第8話 俺の最近の朝は、目覚めがいい。

うそ、だろ? あの累計1000万部を超えている 「神の挑戦状」の作者......


「な、なんで今まで黙ってたんだよ」


「だって聞かれなかったから」


だ、だよな自分から言ったら自慢みたいだし、てかあの黒羽先生が同い年だったなんてッ......!

こんなにも実力の差があるとは、少し悔しいと思ってしまう。

しかし、俺はいまから、そんな人に教えてもらうのだ、というか、今までなんで気づかなかったんだろうか、これ俺、幼馴染失格か? ま、そんなこと考えているより教えてもらったほうがいいな。

そう思い、白のほうを向く


「黒羽先生っ! よろしくお願いします!!」


そう言って頭を下げる。

すると白は照れたように頬をかき


「せ、先生だなってそんな、僕のことはいままで通り”白”ってよんでおくれよ」


「わかった、じゃあ、よろしくな! 白」


――そして約3時間くらい、みっちり教えられた。


「ふ~ヒカリくんに教えるのはこれくらいかな」


「ほんとに助かった。」


白の知識はすごかった。ほんとにすごかった、それだけで、ノート一冊は埋まる勢いだった。


「今日はありがとな!」


「いえいえ、また今度~」


もう、夜の8時をまわっている。

急いで家に帰らなくては、七海に叱られてしまう。


「ただいま! 七海、遅くなったな」


そう言ってリビングに向かうと、椅子に座ってうつむいていた。


「ふんっ! 兄さんなんて知らないっ!」


ご立腹だ。頬を膨らませ、目を合わせようとしない。


「なぁ、悪かったって。携帯の電源切れてたんだよ。」


「むぅ」


「ほら、お土産にケーキ」


そう言って、七海の前にちらるかせると、目が輝きはじめた。七海はケーキが大好きでその中でも、特にショートケーキが好きなようだ。


「ほ~ら、ショートケーキもあるぞ~」


「ほぁ~~」


おっ、釣れた。


「こっ、これで許したわけじゃないからね! むぅ~」


あいつケーキだけとって自分の部屋にいきやがったっ!

ふとリビングの机に目をやるとおれの好物のからあげがのっていた、やっぱり七海は優しいな、いつか恩返ししてやらないと。そんなことを心に決める。


――翌日の朝


「起きて兄さん」


なんて目覚めの良い朝だろうか、乗っかられてはいるが......


「いつもわるいな。七海」


「いいの。兄さんはこうしないと起きないんだから」


そ、そうなのか? ってか俺は1人の時、目覚ましで普通に起きてたけどな。毎度思うが、なぜ目覚ましは鳴らないんだ?


「なぁ、七海。目覚ましって朝なってた? 俺、目覚ましで普通に起きれるんだけど」


すると、七海は真っ赤に顔を染めて俯く。

「に、兄さんが起きないから、私が毎回止めてるの!」


「怒ってないか?」


そんな気がした。 しかし、なっていた記憶がないな。 クソ、七海に迷惑かけてばかりだ、しっかりと一人で起きれるようにしないとな


「お、怒ってない!」


そう言いながら走って一階まで降りてしまった。なんなのだろうか。

あぁ、最近は七海が優しく起こしてくれるから目覚めがいい。

しかし、明後日はもう水野さんとの約束の日だ。

白(黒羽先生)にも教えてもらっているし、過去の中でも最高傑作になるぞッ!!

明日は妹にも見てもらおうかな!

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