第16話 銀色の鳥。

 「宇宙連合地球本部所属ヴィッセル・マインツァー少将、宇宙連合防衛隊月面支部に着任いたしました」

 ラビニアの執務室にて、月面の防衛隊とは違う制服を着た身長が、やや低めながら屈強な体つきをした髭面の男が敬礼をしていた。

 「御苦労様、増援はこちらの要請通りなのね」

 「はい、無人戦車と無人戦闘機を各五千機ずつ輸送いたしました」

 「人員は、あなたを含めて三百名で間違いないわね」

 「はい、自分を含めた正規隊員三百名であります」

 「全て事前通知通りのようね。指揮は月面支部の指示に従うことになるわだけど構わないかしら?」

 ラビニアが、ヴィッセルの真意を確かめるように質問する。

 「もちろんです。我々は地球より派遣された増援部隊なのですから」

 ヴィッセルは、表情を一切変えることなく返事をした。

 「よく分かったわ。下がっていいわよ。これからの配置に関しては月面支部の本部にて確認してちょうだい」

 「分かりました。それと一つお願いがあるですが」

 「何かしら?」

 想定外の質問に思わず、声色が変わりそうになってしまった。

 「ハカイオーの見学を許可願えませんか? わたしを含め部下達の中にも近くで見たいと言う者が多数いるものですから」

 「それで増援部隊の士気が上がるのなら特別に許可するわ。司令部にはわたしから伝えておく」

 「ありがとうございます。それでは失礼いたします」

 ヴィッセルは、敬礼して部屋から出て行った。

 「あの男、大丈夫なのでしょうか? 経歴的にはなんの問題も無いようですけど」

 カガーリンが、ヴィッセルが出て行ったのを確認してから聞いてきた。

 「今のところまだなんともいえないけど、表情から感情を読ませない男だったから油断はできないわね」

 ラビニアは、やや表情を曇らせながら返事をした。


 健は、ブレインポッドの中で寝ていた。

 訓練が終わり、いつものようにポッド内で夕食を摂った後、そのまま寝てしまっていたのだ。

 「これがハカイオーのパイロットかよ~。まだガキじゃん」

 聞き覚えのない声を耳にして、目を覚ますと知らない人間がキャノピー越しに大勢集まり、携帯用の撮影機械を向けて写真を撮っているのだった。

 「お前達はいったいなんだ?」

 キャノピーを開けて、集まっている集団に素性を尋ねる。

 「俺達は防衛隊月面支部の増援要請で地球から来た防衛隊本部の隊員だ。お前、上風健だよな?」

 一番前に立っている男が、全員を代表するように質問に答えた。

 「そうだよ。それで何をしているんだ? ここは特別な許可が無いと入れないはずだけど」

 「見ての通りハカイオーの見学さ。地球で話題になっている本物の巨大ロボットを見に来たんだよ。ちゃんと衛星大臣の許可も取っているから無断進入ってわけじゃないぜ」

 男が、後ろを指さすと防衛隊の制服を着た別の集団が、ハカイオーの前に溢れかえっているのだった。

 健は、MT《マルチタトゥー》のメールBOXをタッチして、一件の新着メールがきていたので、開いてみると司令部からハカイオーの見学の許可をラビニアが出したことが書かれていた。

 「なるほど、確かに大臣が許可しているな。そういうことならハカイオーを見ても構わないが、俺の写真撮影の許可まで出ていないぞ。今すぐ画像を消してくれ」

 「おいおい、予想外にハカイオーのパイロットまで居たんだから写真くらい撮らせてくれてもいいだろ~?」

 男は、軽い調子で言い返してくる。

 「俺はアイドルじゃないぞ。無断で寝顔を撮られて喜ぶわけがねえだろ」

 健の声に怒りが混じり始める。

 「俺は、ミッツ・レブラント大尉だ。君は俺よりも階級が下なんだからきちんと敬語を使ってくれたまえよ。”三等兵君”」

 ミッツの返事に対して、周囲に居る隊員達が笑い声を上げていく。

 「便宜上三等兵ってだけで、あんたらに敬語を使うことも従う必要も無いんだよ。それよりもデータ消すのか消されないのかはっきりしてくれよ。担当の精神科医からあまりストレス溜めるなって言われているんでね」

 「おいおい、こいつ、俺達よりもバカデカいものに乗っているからって調子乗り過ぎじゃねえのか~。ちょっと痛め付けてやろうぜ」

 別の隊員が、肩をいかせながら前に出てきた。

 「待てよ。配属初日に問題起こすのはまずいだろ。ここは一つ"レクリエーション"といこうじゃないか。この意味分かるよな?」

 ミッツが、挑発気味に尋ねてくる。

 「ああ、分かるよ」

 ブレインポッドから降りた健は、どこか嬉しそうに制服の袖を捲っていった。

 「それじゃあ、遠慮なくぶちのめしてやるぜ」

 暴力宣言をしてきた隊員が、殴りかかってきた。

 健は、体を軽く捻って、攻撃をかわしつつ男の右手を掴むなり、上体を屈めて背負い投げの要領で床に叩き付けた後、右腕を逆方向にねじ曲げてみせた。

 「どうだい? 地球の隊員さんよ。これでも毎日厳しい訓練を受けているんでね。一対一の喧嘩だったら負けやしないぜ」

 守の言葉に対して、男は苦しそうな呻き声を上げるだけで、反撃することも言い返すこともできなかった。

 「お前達、そこまでだ!」

 格納庫に入ってきたヴィッセルが、レクリエーションを止めに入った。

 「これは失礼しました。少将殿」

 ミッツ達は、姿勢を正して敬礼していった。

 「上風健君、彼を離したまえ」

 ヴィッセルは、健に厳しい声で命令した。

 「分かったよ」

 健が、言われた通り手を離すと、男は顔を歪めながらもヴィッセルに対し、姿勢を正して敬礼してみせた。

 「いったい何があったのか事情を聞こうか。ハカイオーの見学許可はもらったが、レクリエーションの許可までは出ていなかったはずだぞ」

 ヴィッセルが、トーンを抑えながらも厳しい口調で、理由を問い質す。

 「こいつらが無断で俺の寝顔を取っていたのさ。だから、消すように交渉したらこの有様ってわけ」

 健は、嫌味たっぷりに事情を説明した。

 「そういうことなら全員、神風君の画像をこの場で消せ。これは命令だ」

 無断で写真を撮っていた全隊員が、その命令に応じて画像を消していく。

 「ハカイオーは見れたのだから全員、宿舎に戻れ」

 「はっ」

 ミッツ達は、再度敬礼して格納庫から出て行った。その際、右腕を拘束された男は、健を一睨みしていった。

 「わたしの部下が失礼なことをしたな」

 ヴィッセルは、自分の部下の非を素直に詫びた。

 「あんたも増援組なのか?」

 「わたしは宇宙連合本部から増援部隊として派遣されたヴィッセル・マインツァー少将だ」

 ヴィッセルが、自己紹介する。

 「少将ね。随分と偉いんだな」

 「君は確か十八歳だったな」

 「そうだけど」

 「さっきから聞いていると目上の人間に対する口の利き方がなっていないようだな。所属部隊が違うし防衛隊員でないとしてもわたしは年上の人間だぞ」

 「それを言ったら大臣にも同じような感じで話しているし、隊員って言っても一般人のままだと面倒くさいことが多いからって、とりあえず公務員にさせられているだけだからな。色々あって頭がいかれかけたせいで、敬語を使う感覚とは麻痺しているみたいなんだよ」

 健が、分かり易く自身の状態に付いて説明していく。

 「なるほど、そういうわけか」

 ヴィッセルは、皮肉な笑いを浮かべながら納得した。

 「あんたら月政府の要請だからってわざわざ月に来るなんて無駄もいいとこだよな」

 「何故、無駄だと思う?」

 冷静な口調で聞き返してきた。

 「そりゃあ、そうだろ。鋼鉄兵団はハカイオーが全部倒すんだから、あんたらに出番なんてないぜ。それに出てきても死ぬだけだからな。無駄死もいいところだ」

 「確かに鋼鉄兵団との戦いで多くの隊員が犠牲となった。だが、死ぬと分かっていても戦場へ行って引き金を引かなくてはならない時もある。それが防衛隊の勤めだ」

 「そんなことで死んでなんになるんだよ。死んじまったら終わりだぞ。俺一人が戦えば十分だ。そうすれば犠牲者だって出さなくて済むからな。そうすれば悲しむ人間だって居なくなる」

 健は、自嘲気味に言った。

 「いい意気込みだが、自惚れ過ぎだな」

 「どういう意味だよ?」

 「月面支部はどう思っているかは知らないが、我々地球本部はそこまでハカイオーを当てにはしていないということさ」

 ヴィッセルは、言い終わるとハカイオーを一通り見ていった後、背を向けて、健には何も言わず格納庫から出て行った。

 「まったくなんだってんだ」

 健は、ヴィッセルの後ろ姿を見ながら小声で悪態を付いた。 


 「なあ、俺とハカイオーって防衛隊からどう思われているんだ?」

 訓練の休み時間中、珠樹に質問した。

 「どうって?」

 「好きとか嫌いとか、頼りにされているとか、煙たがられているとかってことだよ」

 「正直に言っていいのかい?」

 珠樹は、珍しく言葉を詰まらせた。

 「なんだよ。そんなに酷いのか?」

 「そうじゃなくて聞いたら気持ち的に乱れるんじゃないかと思ってね」

 そう言って、少し心配そうな表情を見せる。健の訓練相手を務める関係上、精神科医にかかっていることも知らされているのだ。

 「心配するなよ。まだ薬は打っているけど、本数自体は減っているし、回復傾向にあるってドクター・オオマツからお墨付きもらっているから。ちょっとやそっとのことじゃ乱れやしないよ」

 健は、軽く笑って見せながら返事をした。

 「それなら遠慮なく、さっき言ったこと全部だよ。好きって言う人のもいれば嫌いっていう人のも居て、頼りにしている人のもいれば妬んでいるも人のも居るよ」

 「評価に関しては十人十色ってわけか。珠樹は俺とハカイオーのことをどう思っているんだ?」

 「僕は個人には頼りにしている反面、任せ過ぎだと思っているよ」

 「どういう意味だよ?」

 「鋼鉄兵団との戦闘では頼りにしているけど、君だけに戦わせて悪いとも思っているんだよ。僕だってアルテミスシティを守る防衛隊の一員なのに何もできないなんて、なんだか情けない気がして」

 珠樹にしては、珍しく弱音とも取れる発言だった。

 「しょうがないだろ。鋼鉄兵団を完全に倒せるのはハカイオーだけなんだから。アルテミスキャノンだって一時的にダメージを与えられるだけだしな」

 「そういうのがなんか嫌なんだよ。君一人に全てを任せているみたいでさ」

 「俺一人が苦しんで済むのならそれでいいさ」

 「そういう考えは嫌いだな。なんだか、自暴自棄になっているみたいに聞こえるよ」

 「いいじゃないか。俺だけが辛い思いをしていれば誰も死ななくて済むんだぞ。なんだかんだいっても死んじまったら何にもならないからな。それとも第二、第三のハカイオーがあればいいってのか?」

 「ハカイオーほどの兵器じゃなくてもいいから、鋼鉄兵団に対抗できる兵器は欲しいよ。そうすればパイロットになって君の負担を減らせるしさ」

 「俺は、そんなことになる前に戦いそのものを終わらせたいよ」

 健は、遠くを見るような顔をした。

 「・・・・そろそろ訓練を再開しようか」

 「そうだな」

 二人は、どちらでもなく訓練を再開した。

 

 その夜、健はいつも通り格納庫で夕食を摂った後、自室に戻って、備え付けのパソコンでネット検索をしていた。

 検索内容は、ハカイオーが地球人にどう見られているかである。

 ヒット数はかなり多く、その中から無作為に動画や書き込みなどを見ていった。

 ハカイオーを救世主というのもあれば、鋼鉄兵団と同じような破壊者、宇宙連合が密かに建造していた秘密兵器、巨大ロボットという存在としてはどうかなど様々な意見があったが、どれも的外れな気がしてきて、見ている内になんだか笑ってしまった。

 「みんな言いたいことを言っているだけじゃないか。初めから気にすることでもなかったな~」

 画面を閉じた健は、部屋を出て、ハカイオーの格納庫に戻っていった。

 「救世主、破壊者、俺達ってほんとどっちなんだろうな。まあ、全ては戦いが終われば分かるか」

 健は、家族にではなくハカイオーに言った後、ブレインポッドの中に入って眠りについた。


 健は、格納庫内に響く非常サイレンで目を覚ました。

 それからMT《マルチタトゥー》にメールが入っているのを知り、開けてみると鋼鉄兵団が接近しているので、パイロットスーツを着てブレインポッドにて待機していろとの命令が書かれていた。

 「ここで寝るのも無駄じゃなかったな」

 健は、ブレインポッドのダッシュボードを開け、中にしまってあるパイロットスーツを出して、手早く着用していった。

 「神風健だ。ブレインポッドに搭乗して待機する」

 MTを通して司令部に連絡を入れた。

 「了解、そのまま待機してくれ」

 司令部からすぐに返信が送られてきた。


 宇宙を一匹の巨大な鳥が飛んでいる。

 これまでやって来た鋼鉄兵団と同じく全身が銀色で、鷲か鷹のような猛禽類に酷似した姿をしていた。

 ただし、飛行方法にはジェットを用いておらず、丸で本物の鳥のように翼を広げた状態で宇宙を飛行しているのだった。

 その鳥に向かって、一条の大きなビームが飛んできた。

 アルテミスシティが、ファタールの時のように先にダメージを与えるべくアルテミスキャノンのを発射したのである。

 なお、宇宙用ミサイルは、有効性が無いとして、使われなくなったのだ。

 鳥は、その見た目から想像もできないほどの反射速度で回避行動を取って、ビームをやり過ごしながらアルテミスシティへ向かって行った。

 そのアルテミスシティの防衛隊は、アルテミスキャノンで有効なダメージを与えられなかったとして、ハカイオーの出撃を決定した。

 この前と同じ手順で月面に出たハカイオーは、二足走行によって、接近してくる鳥に正面から向かっていった。

 「薔薇の次は鳥か。鋼鉄兵団はなんでもありなのか?」

 健は、近付いてくる鳥を見ながら悪態を付いた。

 鳥は、向かってくるハカイオーに対して、人間態を見せることも話しかけることもしない代わりに口を大きく開け、リング状の衝撃波を発射してきた。

 ハカイオーが、右横にジャンプして避けると衝撃波の当たった個所は、円の形に大きく抉れていった。

 「やっぱり攻撃方法も全然違うんだな」

 健は、ハカイオーをジャンプさせて接近を試みたが、鳥はすぐさま急上昇してしまい、近付くことができなかった。

 「くそっ」

 健は、ハカイオーの両手から炎を出すことで、落下速度を軽減させながら着地した。

 翼を大きく広げた鳥は、ハカイオーに向かって、羽の一部をミサイル並みのスピードで飛ばしてきた。

 「そんなもん一つ残らず燃やしてやるぜ!」

 健は、ハカイオーの両手から炎を出して焼いていったが、撃ち漏らして地上に落ちた羽は、銀色の狼のような姿に変形して襲いかかってきた。

 「まったく鬱陶しいんだよ!」

 向かってくる狼を両足から出す電流で、一匹残らず撃破していく。

 鳥は、ハカイオーが動けないでいる間にアルテミスシティへ接近していった。

 

 迫ってくる鳥に対して、防衛隊は月面に無人の戦闘機と戦車部隊を展開して応戦させたが、ダメージを与えられる筈もなく、鳥が出す衝撃波によって、あっさりと全滅させられてしまった。

 邪魔者を排除した鳥は、シティの上に降り立ち、目の前の獲物を痛ぶるように足から飛び出した爪で、ドームの外壁を一枚一枚剥がしていく。

 そこへ狼を破壊し終えたハカイオーが駆け付け、月面を蹴って飛び上がってドームに着地した後、そこを足場にもう一度ジャンプして鳥に飛びかかっていった。

 ハカイオーに気付いた鳥は、上昇して逃げようとした。

 「逃がすもんか!」

 ハカイオーが、両腕を突き出すと前腕がミサイル並みのスピードで飛び出し、鳥の首に命中して大爆発を起こした。

 ファタールを倒した後、手足を換装する仕組みを応用して、新たに腕をミサイル並みの速さで飛ばせるよ機能を追加したのである。

 首の一部を吹き飛ばされ、スピードの落ちた鳥の背中に飛び移ったハカイオーは、装着した新しい右腕を突き刺して溶かしていった。

 鳥は、溶かされている部分を全て切り離すと、再生しながらアルテミスシティから離れ、地球へ向かって飛んでいった。

 「行かせるか!」

 健は、ハカイオーに右腕を飛ばしたが、鳥は超スピードで飛行したことで、あっという間に届かない距離に逃げられてしまい、胸からビームを発射したが、それも回避されてしまった。

 「くっそ~! ハカイオーも飛べさえすれば・・・・・・」

 初めて敵を取り逃がした健は、コックピットを強く叩いて悔しさを声に出した。

 

 「早く地球へ攻撃要請を」

 戦況を見ていたラビニアが、カガーリンに命じた。

 「大臣、その必要はありません」

 通信に割り込んできたのは、ヴィッセルだった。

 「ヴィッセル少将、それはいったいどういうこと?」

 「地球にはすでに攻撃準備ができているからです」

 「攻撃準備ができているですって? いったい何をするつもり?」

 「バンブーキャノンを使います」

 「バンブーキャノン?」

 初めて耳にする言葉にラビニアは、オウム返しに同じ言葉を言うことしかできなかった。

 「とにかく映像をご覧下さい」

 ラビニアの正面に地球を映したHS《ホログラムスクリーン》が開いた。

 地球の前には巨大な筒状のものがあって、多数の宇宙艦隊が護衛するように囲んでいるのだった。

 「あの巨大なものがバンブーキャノンだというの?」

 ラビニアは、画面の筒を凝視した。

 「そうです。説明するよりもその威力をご覧ください」

 筒の前に集結している艦隊がビームによる一斉攻撃を行い、鳥をキャノンの方へ引き寄せていく。

 そうして狙い通り鳥が正面に来ると、筒に膨大なエネルガーが充填されていき、そのエネルギーを一気にを吐き出すように発射された青色のビームは、アルテミスキャノンの何倍も太かった。

 予想外の攻撃だった為か、回避もできず、まともに浴びた鳥を跡形も無く焼失させたビームは、月面の上空を駆け抜け、健を含む月に居る者達に大きなインパクトを与えていった。

 「いかがですか、我が防衛隊本部のバンブーキャノンの威力は?」

 あまりに予想外の存在と、それが示した威力を前にしてラビニアは、言葉も出ななかった。

 「これで分かっただろ。神風健、地球は君とハカイオーを当てにしていないとね」

 ヴィッセルは、健に対して勝ち誇ったような通信を送ってきた。

 その通信を聞いた健は、言葉も無く、敵の居なくなった地球を見ているだけだった。

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