第8話ヘブンキングの人々(奴隷と市場と貴族と虐待)
「奴隷市場の季節が来ましたね」その言葉にマスクはにやにやしていた。
「奴隷と聞いて君はどう思うかね?」エドワードクリーンにマスクは質問をしていた。
「・・・・・・奴隷は私にとって奴隷です。それ以下でもそれ以外でも何もありません」
「良い答えです。それが普通なのです。彼らは人間ではなく家畜なのですから」
そういいながら、エドワードクリーンとマスクは奴隷市場であるレッドストーンにきていた。エドワードクリーンとマスクはレッドストーンの城の上から見えるグラウンドを見ていた。
そこには奴隷たちが監視員によって調教されていた。グラウンドには豚小屋のようなところがあり、そこで奴隷たちは調教が終わるまで暮らさないといけない。
「お!あいつ何もしてないな?してないよな?いいな?打っていいな!」そう言ってマスクはレッドストーンの監視の城からライフルで「パアーーーーっン」と放ち、いとも簡単に一人殺してしまったのである。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!!」と近くの奴隷たちが叫びあたりは地獄絵図だった。すかさず今度は騒いでいる奴隷をまた監視員が撃ち殺したのである。
ほんとうに、いとも簡単に人の命を奪っていくのである。
「静かに!仕事をしろ」そう言って見せしめにまた一人殺した。
「あーなりたくなければ仕事をするんだ。いいかお前たちの労働が認められないとこの場所からは一生出られないか?もしくは殺すことになっている」そう言って監視員はまた奴隷たちに仕事をさせた。
調教が終わるまで彼らは黙々と畑仕事、家畜の世話、工場での鍋の製作、フライパン、コンロ、ライフル、ねじ、ビン、缶などさまざまな日常品を作っていた。
「嫌だねえーーー、ほんとに嫌だね。あんなのには絶対になりたくないね。俺なら自殺するね自殺。なんであいつらは自殺しないかな♥」そう言ってマスクはまた一人ライフルで撃ち殺した。
「ほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほら。こんなに人を簡単に殺せる場所なんて最高だと思わない?」
マスクとエドワードクリーンのほかにもレッドストーンの城には貴族たちが何人かいた。彼らもまた自分たちで凶器を持ち、気に入らないやつは次から次へと殺していったのである。
エドワードクリーンはもともとヘブンキングダムの人間ではなかった。彼はもともとマイトクラスの人間だったのである。だが、ある日を境に彼はアガサドールの人間にスカウトされ、マスクの部下になったのである。
「さて、と。そろそろ行こうか」そう言ってさんざん奴隷を撃ち殺した後にマスクとエドワードクリーンはレッドストーンを出た。
マスクとエドワードクリーンが次に向かった場所は風俗の街だった。この国ヘブンキングダムは人間の欲望がすべてかなえられる場所だった。三大欲求である性欲、食欲、睡眠欲はもちろん支配欲など人間の様々な本能をすべてかなえられる場所が提供されていた。
エドワードクリーンとマスクは風俗の街であるオイランに着いた。そこにはたくさんの風俗店の店があった。デリバリーヘルス、きゃんぱぶサロン、ソープ。中には本番もできるところもある。あたり一面に女性たちが勧誘をするために胸元を開け、短いスカートをはいて私たちを誘ってくる。街中がネオン街でピンク色の看板だらけだった。客はやはり貴族ばかりであり、それも中にはそれなりの王族に近い中流階級の貴族もいる。
「どうだ、エド。いい女はいるか?」マスクはにやにやしながら言った。
「どうですかね、私は久しぶりにここに来ましたし。それに私はそんなに女性に興味がないというか」
「お前なあー、オカマか?それともニューハーフか?」
「いえ、そんなんじゃないんですけど。どうしてもお金で女性とセックスや性処理をしてもらうのは抵抗があるといいますか」
「だからお前はダメなんだよ。エド、知っていると思うがな俺たちは今ヘブンキングの国の住民なんだぞ。そんな選ばれた人間が欲望を満たさないでどうするよ。ここは欲望を開放する国でもあるんだぞ!」マスクはそう正論みたいな事を言っていたが、とっくにマスクのマスクは暴発寸前だったのだろう。もう我慢汁も出ている状態で少し股間が濡れていた。
はああーーーーーーーーー、とエドワードクリーンはマスクの後ろでため息をつき
「わかりました、では私も行きましょう」と渋々了解した。
「おおーーーーーーーーーーっ!お前も男だよ。それでこそ男だ。じゃあ今からどこに行く?デリヘルか?きゃんぱぶか?それともソープか?」
「デリヘルでお願いします」
「デリヘルね、じゃあ今から電話してくれ。どこの店にするかな?」そう言ってマスクはエドワードクリーンに店を決めた後に電話をかけさせた。
「ハイこちらデリバリーヘルス○○です。今日は指名とかありますか?」
「指名はありますか?」エドワードクリーンがマスクにそういうと
「馬鹿、巨乳で美人でどMに決まってんだろうが。俺の性癖ぐらい部下ならわかっておけ」そう言ってエドワードクリーンは電話越しに巨乳でどMの人を頼みますといった。
「わかりましたーー。では今から指定のホテルを言いますのでそこで待機していてください」
「ここに行って待っていてください見たいです」
「おーーーっサンキューな!ってお前はどうしたんだよ」
「私はほかの店の女性が気に入ったので今からほかの店に電話します」
「そっかそっか。お前が遊ばないと俺はアガサドールのやつらに怒られるからな。それじゃあ俺は先に言って楽しんでくるわ」そう言ってマスクはコンドームとまむしドリンクを買ってホテルのほうに行ってしまった。マスクが見えなくなったところでエドワードクリーンは喫煙所で一息つくことにした。
「欲望の国、快楽の国、王族の国、貴族の国。この国ヘブンドールにきてからエドの生活は一変していた。もともと売れないイラストレーターでマイトクラスで生活をしていた。学生時代から絵ばかり描いて天職だと思っていた。だが、マイトクラスの国で大学まで行き、そのあとイラストレーターの仕事に23歳で就いた。だが、私は上司との折り合いがつかずに25歳で仕事を辞めたエドワードクリーン。そして、転職もせずに自分に才能があると信じて32歳までずっとアルバイトをしながらフリーでしてきた。だが、結果は出ず、貯金もなくし、恋人もいなくなる。いっそのこと死のうと思って最後に書いた世界を呪うために書いたキャラクター、ミミーが世界中で大人気になる。それからこの国であるヘブンキングダムの王族アガサドールからここにスカウトされるという大大大出世!」とエドはたまにつけている日記に一人事みたいに一人で煙草を吸いながら読んでいた。
煙草の煙はオイランの街の空へと行ってしまった。あれからエドは恋人とは会っていない。一度は仲を取り戻そうといわれたが、エドは彼女ともう会う気はなかった。恋人と別れてからエドは女性を抱けなくなった。いや、そもそもミミーが売れてから彼には自分の欲望が何なのかよくわからなくなったのである。人間の欲望が叶うという国ヘブンドール。だがエドワードクリーンにとってはただのバカげた国だと思った。
エドは煙草を消して、一人オイランの街を散歩することにした。
エドは散歩をしていた時にショーウインドーのテレビからマイトクラスの国のニュースがあった。そこにはエドが幼馴染の乱歩が出ていたのである。
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