断罪編
第9話不可解な事件
エドワードクリーンはマイトクラスであった事件を聞いた後、すぐに乱歩に電話をかけた。ぷるるるっと電話が鳴ったがその日、乱歩から返事はなかった。
エドワードクリーンは何があったのかいまだに理解できなかった。そもそも乱歩とは幼馴染であり、その編集者である修とは乱歩を通して仲良くなった古い友人なのである。その編集者の修が殺人を犯すなんてエドには理解できなかった。その日、エドは家に帰ってベットに入っても一睡もできなかった。
次の日、エドは朝から電話がかかってきた。乱歩からと思い電話を見るとそれはマスクからだった。
「お前!一体何してんだよ。昨日遊び終わったらオイランのどこにもいねえし、電話しても出ねえしどこ行ってたんだよ?」
「すいません、実は旧友が事件に巻き込まれたらしくて」
「事件?事件ってこのヘブンキングダムでか?」
「いえ、私の故郷のマイトクラスで」
「そりゃあ下級の国なら変な犯罪なんていくらでも起こるわな。で、どんな事件に巻き込まれたんだよその友人さんは?」怒りがこみ上げてくる、だが、ここで腹を立ててもどうしようもない。それに向こうは私の上司である以上何も言えない。
「殺人事件です」
「はあーーーーーーーーっ!殺人事件ってそりゃあ今まで何年間もこの世界で監査していたが、殺人事件なんて何年ぶりだ?そりゃあ大事になりそうだな。で、その友人が犯人なのか?」
「いえ、友人の仕事仲間です」
「知ってるのか?」
「はい、何度か遊んだりしてました」
「そうか、まあ向こうの国で起きたことだし、参考人にあげられそうでも俺たちヘブンキングダムの住人には警察も関与できないからな。何も心配しなくてもいいさ。それよりも今日は何して遊ぶ?監査の仕事もまだ先だし。今日もまたオイランの街に行くとするか?」
この野郎はほんとに色欲の塊だなあ!と言いたくなる。
「いえ、私は少しこの事件を調べたいと思っています」
「はっ!仕事熱心なことで。まあ、いいわ昨日はアガサドールから頼まれたからお前を誘ったが今日はもう一人で行ってもいいだろう。じゃあお仕事頑張ってな」そう言ってマスクは電話を切った。
エドワードクリーンはそれからとりあえずインターネットとマイトクラスの新聞で今回の事件の全容を見てみた。全容を見ていると吐き気がこみ上げてきた。
「・・・・・・・・・・・・嘘だろ」そこにはエドが知っているあの冷静な修からは程遠い内容の殺人事件だった。死体をバラバラにしてそのあとにもう一人の男性を・・・・・・・・・・・・・だめだ、見ていて気持ち悪くなる。そう思ったエドワードクリーンは少し目を離した。
あの修がこんな快楽殺人者みたいなことをするなんて到底思えなかった。
その時だった。電話が鳴ってきたのである。相手は乱歩だった。
「・・・・・もしもし」
「もしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしっ!エドーーーーーーーーーーーーーっ!助けて」乱歩は取り乱していた。だが、乱歩はいつもこんな感じだったのでエドはどこかほっとしていた。
「久しぶりだな乱歩。ニュース見たよ。まさか修がこんなことをするなんて思いもよらなかった」
「そうだよ、修はそんなことしないよ!きっとあの奥さんに騙されたんだよ!いや何かおかしな組織に修が洗脳されたのか。いや違う、きっと何らかのトリックで赤目とかいうやつが本当の犯人なんだよ」乱歩はまた斜め上のよくわからない発想を出してきた。
「まあまあ、おちつけって。とりあえず修はその事件の前に何か変なこととかなかったのか?」
「いつも通りさ、いつも通り仕事をして帰ったよ・・・・・だけどそういえば何か奥さんとセックスレスとかいってたなあ。でもそんなのどこの夫婦でも一度はあるし、それに僕は離婚してるけど、結婚は一度してるからよくわかるからきちんとアドバイスはしといたけど」
「どんなアドバイス?」
「そりゃあ奥さんは子供がほしいだよとか」
「それは、な、人によって違うだろうが」
「そうなの?」
「そうだよ。そもそも修の奥さんは不倫してたんだからそんなタイプじゃないだろ?」
「そうだね、あの奥さんが悪いんだよ!だからきっと修は奥さんに騙されたんだよ」
「そうかもしれないし、そうじゃないのかもしれない」
「???????何が言いたいのさ?」
「何が言いたいとかじゃなくて、なんていえばいいかな」
「何が言いたいの?」
「用はな、なんかこの事件は少しおかしいんだよ」
「そりゃあおかしいさ、殺人事件だよ殺人事件。それも修が快楽殺人者にされてるんだよ。おかしいに決まってるでしょ!」
「乱歩さ、ほかの国の新聞やニュース見てるか・・・・・見てないか。お前は昔からそんなのに無関心だからな」
「何?」
「ほかの3つの国でも同じように殺人事件が今起きてるんだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます