第7話 黒羽先生

僕は布団の中にいる だってここが僕の本当の居場所だから。布団で生きそして死ぬ。 それが僕の人生だ。そうなのだ、うん。 俺の人生は布団でできている......ッ!


「ねぇ。兄さん、大丈夫?」


そういって七海は心配のまなざしを与えてくる。


「七海、俺はもう生きていけん」


「兄さんッ......諦めたらだめだよ!! だってスライムダンクの安産先生だって

”諦めたらそこで試合終了だよ”っていってるんだよ?? じゃあ、ここであきらめちゃだめだよ!!」


たしかにそうだ、安産先生はそう言った。

しかし.......編集長にあんなこと言われたら......




「この作品!全部ねぜ~んぜんだめ!!」


え?なんだそれ。俺が丸一日かけたやつだぞ...... それが全然だめだと?


「な、なんでですか??」


「なんていうかね~ぱっとしないっていうか、だって主人公が最初、妹と異世界に飛ばされるでしょ?

そこまではいいのよ...... あのね、なんでせっかく妹と転移するっていう面白い発想があるのに

”妹は転移に失敗して死んでしまった”なのよ! ばっかじゃないの!? だって、普通はこれから、妹との楽しい冒険が始まるのよ!?」


え?何言ってんだ?この人、最初に大事な人死んだほうが面白いからに決まってんじゃん


「だってそのほうが面白いから」


「はぁ~~?? 光ちゃんってばかね、妹死んじゃったらそのあとの展開、絶対狂うじゃない、後で復活させても無駄よ無駄。こんなのクソ小説よ」


「うう...」


――このあと1時間ほど絞られた。


「わかったら来週までにもう一度ここにきなさい! 発想は悪くないわよ」


「は、はい...」


とぼとぼ家に帰り布団にダイブして今の現状である。



「ねぇ、兄さん 兄さんが元気ないと私だって元気なくなっちゃう。」


「すまんな、七海。心配かけさせた。安産先生の言葉を信じて、諦めないことにするよ。」


そうやって俺は立ち上がり水野さんに指摘されたところを直すため、机に向かった。


「それでこそ! 兄さんだよ! 頑張ってね」


い、癒されるッ......! 抱きつきたい。なんて思い、七海を見つめているとみるみる内に顔が赤くなっていく、熱でも出てきたのか?


「~~~~~~~~~!! に、兄さんの目がいやらしいっ」


「そ、そんなことないよ!!」


確かにそんな目をしていたような気がする。

――まぁ、頑張ってやるか。そんなことを決意する。


なんだかんだで次の日曜まで残り三日。


学校から帰っていると 

「光く~ん」


白だ、こっちに走りながら手を振っている。


「なんだ」


「どうしたんだい? 浮かない顔して」


「なぁ白、お前ラノベ好きだったよな」


俺は白に、夢のことについて相談することにした。


「もっちろん!”魔法科中学の優等生”とか”合コンに出会いを求めるのは間違っているだろうか”

とかさ!」


「お!俺も合まちは好きだぜ その他に”神への挑戦状かな”」


「ほ、ほ~。いい選択だね。それで? ラノベがどうかしたのかい?」


もう言ったほうがいい、長い付き合いだし、馬鹿になんてしないはずだ。 そして勇気を振りしぼり、今まで隠していたことを言う。


「俺、実はさ、プロ作家目指してんだっ!」


「え? 知ってるよ?」


こいつ何言ってんの? 的な目で白は俺のことをみていた。


「え?? なんで?」


「え??? ばれてないと思ってたの?」


「まじか...... ばれてたのか」


な、なんだよ、気づいてんなら言ってくれてもいいだろ? 俺今まで何のために隠してたんだよ。


「そりゃ、長い付き合いだしね。それで相談でもあるの?」


「ラノベの書き方とか知ってたりしないか?」


白は何でも知ってるから、こんなことでもしっれいるかと思いきいてみた。


「知ってるけど~?」


「ほんとか?! 教えてくれッ!」


思わず白の手を握る


「ちょっ、大胆すぎるよ...... 僕でよければ大歓迎だよ!」


「ほ? ほんとか? ありがとう!」


「うん! この後、家に来るといいよ」


え? まじ? 俺、女子の家行くとか何年ぶりだよ......緊張するわ。

きっと、部屋とかピンク一面なんだろうな


「わ、わかった。行かせてもらうよ」


「変なことしないでよね? まぁそんな度胸はないと思うけど。」


そうやって俺のことをじろじろ見る


「わかってるわ!」


そんなやり取りをしていると家に着いた。


「さぁ~さぁっ! 部屋に入るといい!」


ドアの先はピンク一面...... ではなくなんというか渋い? 本がめっちゃあって、真ん中に机が一つ

期待していたぬいぐるみなどは全くなかった。


「おお~~なんというか。渋い?」


「まぁね~」


そういい部屋を回る。ふと開いていたパソコンに目をやると、小説の書きかけがあった。


「なんだ、お前も書いてるんだ、夢がプロだったりするのか?」


「そうだったけど、今は違う。」


「そうなのか。」


「だってその夢は叶えちゃったもんね」


かなえたんだ~~~......ふーんって......え?!


「どどどどどどゆこと??」


「まだヒカリくんにはいってなかったけど僕は黒羽くろばね ホワイト"神への挑戦状"の作者だよ~」


えええええええええええええええええええええええええええええええ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る