すと、四機はすでにハカイオーから離れて停止していた。

 「どういうつもりだ?」

 「おい出でになるのだ。我らが王がな」

 騎士が、言い終わるタイミングで、四機が現れた時以上の広大な発光現象が起こり、そこから巨大な物体が姿を見せた。

 どれくらいの大きさなのかというと月よりも大きい地球並の惑星であった。

 その巨大な惑星は、全て機械で構成されていて、稼働していることを示すように、表面をランダムに点滅させているのだった。

 「・・・・・」

 あまりに途方もない大きさのものを前にして、完全に圧倒された健は言葉を失ってしまった。

 そして、惑星表面にプロジェクションマッピング方式の映像が映し出された。

 映像に現れたのは白銀の鎧を身に纏ったような形をした巨大ロボットであった。

 「あれが機械王って奴なのか?」

 機械王を見た素直な感想を口にする。

 「我は機械王。お前達弱き者を滅ぼす者だ。地球に住む弱き者共よ、我はお前達が居なくなるまで攻撃を止めない! 覚悟するのだな!」

 機械王は、人類全滅を宣言した。

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